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どれだけ覚えておけるんやろう

どれだけ覚えておけるんやろう真夜中の砂丘を駆けて花火を上げた  法橋ひらく(『それはとても速くて永い』)

詩は勇気のことなのかなと時々思う。

どれだけ今この瞬間を覚えていられるか私は試されている。すごく後になって違うかたちで思い出したりすることもあるんだろうと思う。
あんなことがあったね、懐かしいよね、と君と話し合うこともある。でも二人とも心のどこかで本当はもっと小さな真実がちりばめられていたのね、もう思い出せないね、無くしちゃったねとも思ってる。
水槽に手を入れたときの金魚みたいに記憶が散っていく。

詩にはそのつど全部手にいれたものと全部無くしたものがある。

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