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由宇霧さんへのインタビュー企画~Vtuberとして性教育を伝えるということ~

 今回、男女の垣根を越えて性教育について伝えているVtuberの由宇霧さんからお話を伺うことができました。

「性」に関する話題は、どうしても煙たがられたり、茶化されたりして、まともに取り扱われないことが多いです。

由宇霧さんはそれに真正面から向き合い、「男女それぞれの体の仕組み」「性交渉にまつわるお悩み」などに答え続けてきました。

 この記事で初めて由宇霧さんを知った方にもこのままお読みいただけますが、より深く楽しみたい方は、ご本人が書かれたプロフィールを先にご覧ください。

 また、このインタビューの中でも、直接的な表現を回避するため、いくつかの「性に関する言葉」が言い換えられています。
 それらをご存知ない方やピンと来ない方は、有志による非公式Wikiをご覧ください。

(用語以外にも、お悩み相談の回答が見やすくまとめてあり、読み物としても面白いですよ!)

由宇霧さんの活動について

―――はじめに、簡単な自己紹介と、どのような活動をされているのかを教えてください。

由宇霧:おいでなんし~♨ バーチャル花魁の由宇霧と申します。普段はyoutubeで配信や動画投稿、noteの執筆などを行いながら、性に関する正しい知識を広めています。今までの経験や失敗談を「しくじり性教育」「みんなで考える性教育」として伝えたり、性に関するお悩み相談にも答えながら相互理解を深めたり、間違った知識で悲しい思いをする人を少しでも減らしていきたいという想いで活動しています。

―――youtubeはサブチャンネルもあり、FANBOXでの活動もあったりと、多くの場所で発信しているのですね。何を意識して使い分けているのですか?

由宇霧:メインチャンネルに全部あげていないのは、「性に関する知識」と「雑談など」をごちゃまぜにしたくないからなんです。メインチャンネルは「性の悩みを抱えて困っている人」「性に関する知識に興味のある人」が見に来る場所だと思っているので、それ以外のコンテンツがあるとノイズになってしまうと思っています。

―――メインチャンネルには性にまつわるコンテンツだけを投稿して、普通の雑談などはサブチャンネルですね。「コンテンツも好きだけど、人柄とかも好きだぞ!」というおゆかり♨民(ファンの総称)は無修正ラジオまでたどり着くのですね! あのフランクな感じのトーク好きです!

由宇霧:あっ、FANBOX入っていただきありがとうございます(笑)。そういう感じですね。

―――noteはどう使い分けていますか?

由宇霧:noteは、性とは関係ないけれど今までの経験でみんなにも伝えたいなと思っているものを扱っていることが多いですね。また、動画としては扱いが難しいニッチな性の相談なども、今後は増やしていければと思っています。

―――「働き方ゼミ!」では私も勉強させていただきました。様々な経験をされてきた人の考え方というのは、すごく需要があると思います。

今までの活動を通しての変化や驚き

―――すでに1年以上活動を続けてこられた「性」がテーマのVtuber活動を通じて、ご自分の中に変化はありましたか?

由宇霧:自己肯定感がかなり高くなったなぁと感じています。活動の中で「分かる!」「私も!」「助かります!」という共感や感謝などのご意見をたくさんもらえると、自信がついてくるんです。

―――逆に、もともと自己肯定感があまり高くなかったということですか?

由宇霧:そうですねぇ。というのも、わっちの親はわっちをしかるときに「お前なんか誰も必要としてない」とよく言う人だったんですね。その言葉が強くこびりついてしまっていたのですが、今こうやって活動を通して由宇霧を必要としてくれる声をたくさんもらえたことも、自己肯定感の向上の助けになりました。

―――由宇霧さんの活動のおかげで救われている人も絶対います! そういう人たちの声で、由宇霧さんもさらに自己肯定感が向上して、そのモチベーションで活動を続けて、また誰かを救って……。すごく良い関係だと思います。

由宇霧:ありがとうございます!

―――ちなみに、そういった応援をもらう中で「一番反響が大きかったなぁ」と感じていることはありますか?

由宇霧:あー、それは「中イキ」ですね。

―――ほぉ! 「中イキ」ですか!

由宇霧:奥が深いんですよ!(笑)

―――奥が深いんですね!(笑)

由宇霧:最初は、シンプルに「胸」とか「ご子息」、「花園」に関する話題がウケがいいのかなと思っていたのですが、「中イキ」に関しては男性からも女性からも「へーー!!」って感じでしたね!
―――確かに、感覚的なことに関しては、男性は想像するしかないですし、女性自身でも分からないことってありますからね。

由宇霧:「中イキ」に関してはまだまだ新しい情報も出てきますし、リメイクしたいなーとも思っていますね。古い方は消して。

―――常に最新の情報でありたいですね。

由宇霧:わっちの場合は、たとえ70万回再生されてようが「でもこいつに広告付けられないからなー」って理由で、消すの怖くないんですよ(苦笑)。

―――あーーー……はい……(察し)。

由宇霧:インターネットの世界には、性について触れている記事もあったりしますが、それが人気記事で、かつ広告などを付けていた場合って、そのままにしておけば「お賃金」が入ってくるんですよね。だから、間違っていようが、古くなっていようが、そのままの方がお得なんですよ。

―――でも、由宇霧さんは……その……。

由宇霧:広告付けられないので(苦笑)。だからこそ、同じテーマでもより良いもの作り直せると思ったら、古い方を消して、新しい方だけが見える状態にしておけば、より正しい情報が伝わるのかなって思います。

―――活動を続けていくためには資金も必要ですが、それ以上に正しい知識を伝えていきたいという想いが、本当に素晴らしいなと思います。

オリジナル楽曲第2弾「Enter」公開に向けて

(インタビューにあたり、先行で「Enter」のフルバージョンのMVを見せていただきました)

こちらは11/10にyoutubeにてMVが公開、11/15にはBOOTHにて音源が発売されます!

―――前回の「お風呂のシンデレラ」はしっとりオシャレなテイストでしたが、今回はかなりノリノリな仕上がりですね! ノリノリで、コールとかをライブでしたらすごく楽しそうなんですが、歌詞からはかなり強いメッセージ性を感じました。元気がでるというか、勇気を貰えるというか、そういう気持ちにさせてくれる曲という印象を受けました。

由宇霧さん初のオリジナル曲「お風呂のシンデレラ」

―――歌詞は由宇霧さんとおゆかり♨民(ファンの総称)ということで、この曲に込めた想いについて聞いていこうと思います。「エンターキー押しまくれ」という歌詞が多く出てきますが、どういった意味が込められているのですか?

由宇霧:「決定する」という意味を込めてこの言葉にしました。「誰かに言われたからやったこと」って、責任も持てないし、「あいつがしっかりと上手くいくように指示を出さなかったのが悪い」と逆切れしちゃうこともありますよね。そうじゃなくて、自分で考えて、自分の意思で決めて行動する人であって欲しいな、という想いです。

―――それを「エンターキー押しまくれ」という表現にしたのですね。ちゃんとした言葉で表現しなきゃと思いつつ、エモいという言葉しか頭に浮かびません、すみません……(少し限界になる)。

由宇霧:想いを込めて考えたことなので、そう受け取ってもらえるのはうれしいです!

―――そういうことを意識して歌詞を読み直すと、聴いてノリノリになるのもいいですが、凹んだ時に聴き直したくなりますね。「自分の命を最優先!」とか言ってもらえると、救われますし。

由宇霧:全体的に、わっちの中の「お守り」の言葉がたくさん入っているので!

―――それだけ良い言葉が詰まっているのに、ノリノリなのがいいですね!

由宇霧:そのあたりは、韻を意識して考えたんですよね。「エンター」で韻が踏める言葉を募集して「アンサー」という言葉にたどり着いたり、掛け声の部分も募集して参考にしたりしました。

―――そのノリにぴったりのMVも素敵ですね! 「女の子なら」「男の子なら」の部分のアニメーションも面白いですし、『普通』という言葉の表現もセンスいいなって。歌詞の出し方や配色、フォントなんかも曲調にぴったりですし、おゆかり♨民たちのポーズが見ていて楽しいです!

由宇霧:いや本当に、今回映像を依頼した有栖 永真さんには感謝ですよ! Twitterで今までに作ったMVのまとめをたまたま拝見したときに「この人はヤバい!! 絶対この人に頼みたい!!」と強く思いまして、そこからやり取りが始まったのですが、改めて依頼してよかったなと思います!

―――ついついボーカルさんにばかり目が行きがちですが、MVも大事ですからね!

由宇霧:作曲や編曲なども大事なメンバーですからね。この曲を作ってくれたバーチャルお寿司さんにも感謝です。一曲目の「お風呂のシンデレラ」の作曲編曲もバーチャルお寿司さんですからね。前回に引き続きいい曲を作っていただきました!

―――動画編集者さんも、作曲者さんも編曲者さんも、そして作詞者さんも、みなさん素敵なクリエイターさんたちですからね。おゆかり♨民の皆様はぜひぜひそちらもチェックをお願いします。

今後の活動について

―――これまでの活動に加えて、今後やってみたい活動はありますか?

由宇霧:音楽フェスに出てみたいんですよね。Vtuberさんがメインではないイベントとか、Vtuberさんが集まってるイベントとか関係なく、音楽で伝えたいんです。わっちのファン以外も参加しているような場で、伝えられたらいいなぁと。

―――なるほど、単独ライブでなく、フェスなんですね。たしかに色んな人に聴いてもらえる機会になりますからね。

由宇霧:それに、音楽は「何度もおなじことを伝えても、イライラしない」という良さがあると思っているので。

―――イライラしないというと……?

由宇霧:例えば、その人に会うたびに「自分の命を最優先!」って言われたら「なんだこいつ……」ってなりますよね?

―――たしかに、怖いですね(笑)。

由宇霧:でも、歌だったらそうならずにメッセージを届けられると思うんですよ。最近続けている「性病は口からもうつる~♪」とかも、歌にすることによって何度でも聴いてもらえるし、伝えられる機会が増やせるかなと思いまして。

―――なんというか、CMに近いですよね。流行ったCMって、つい口ずさんじゃいますし。それくらい浸透して欲しいですね。

由宇霧:すごく大切なことだから、多くの人に届けたいと思いますね。

―――ですね。私もそこそこライブ現場は覗きに行っているつもりなのですが、「Enter」はすごく現場ウケするタイプの曲だと思うので、はやく全力でコールしたいです! それで話題になれば聴いてくれる人も増えるでしょうし!

由宇霧:わっちも歌いたいです!

―――相性よさそうなイベントに連絡しまくりますね! もちろん由宇霧さんの迷惑にならない程度に!

由宇霧:よろしくお願いします(笑)。

終わりに

―――今回は素敵なお話をありがとうございました! 話している中で、すごく信念をもって活動されているんだなということを再確認させていただきました!

由宇霧:こちらこそありがとうございました! わっちも、質問に答えながら自分が思っていることの整理ができたので、すごくよかったです!

―――そういっていただけて恐縮です! 本日は本当にありがとうございました!

由宇霧:ありがとうございました~♨

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すごく濃いお話を聴かせていただけました。

 由宇霧さんの「正しい知識を伝え、悲しい思いをする人を減らしたい」という想い、その熱量を目の当たりにして、「あなたという存在がいてくれて本当によかった、本当にありがとうございます」と心から思いました。

「正しい知識」の「正しさ」を保証するために、一体どれだけ努力されたのでしょうか。「伝わるように伝える」ために、一体どれだけの苦労と工夫を重ねられたのでしょうか。

 それにも関わらず、扱うテーマが「性」というだけで、Youtubeの収益化なども含め、活動上の困難も非常に多く、大きいものだった由宇霧さん。彼女のこれからの活動の一助となれるように、しっかりと応援をしていきたいと改めて感じました。

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