大腿

大腿三角は、鼠径靭帯・縫工筋(内側縁)・長内転筋(外側縁)で囲まれた空間です。その三角形の内側から大腿静脈、大腿動脈、大腿神経、大腿骨頭が存在します。
皮下に大血管神経が現われる代表的な場所であるため、臨床面でカテーテルの挿入部位として使われます。

大腿骨頭骨折や変形性股関節症などの股関節疾患では、スカルパ三角での圧痛が認められます。
先天性股関節脱臼の場合、スカルパ三角を強く圧迫した歳、骨頭が感じられません。

〇骨
大腿には、大腿骨と膝蓋骨の2つの骨があります。


【大腿骨】
大腿骨は、四肢動物の後肢において近位部を構成する長骨です。哺乳類の体では、最長(身長比約1/4)・最大で、強靭な骨で、前方に軽く凸湾しています。

起立時遠位端は水平面上にあるが、大腿骨は垂直位をなさず、近位部が骨盤の幅だけ外方へずれます。
また、大腿骨頚の長軸と大腿骨遠位端の横軸とは同一平面上にはなく、大腿骨は長軸のまわりに骨頭が前方へ向く方向に約15度捻れています。
近位端(上端)で上内側やや前方へ突出する球状部が大腿骨頭であり、大腿骨頭の中心のやや後下方にある卵円形の粗面状小陥凹部分が大腿骨頭窩です。
大腿骨頭と円柱状の大腿骨体を連結する細い部分が大腿骨頚で、大腿骨頚の中央部は細いが内および外側端で、特に外側端で幅が広く前後にやや扁平となります。
上縁は水平に、下縁は外下後方へ斜めに走っています。
大腿骨頚と大腿骨体のなす角度である頚体角は、約120~130度の傾斜度で連結しています。
大腿骨の長軸は立位で約10度脛骨の垂直線に対して外側へ傾いています。
角度は男性より女性の方が小さく、生下時により成熟するにしたがい小さくなります。

ここから先は

1,368字 / 2画像

¥ 200

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?