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VCとしてのmintでパーパスを掲げてみた

このnoteを書く理由

mintは、創業期の起業家の方を支援するベンチャーキャピタルです。1年ほど前に、Apricot VenturesとTLMが合併し、4人のチームになりました。

そして、10月には新たにミドルバックのポジションで高橋さんが入社し、5人のチームになりました。
入社された初日から、これまでチームに不足していたものを急激に形にして頂き、本当に毎日感謝しかありません。

そういったタイミングで完成したmintのパーパスとバリューについて、策定までの過程で感じたことを私の目線から発信することに意味があると考え、このnoteを書いています。

働いて気づいた焦りと不安

VCで働き始めてから、『成果とは何か』『それは自分の成果なのか』『成果を得られるのは何年後か』さまざまな不安と焦りの感情を持ちました。

経験と信頼残高の積み上げによって、複利を得られる業界であることを体感し、自信を持てるようになるには長く働くことが大前提だと感じました。

『良い事業を作ることと同じように、良い組織を作ることにこだわりを持つべき』という話を起業家の方とするのですが、これは私たちVCも同様であり、長く働くことがベースになる仕事こそ重要な考え方だと思っています。

mintのパーパスとバリューの策定は、チームでその共通認識を持つ第一歩になったと考えています。

The Alliance

組織関連で定期的に読み返す本が複数あるのですが、そのうちの一冊がこちらです。

[本の概要]
個人の転職や起業が珍しくない今、企業が社員を完全に囲い込むことはできず、いかに優秀なひとを会社に留めておくかが課題となっています。
一方個人に求められるのは、自分が成長できる機会を積極的につかみとり、キャリアの可能性を広げるための人脈や企業との信頼関係を築いていくことです。
Allianceは、Amazon、Pixer、LinkedInなど、主にシリコンバレーで成功する多くの企業で実践されています。
Allianceコンセプトは、個人と企業が信頼をベースにフラットな関係を築くこと。企業の目標を達成することはもちろんですが、個人の価値観やなりたい姿も重視されます。

・お金
・環境(評価/働き方/カルチャー)
・人間関係(上司/チーム)
働く上で3つのうち2つ以上に不満を抱えると、人はその組織から離れていくと思っています。小規模な組織ほど人間関係の比重は大きく、少数組織で構成されるVCほどお互いへの信頼が大前提です。創業期のスタートアップも同じではないでしょうか。

ご紹介した本では、会社と個人がフラットで、相互の信頼に基づく長期でのパートナーシップ関係を築くことを『Alliance』と表現しています。
Allianceは、お互いの強い信頼をベースにつくられるもので、私は本を読んでからこの考え方を意識するようになりました。

(余談ですが、Allianceの背景には、いかに相手の役に立てるかを考え行動する 「Pay forward」 というシリコンバレーの文化が反映されているそうです。)

個人的には、共通目標やお互いへの理解がない集団は、”グループ”ではあるが”チーム”ではないように感じています。
そのため、バリューを策定する過程でチームビルディングにたくさんの時間をかけ、お互いの関心・興味・目的を一致させることができたのは”チーム”として非常に意義があったように思います。

PurposeとValue

結果的に策定されたパーパスとバリューがこちらです。

<パーパス>

好きと、勝つ。
その人が好きだから、心から成功を願うから、投資をする。
挑戦の一歩目から、描いた未来の実現に向け走り続ける、起業家の力になりたい。そして、実現された未来が、人を勇気づけ、新たな挑戦を生み出すと信じている。mintは、起業家の描いた未来を共に実現し、社会にインパクトを生み出します。

<バリュー>

一点突破する。
スタートアップがそうであるように、深く考え、手数多く検証し、一点突破でリスクを取っていく。一点突破による迫力が、仲間を増やし、強みを生み、選ばれる存在になる。

事の芯を食う。
相手の期待値を理解し、品質やスピードで的確に応えることを心がけよう。
ひとつひとつの芯を食う仕事によって、信用を積み重ねられ、やがて大きな成果につながる。

相手を第一に。
mintは、ひとりでは実現できない大きな成果を、チームで成し遂げる。
それぞれが目の前の相手を第一に考え、敬意を持ち、率直に話し、健全な刺激を与え合うことで良いチームであり続けられる。

自ら襟を正す。
資金を預かり、運用するものと自覚し、金融機関としての倫理観を持とう。
変化し続ける社会において求められる存在であるかどうか、自らの振る舞いを客観視し、時には自ら襟を正すことが必要である。

局面を変える。
チームの一員として、自らが変化を生み出し、コトを推進しよう。
停滞や困難を抱えているときこそ、批判的ではなく、建設的に、局面を変えるリーダーシップをそれぞれが意識しよう。

掲げたバリューは体現されているか

「バリューは掲げるだけでなく、浸透し、体現されていることが重要」という話をよく聞くと思います。ぶっちゃけると、私も最初は重要性をそこまで理解していませんでした。

重要性を身をもって体験したのは、過去に働いていたスタートアップで事業が停滞する瞬間を迎えた時です。
危機的状況に陥ると、誰もが不安や焦りを感じ始め、組織に伝播していきます。その時に初めて、これまで組織と向き合ってきた結果が個々人の意思決定や行動に反映されていくと感じました。

もちろん、ダウンサイドだけを気にして重要視している訳ではありません。会社が順調なタイミングで、組織エンゲージメントを高めるとモメンタムが加速するので、いずれにせよどんな組織にも重要な取り組みだと思っています。

そのため、mintでは日頃からバリューを意識・体現するために、slackでバリュースタンプ活用、バリューのポスターやグッズの作成、締め会でバリューに沿ったチームメンバーの行動への感謝を伝えるなど、Daily、Weekly、Monthly、Yearlyの時間軸ごとの施策を検討し、運用を開始しました。

文字にすると当たり前の取り組みですが、バリューを体現し続けるには、こういった取り組みを形骸化せずに運用を継続することがファーストステップだと思っています。
未来のmintのためにも、策定したバリューをチームで浸透させ、体現していきたいと思います。

これからのmintについて

さいごに。
スタートアップの資金調達額は10年で645億円から7,801億円に増加しており、急成⻑の市場です。さらに「今後5年で投資額を10倍」を目指す政府発表があり、さらなる急成⻑が見込まれています。

今のmintはまだ5名の小規模なチームですが、今後さらに組織を拡大していき、一人でも多くの起業家の方々をご支援する機会を増やすべく、サポート体制を充実させてシードVCとしてのチャレンジを加速するタイミングです。

mintのパーパスやバリューに共感し、一緒に働いてくださる新たな仲間を募集しています!興味のある方がいれば、ぜひ一度カジュアルにお話しできたら嬉しいです。

Twitter @hika_taji0527

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