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ひかるの読書感想文③『サッカーはミスが9割』(著:北健一郎)

こんにちは。青木です。
読書感想文シリーズ、更新の期間が空いてしまいました。
以前よりも読書に使う時間は増えてきたし、少しずつ読むスピードも早くなってきて、実はすでに5冊目を読み終えようとしています。

ただその反面、感想文の更新のほうは進捗が芳しくありません。

その最大の原因は、「完璧に更新しようとするから

文章を書く技量も経験も少ないのに「完璧」を追い求めようとしてしまう私にぴったりな本が、今回読んだ『サッカーはミスが9』です。


著者はスポーツジャーナリストの北健一郎さん。
サッカー専門誌・『ストライカーDX』の編集者やフットサル専門誌・『フットサルナビ』の執筆を経て、現在は株式会社ウニベルサーレを設立し、フットサルのメディアサイト『SAL』などを運営しています。

昨年からFリーグを見始めて、『SAL』の記事やyoutube、北さんのツイッターの情報をよくチェックするようになったのですが、実は先日初めてご本人様をお見かけしました。

「『能サポ』を読み終わったら、ちょっと苦手分野だけど戦術系の本を読んで見るぞ」と決めていたので、これはもう、後回ししないで早く読みなねと言われているのだなと思いました。

この本のテーマは、タイトルにもある通り「ミス」について。

どんなに優れた選手でも、どんなに偉大な選手でもミスをしないことはありえない。
北健一郎『サッカーはミスが9割』より

何個もタイトルを獲得できた監督でも、何億円というお給料をもらっているプロ選手でも、1シーズンの試合の中でミスをしない事はありえない。

それならば、ミスさえもチャンスに活かすための戦術のひとつにしてしえばいい・・・。いやむしろ、ミスが起きた瞬間を試合の中で一番のチャンスにしてしまえばいい。

ボールはトモダチならぬ、ミスはトモダチ、である
北健一郎『サッカーはミスが9割』より

そんな特徴をもつ監督やサッカーチーム、フットサルチームに焦点を当てながら、フットボールでの「ミスの活かし方」、「良いミス」と「悪いミス」の見分け方についてを解説してくれる本です。

バルセロナ派か、ドルトムント派か――。
今、現代サッカーの潮流は大きくこの2つに分けられると思う。
北健一郎『サッカーはミスが9割』より

本書が出版されたのは2013年で、今から約9年前。
本文によるとジョゼップ・グアルディオラ氏が監督を務めた間に、「ボールを失わない」「パスミスを起こさない」いわゆる、ポゼッションサッカーを極めに極め「ミスを排除したサッカー」で無双状態だったバルセロナ。

そんな完璧最強軍団に勝つためにはどうすれば良いのか・・・・。

一体どうすれば最強のバルセロナに勝てるのか?
これはヨーロッパの監督たちのメインテーマとなった。
その中で対立軸として台頭著しいのがドルトムントだ。
北健一郎『サッカーはミスが9割』より

ミスをしてでも縦に速く、ゴールへ最短距離で向かう
完璧を追求するバルセロナとは対極的なサッカーで、冒頭の「ミスをトモダチ」にしたチーム。北さんはその代表格として当時ユルゲン・クロップ氏が監督を務めていた、ドルトムントを取り上げています。

ドルトムントの監督やコーチが褒めるのはどちらのプレーだろうか?
①縦パスを出したけどカットされてしまった
②横パスを出してちゃんと味方に繋がった
もちろん正解は①
北健一郎『サッカーはミスが9割』より
ドルトムントのコンセプトにおいては、ミスをしないために出した横パスこそがミスなのである
北健一郎『サッカーはミスが9割』より


そんな縦に速いサッカーを行うドルトムントが、「ミスをトモダチ」にするための鍵が、【トラジション】と【ゲーゲンプレス】。それぞれのポイントを北さんがわかりやすく解説してくれています。

自分たちの攻撃時のミスをきっかけに「攻守の切り替え(トランジション)」を引き起こし、相手のポジショニングが不安定な瞬間をつくりだす。そのわずかな隙を【ゲーゲンプレス】によってボールを奪い返す。
そしてそのままはちゃめちゃなスピードとパワーでゴールを狙う。それがドイツの黄色い軍団、ドルトムントのやり方のひとつだとのこと。

そのほかにもトレンドであったポゼッションサッカーや、プレッシングの考え方について、逆張りの指揮をとったクロップ氏による、「ミス」と仲良くなるための秘策についてがまとめられていました。

ここで私はちょうど7年前の夏、私にとってJリーグ観戦初年度だった2015年に観戦した川崎フロンターレvsドルトムントの試合での記憶を呼び起こします。

蝶のようなきれいな羽で、カウンターチャンスという幻想を使って相手を惑わし、その隙に、集団速攻でゴールを刺す。蝶のように舞い、蜂のように刺す

なるほど・・・。わたしはわかってしまいました。


あの日出会ったチームのマスコットが蜂さんなのもそういうことだったんですね。(無理くり)

縦方向のサッカーをするために必要なものは何だろうか?
~中略~
最も大事なことは勇気
ヒュバラ氏は言う。
北健一郎『サッカーはミスが9割』より

読むのに2週間、書き始めるまでに2週間、
書き始めてから4時間が経ち、今このnoteを更新している私へ。

完璧と質が足りないならば、圧倒的な量とスピード。
そしてミスを恐れない勇気だと、クロップさんは、北さんは、そしていまのあなたの師匠はそう伝えてくれていますよ。

※本書で述べられている【ゲーゲンプレス】については、クロップ氏がボルシア・ドルトムント監督任期時であり、2013年出版当時のものです

P.S.今の【ゲーゲンプレス】の特徴については、どなたかぜひ教えてください


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