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長女の読み書き困難(ディスレクシア)は見え方と音が原因だった⁈②-学習環境について-

長女の学習環境について

以前の投稿で視覚支援についての記事を書かせて頂きました。今回は長女の学習環境について、私たちがどのように考え行動したのかをお話ししようかと思います。

長女の字の見え方に問題があることがわかった時に、できることが見つかったと思ったと同時に、今の学習環境でいいのかという危機感を持ちました。なぜなら、書いたり読んだりすることの困難さは、今の日本の小学校教育の中では致命的な問題だからです。

・テストは自分で読んで回答する
・黒板の書き写し
・音読
・漢字ドリルを使った漢字練習 などなど

これらの学習方法は、今の教育の中で当たり前のことだと思います。
では、自分がもし文字がぼやけて見えていたら・・・と思って考えてください。(イメージがしにくければ以前の記事をみてください。ぼやけている実際に長女が見えていた世界を体験できます。)

テストの問題が読めるでしょうか?
黒板の文字が見えるでしょうか?
音読がすらすら読めるでしょうか?
漢字を正確に書くことが出来るでしょうか?

私はみんなと同じ方法、ペースで学習する事が難しいと思いました。そのため長女には何かしらの援助が必要であると。

何かしらの援助とは、例えば文章を読んでもらうということ。しかし、ただ読んでもらうといった行為でも、長女だけに行うといった点で大きな壁となって立ちはだかります。

長女は読み書きに特化して困難さを抱えているので、読んでもらえればその文章の内容を理解することが出来ます。しかし、読んでもらうという行為でさえ不公平感を生んでしまうのが実情です。とくにテストでのこういった行為はその感覚をさらに高めてしまいます。

長女の困難さを理解してもらい、それを授業等で配慮してもらうためには先生たちにこのことをわかってもらう必要があります。そして学校という機関やほかの生徒・保護者にも・・・。

それを考えた時に組織改革というものが頭をよぎりました。私は看護系の大学院で管理の勉強をしており、組織改革について学んでいた最中だったからです。

学校組織を変革する必要性はあると思います。しかし変革に何年かかるでしょうか?もしかしたら長女が小学校を卒業するまでに変革が出来ないかもしれない。この時、母親として長女の苦痛を取り除いてあげたいと思う気持ちの方が勝ったのだと思います。

そこで、私は組織自体を変える選択をしました。変革ではなく・・・。つまり本人にあった小学校を探そうと考えたのです。

長女にとっていい環境とは・・・

まずは、長女にあった学習環境とは何かを考えました。以前、長女に塾に行ってみてはどうか提案をしました。しかし、今までみたことがないほどの拒絶をしたのです。みんなと同じ空間で勉強することが、自分の出来なさを実感させていたのかもしれません。それを裏付けるように、『通級の時間は一人だから楽しい』といっていました。

長女にとっては一人ですることのほうが楽だということ。そして長女の困難さに理解があり、臨機応変に対応ができる環境。

では、長女の困難さに理解があり、臨機応変で対応ができる学校とは・・・。

なぜ、理解がないのか?臨機応変にできないのか?

それは、先生たちにも余裕がないのだと思いました。やる事が多すぎて一人の生徒に構っていられないといったところでしょうか。本当にそうなのかはわかりませんが、私の受けた印象としてはそうでした。

授業についていけない子は通級で学習しましょうといった感じで。どのようなことが遅れを生んでいる原因なのか、今後どのような学習を行っていくのかなどの相談や説明は一切なかったからです。きちっとしたマニュアル化が出来ていないのでしょう。

先生が一人一人の生徒に余裕をもって接することが出来るには、単純に考えてひとクラスの人数が少ないことが必要であると考えました。30人の生徒と10人の生徒がいるのでは、一人の生徒に3倍の時間・仕事量を振り分けることが出来る。

担任の先生だけではなく、学校の先生全員が生徒の顔・特性を理解ができる余裕があるのも大切なことです。なぜなら進級の際にまた振り出しに戻ってしまう可能性があるからです。

情報伝達が不十分な環境もストレスになります。読み書き困難の理解が進んでいない中で、最初から説明をしなけれなならないのもめんどくさいですよね。

長女の意見も踏まえ私がイメージした理想の環境が『田舎の学校』です。のびのびと子供らしく育成ができ、少人数の小学校。

この理想の環境が固まったら行動です。

調べてみると色々な学校がありました。そんな中、目に留まったのが文部科学省が認定している小規模特任校制度でした。

小規模特任校制度とは

小規模特任校とは、自然豊かな環境に恵まれた小規模校を中心に、通学区域は住所により決められている学校ではなく、他学区でも入学できる制度のことです。ほとんどの学校自体が全校生徒100人以下であるため、少人数教育が可能になります。

この制度を見つけ、しかも自分の住んでいた市の隣の市に認定校があることを知りました。「これだ!!!」と思いました。

そこからは、資料集め・家族への相談といった行動開始です。

案外、夫は反対することなく話がとんとん拍子に進んでいきました。しかし、長女はお友達と離れることに少し抵抗があるようでした。

しかし、お友達と会いに行ける距離であること、実際に学校見学に行って印象が良かったこともあり、特任校がある市へ引っ越しすることとなりました。(特任校に通学するためには、特任校がある市に住んでいることが条件なので・・・)

引っ越しから1年余り。
子どもたちは野生児のように伸び伸びと育っています。

この時の行動力は振り返ると自分でもすごかったと感じています。

今の状況については、今後また投稿させて頂けたらと思います。





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