バークレーで1学期過ごした感想

渡米して約5ヶ月が経ちました。期末試験が終わって、今は一時帰国の飛行機の中でカタカタしています。はじめてNoteを利用して、真面目なことを書いたときは、①たくさんの方にサポートしていただいたので、お世話になった分の恩返し、②やったことが無かったことによる好奇心、③頑張ったから褒めて、がそれぞれ1/3ずつだったのですが、自分の性格上、「Noteでまとめよう」という心持ちが、モチベーションを保つ上でかなり良い働きをしてくれたので、今後も元気なかぎりは続けていこうと思います。
ということで、最初の1学期が終わったので、備忘録を残そうかと思います。

はじめに

2022年の夏からカリフォルニア大学バークレー校(以下、バークレー)の経済学PhDコースに入学したものです。行動経済学や応用ミクロ経済学に関心があります。
前回のMath Campが辛かった話同様、特に有用なことを語るわけではないので、愚痴だと思ってご覧いただけますと幸いです。
出願準備や渡米準備などの真面目な記事は、経済セミナー様に掲載させていただいた、社会人の米国経済学Ph.D.受験記〜出願準備編〜社会人の米国経済学Ph.D.受験記〜出願後・渡米準備編〜がありますので、そちらをご覧ください。
なお、あくまで個人の意見であり、所属機関等の代表的意見ではないことにご留意ください。

授業について

基本的に、海外の経済学PhDは5-6年間かけてとることが一般的で、1年目はコアコースと呼ばれる、経済学の基礎となるマクロ経済学・ミクロ経済学・計量経済学の3科目の授業を履修します。なので、このセメスターの8-9割の時間はコアコースに割いていました。東大で修士をやっていた際にコアコースをすでに受けていたので、学部から直接来ている同期と比べれば、ある程度はアドバンテージがあったと思いますが、社会人などを経由して期間が空いており、ほとんど忘れていたため、良い復習になりました。
コアコースに関しては語りたいことが多いので、1年目が終わったタイミングでまとめでも作ろうかなと思っています。
とはいえ、実際にバークレーのコアコースを受けてみて、東大のコアコースの質はかなり高かったんだなと実感しました。東大のコアコースの授業数は、一般的な米国PhDの半分以下しかないのですが、短い時間の中で、要点が抑えられた授業だったので、東大の教授陣には感謝です。

生活全般について

いい意味でも悪い意味でも日本とは全く違う国なんだなと実感しました。
以下では、いくつかに分けて、語ろうと思います。

物価

全ての値段が高いです。社会人時代の貯蓄が少しあったのでどうにかなっていますが、大学からの奨学金だけだとかなり苦しいなと感じる半年間でした。外で食べようものなら、とんでもない額がかかるので、毎日自炊していますが、そこまで暇でもないので、パッと作れるような簡単な食事を毎日食べています。以前、無性にラーメンが食べたくなって、意を決して一風堂に行ってみたら、うますぎて泣くかと思いました。日本の3倍くらいの金額を持っていかれました。
ただ、現在UC系列の大学院生が史上最大規模のストライキを起こしているため、現状の大学側からのオファーだと、2年後には、既存の奨学金から33%の賃上げが起こるようなので、嬉しい限りです。それでも、その他大学と比べると、まだまだ額が少ないので、貧乏生活は続きそうです。ストライキにも一部参加しましたが、やはりこちらの学生のストライキはレベルが違うなという感じでした。

ストライキの様子

過ごしやすさ

基本晴れなので、過ごしやすいですが、逆に日差しが強すぎて、日焼け止めなしでは生活が送れないので、個人的にはめんどくさいです。また、夏であろうが、昼に比べて、朝・夜がかなり寒いです。1年目は授業が毎日朝早くからあるので、家を出るときは厚着をしていくものの、授業後は暑すぎて服が邪魔という感じです。早くコアコース終わってほしい。。。
とはいえ、だいたいは晴れていて、景色も綺麗なので、鬱にはならなさそうですし、もっと過酷な環境はいくらでもあると思うので、天気に関しては、想像よりは下なものの、概ね満足です。
安全性についてはむしろ、思ったより安全だなと感じました。とはいえ、安全なのはキャンパスの北側のみで、南側がはとても危なく、学期中にキャンパスから徒歩1分くらいのところで銃殺事件がありました。北側と南側で違う街だなと思うくらいには違いがあります。元々北側が安全ということは聞いていたので、安全のため高い家賃を払ってよかったなと思う限りです。まだ行ったことはないですが、キャンパスから南に徒歩5分くらいのところにPeople's parkという、ピクニックに最適そうな名前をした公園があるのですが、そこが一番危ないというのは流石に罠すぎるだろと。
私の住む狭い生活圏では比較的安全ですが、夜になると、街灯がなく、真っ暗になるので、携帯のライトをつけないと歩けないレベルです。日本だと、夜ふとコンビニにまで息抜きがてら散歩してたりしたので、夜に出歩けないのが悲しいです。
バークレーはサンフランシスコにも近いし、キラキラしたイメージがあったため、期待しすぎた部分がありましたが、結構田舎でした。3大通信会社のSIMを使っていますが、私の家の周りでは電波が届きません。エンタメも全くないので、勉強と研究以外にやることはジムに行くくらいしかありません。幸い、ジムにめちゃくちゃ綺麗な体育館があるので、バスケがいつでもできるのが唯一の救いです。

ジムの体育館

住居

基本的にPhD生は大学の寮などに住んでいると思いますが、バークレーは寮が高い・遠い・汚い・治安悪いの四重苦なので、大学から徒歩30-40分くらいのところの賃貸に住んでいて、自転車で通っています。一人暮らしをしたかったのですが、上に書いた通り物価が高すぎるので、シェアハウスをしています。自分の部屋はありますが、キッチンバス共有で月20万円くらい払わされています。安全を買っているとは言え、意味が分かりません。シェアハウスをしたことがないので、まあ良い経験かと思って試してみましたが、綺麗好きなのもあり(友人からは潔癖と言われてますが)留学中1番のストレスです笑
ルームメイトは本当にいい人たちで、そこに不満は全くないです。ただ、日本では、一日中アニメや音楽を垂れ流しながら勉強・研究していたので、一日中イヤホンをしないといけないのはストレスですね。このままだと耳の病気になりそう。また、自分の綺麗好きは他人に押し付けられるようなものではないとは分かってはいるものの、毎回自分が綺麗に掃除しても、次使うときにグチャグチャになっていると泣きたくなりますね(やはり潔癖なのかもしれない)。とは言え、私が極度の綺麗好きなだけで、ルームメイトに非はないのでここは強調しておきます。なんとか慣れていきたい限りです。ルームメイトとはサイクリングに行ったりアメフトの試合を観に行ったり仲良くしていますし、誕生日も祝っていただいてしまいました。良いルームメイトに恵まれて何よりです。

まとめ

日本最高。大好きです。

1学期振り返り

ここからは1学期を振り返ろうと思います。勉強関連は1年経ったタイミングでまとめようと思うので、それ以外についてまとめようと思います。

バークレー/アメリカのすごいところ

まず海外のPhD全般に当てはまることではありますが、本当に色々なバックグラウンドを持つ優秀な学生が各国から集まるので、刺激的な毎日を送れています。アジア人はほぼ全員修士を経ていて、欧州の人は逆にほぼ全員プレドクを経てから入学をしているので、やはり最近は競争が更に熾烈なんだなと痛感しました。同期からプレドクについて色々教えてもらいましたが、プレドクもプレドクで競争は相当激しいらしいので、恐ろしい限りです。ただ、めちゃくちゃ給料が高いのでたまげました。
また、やはりアメリカは経済の中心なんだなと改めて実感しました。毎日のように経済学関連の仕事の案内メールが来たりするので、チャンスはそこらじゅうに転がっています。
個人的にバークレーで一番感動したのは、行動経済学のセミナーがあることですね。行動経済学自体やっている人間が多い分野ではないので、教員が複数いる時点でかなりレアなのですが、バークレーでは毎週行動経済学のセミナーが開かれるので、素晴らしいです。毎週、自分の中でスターだったStefano DellavignaやDmitry Taubinskyが目の前に座っているので、未だに信じられません笑
ただ、学生は思ったより行動経済学をやっているわけではないので、そこは少し残念です。とはいえ、学生が多すぎると、競争が激しくなるので、独り占めできるとポジティブに捉えて頑張っていこうと思います。

友人関係について

まず一番実感したのは、スポーツが好きでよかったなということです。基本全てのスポーツが好きなのですが、やるのはバスケ、観るのはサッカーが特に好きです。英語全然話せないくせに、アメリカの文化(音楽とか)にもあまり馴染みがないのですが、スポーツ関連でかなり同期たちと仲良くなれたので、スポーツは最強ですね。逆に、スポーツも興味なかったら流石に死んでました。また、バークレーはスタンフォードとライバル関係らしく、毎年経済学PhD生同志のスポーツ大会があるのですが、そこでバスケを頑張ったらすごい尊敬されたので気持ちよかったです笑
あとは、日本でもあまりソーシャルなイベントは得意ではないのですが、こっちでは可能な限り参加しました。同期と仲良くなりたいという気持ちがあるので、参加すること自体はいいのですが、アジア系の同期はあまり参加せず、欧米系の同期のみであることが多いので、英語がいつもしんどいです。ネイティブの人達の英語を聞き取れるようになる気がしませんが、早く聞き取れるように頑張りたいですね。ただ、夜遅くから治安の悪いエリアのクラブやバーでの開催だったりすると、敬遠しちゃうので、次学期からはもう少し参加していきたいです。とは言え、あまり友達作るの得意ではないなか友人関係に関しては何よりも頑張った自信があるので、ここは自分を褒めたいですね。えらい。

反省点

反省点は主に英語ですね。分かっていたことではありますが。
喋るのはまだいけるのですが、聞き取りがきついですね。今学期はかなりコアコースに時間を割きましたが、こちらはなんとかついていけそうなので、次学期からはもう少し英語の時間を増やしていこうと思います。せっかく同期と仲良くなりつつあるので、もっと話せるようになりたい限りです。
英語関連で言うと、2年生のはじめまでにTAをやるための英語の試験を受けなければならないのですが、ふつーに落ちました。アメリカに来てすぐ受けたからと言うのはありますが、情けない。ただ、そのおかげで、今は1on1で英語の授業をしてもらってるので、ちゃんと2年生になるまでに合格しなければ。落ちたらTAができず、お金ももらえなくなるため、死ぬ気で頑張ります。
あとは研究ですね。1年目は勉強だけやっていればいいとも思うのですが、次学期はもう少し研究にも手をつけたいです。現状、論文にできるトピックは2つあるのですが、いいジャーナルに載るほどのものかと言われると微妙なので、少なくとも1年目の間に、どちらを優先するのか、はたまたどちらも捨てて、新しいトピックを探すのかは最低限決めたいなと思います。一応将来的に指導教員になって欲しいStefanoとは2回ほど話して、名前も覚えてはもらったので、そこはよかったなと。Stefanoいい人すぎて感動しました。

次学期に向けて

なんやかんやあっという間の5ヶ月でした。
まあそれなりに全体として頑張れたのかなと思うので、自分を褒めつつ日本に帰ろうと思います。
とにかく日本でのご飯が楽しみでなりません。熟考の結果、最初のご飯は、コンビニで目についたものを全部カゴに入れることにしました。待ってろ日本。(結局寿司を食べました。おいしかったです。)
それではまた!


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