同じ色ってどこにある?

不在通知があったので再配達依頼した瞬間に配達員が来ました。そんな週明け月曜のひじさんです。

さて

「見本と同じ色にしてよ!」
「思ってた色と違うんだけど?」

そんな事よく言われます。本当によく言われます。気を使えば使うほど言われます。

DTP全盛、印刷物の色ははっきり言って難しいです。
違って当たり前。そうデザイナーは思っています。打ち合わせで言葉に出したりもしますが本当に違うんです。
そもそも同じ色ってなんなんでしょう?

同じ色とは?

同じ色と言っても実は種類があります。

完全等色"アイソメリズム"と条件等色"メタメリズム"です。
簡単に言えば"本当に同じ色"と"見た目が同じような色"です。
世の中にはメタメリズムは多々ありますがアイソメリズムはほとんどありません。

なぜか?それは"同じ"ってのが難しいからです。
同じじゃなければ同じ色に見えてもそれは条件等色です。
同じじゃないとはどういうところかと言うと…

空間的条件

時間
天気
気温
気圧
湿度
太陽の位置
雲の量
ガラスの汚れ
配置している場所

物体的条件

印刷物なら
印刷に使ったインキ
インキのロット
インキの保管状態
インキの酸化具合
印刷体の種類(紙・プラ・金属)
印刷体のメーカー
印刷体の種類の内容構成
(紙なら上質、コート…プラならPE、PET、PS、ABS…金属なら鉄、アルミ、ステンレス…)
印刷体の下地処理
印刷してからの時間

画像なら
モニターデバイスの質
電源を入れてからの時間
バックライトの寿命
液晶の温度
電圧
角度

確認者的条件

確認者自身
確認者の錐体の疲労度
確認者の気分


つまり同じ色とは?

とまぁ同じになること自体が奇跡じゃないのってくらいに違うんです。
同じ人間がその場で見るとなってもその時の錐体(ざっくり言えば色味を感じる部分)の疲労度で変わります。それほど同じ色ってのは難しいのです。
まぁここまで細かく分けてしまうと色見本用のチップ自体も見ている部分の1mm横は別の色ってことになってしまうのであまり難しく考え込んでしまうのもいけませんが結論としては同じ色ってのはありえません。
そもそも第三者が思った色を別の人間が認識することすら出来ません。

赤、橙、黄、緑、青、藍、紫

名前はついていますがあくまでも目安です。
その目安でしかない色でクライアントが嫌な思いをしないようにするのが打ち合わせなんです。私(デザイナー)はあなた(クライアント)ではないのです。

同じい色が難しいというのはデザイナーとしてはほぼ当たり前のことですがクライアントは知りません。
ちゃんと説明できるようにしておきましょう。

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