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小説を書いていて思うこと
ワールドカップが終わってからというもの、小説を書くことにエネルギーを注いでいる(といっても、一日1時間~1時間30分。コツコツと)
完成したら、とりあえず公募に出します。
それで、最近あらためて思うのが、小説を書くことはたくさんの人生を考えることだなと。
小説の中には、登場人物が何人かいて、その一人一人には当然のごとく人生がある。物語のなかで描かれるのは、長い人生の一部分かもしれないけど、そこに至るまでストーリーがそれぞれあるのだ。
どんな環境で育った?なにが、彼、彼女の人格形成に寄与した?家族は?友達は?どういう学歴?どんな性格?などなど。
考えればきりがないほど、その人をその人たらしめる要因がある。人、ひとりの人生には膨大なデータがつまっていることをあらためて思い知っている。
自分の人生を考えるだけでも手一杯なのに、これはなかなか大変な作業だ。
でも、根気よくそのキャラクターを掘り続けていると、ぼんやりとしていたその登場人物の輪郭がだんだんとはっきりしてきて、人格を帯びてくる瞬間がある。
モヤモヤっとしていたものが形作られる、その瞬間は、自分で書いておきながら、「そういうことか!」と、ようやく謎が解けたみたいなテンションで驚いている。
そんな日は、とてもハッピーだ。
けど、これはあくまでスタート地点で、完成までにはさらに長い道のりがある。
はっきりとした人格をもとに、「こんな行動はしないな」とか「窮地に陥ったときは、こういうことを言うな」とか登場人物に誘導されながら、細かいところ直していき、矛盾をなくす作業が待っている。
先のワールドカップで、監督や選手のインタビューをよく見たのだけど、彼らはワールドカップにたどり着くまでの過程を‘ 旅 ’と表現しているのが印象的だった。
ある国は、最高成績を残した32年前から続いた旅。ある国は、20年前に敗北した悔しさを晴らす旅。ある国は、4年前のリベンジを果たすための旅。
ワールドカップに出るまでには、そのメンバーに選ばれるまでには、ここでは語り切れないほどの膨大なストーリーがある。それこそぼくが語るなんておこがましいほどの血がにじむような努力や葛藤があったに違いない。
物語は、そういう目に見えない現在に至るまでの過程を一つ一つ拾い上げていく作業なのだ。
どんな結果に終わっても、旅は一旦終わりを告げる。
そして、また新たな旅が始まっていく。過去に終わりを告げ、未来へと向かっていく。
小説の中の登場人物たちもその物語のなかで、一旦、旅を終える。けど最後のページまで読み終えても、登場人物たちの人生はきっと続いていく。
物語が終わっても、これからも生きていくんだなぁとそんな息遣いを感じられるものが書けたらいいなと思う。
物語が終わっても、その人物たちの人生に思いを馳せる、そんな余韻を残せるものが書けたらいいなと思う。
とても長い旅になりそうだけど。
Twitter:@hijikatakata21
最後まで、読んでくださってありがとうございます!