6月に読んだ本、簡単なまとめ。

1、恋歌 朝井まかて

悲しく、苦しい。一言でいうとそんな感じの物語。時代という、抗いようもない大きな力によって、人生が変わってしまうのは、なかなかしんどい。あとすこし生まれる時代がずれていたら、もうすこし平和だったのにとも思うけど、そしたらふたりは出会ってもなかったし、う~ん、難しい。結局、自分に課せられた運命を受け入れて、精一杯生きていくしかない。そんなありふれた答えしか導き出せないのが、なんとももどかしいけど、たぶんそうなのだろう。

2、夏子の冒険 三島由紀夫

三島由紀夫の作品をはじめて読んだ。別に避けてきたわけではないけど、ようやく読むタイミングが来たという感じ。夏子は、目の輝きを失った都会の男たちに愛想がつきて、修道院に入ろうとするのだけど、彼女がいちばんに求めているのは、情熱の炎を目に宿した人。もし自分がついていったら、今まで想像だにしなかった、新しい世界の扉を開いてくれそうな人。なにかを一途に追い続けているとか、大きな夢を持っているというのは、それだけで人を魅力的に映すのだろうか。三島作品は、高尚なイメージがあったけど、この作品はとても読みやすい。個人的には最後の展開が鮮やかで好き。

3、永い言い訳 西川美和

「あの人」がいるから生きていけるというのは、ほんとうにそうかもしれない。そう思える人がひとりでもいること、そう思われる人がひとりでもいることは、とても幸せなことなのだなと思った。「あの人」のために頑張らなくちゃ、「あの人」に悲しい思いをさせたくないというの想いが、生きていくということなのか。そういう存在は、ある人にとっては配偶者だったり、家族や恋人、または子どもやペットなど、人それぞれだ。「他者のいない人生なんて存在しないんだって」という言葉が出てくるけど、ほんとうにそうだなと。あと、全然関係ないけど、この主人公の妻の名前が夏子で、先に読んだ「夏子の冒険」の主人公と同じ名前だった。妙な符合。


6月は3冊しか読めなかった。ワールドカップに熱中していたため、読書量低下。ワールドカップも終わるので、7月は、クーラーの効いた部屋で、思う存分、読書にいそしみます。


※来週から、火曜日と木曜日に更新します。


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