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拝啓、卒論を書くすべての大学生へーー君には「#卒論終わらない」なんてつぶやいてほしくないから

なんと!このページをクリックしたということはもしや... 卒論を控える大学生のお客様ですか?

(ガランガラ〜〜ン!)(くす玉パカーーン!)おめでとうございます!あなたは今日、卒論完成のためのノウハウを知ることができます!いやあ、生きてるといいことありますね。まあ、あなたの「卒論書くぞ」という意識の高さにも脱帽なんですけどね!

はい、本日の講師をつとめさせていただきます、るみ氏です。現在大学4年生です。先日、卒業論文を無事に提出しました。締切日に提出したのでほんとにもう...息が上がってしまいました。

私を知る人には周知なのですが、私は卒論を仕上げるのにかなり苦戦しました。冗談抜きで。卒論書くのが嫌すぎてTwitterでよく発狂しました。実はかなりストレスを抱えました。(「いやぁ文章書くの好きだから大丈夫でしょ!」とよく言われましたが、そういう問題ではありません。卒論は自ら進んで書くものではないのです。キャンパスライフを送っていたら突然クッパ大王を投げつけられて否応無しに対戦スタート、みたいな感覚ですよ。)

《なぜ大学生は卒論で苦しむのか?》

なぜ私はそこまで卒論に苦しんだのでしょうか?人によって違いますが、私自身が卒論で苦しんだ原因はやる気のなさ取り掛かりの遅さです。

やる気のなさは、やる気が出ないのでやる気がなかったです()。ところで取り掛かりの遅さですが、私は何かをやる際には「かなりギリギリまで力を溜めて、最大値にしてから発揮する」タイプです。つまり、ギリギリまでとっておいて土壇場で取り掛かるという、もう本当にごめんなさいとしか言えない厄介な戦法のプレイヤーです。しかしこの手のタイプは巷にうじゃうじゃいます。俗に言う「YDKYK(やればできるけどやらない子)」です。たぶんあなたもそうですよね。

卒論も例によって土壇場で本気になりました。提出したのは1月22日でしたが、本格的に取り掛かり始めたのは11月終盤。実質2ヶ月で書き上げたわけです。

ん、いま「実質2ヶ月あれば仕上げられるんだ」と思いましたね?


帰れ!!!!!


あっははすみませんつい... いや、私も卒業していった友達に「実質2ヶ月で書いた」「お正月返上すればOK」とか言われて、「だったら私もなんとかなるわ」と思ってたので気持ちはわかります。でもあれは終わった者だから言えるのです。卒論執筆中は「2ヶ月はキツすぎやろ...あのほら吹きめ...」と思いました。ほんと、みなさんには卒論で苦しんでほしくないのです。健康に良くない。

ギリギリになりながら、それでもなんとか卒論を仕上げました。こんな私ですが、今後卒論と戦うみなさんに「経験者」として伝えられることがあると考えています。これはもはや義務です。深夜に光る画面でおもむろに「#卒論終わらない」「#先生怒る」「#留年」と検索し、流れてくる大学生の闇ツイートを読みながら力ない笑みを浮かべるなんて、そんなのはもう私で終わりにしてくれ!

《卒論書くなら知ってて損はない!ベスト3》

ではいってみましょう。るみ氏的「これやっといて本当によかった」ポイントを3つ紹介します。

1. 環境を確保せよ
2. テクノロジーを駆使せよ
3. 記録しろ

1. 環境を確保せよ

卒論に取り組むのにまず大事なのは、集中できる環境です。あなたには、集中できる環境がありますか?

たとえば私の場合、家は集中するための場所ではありません。私にとって家は「食べる・寝る・息をする」ための場所です。家で課題をやろうとしても、家族が見ているイッテQをついつい見に行って気づけば2,3時間が過ぎ、アイスを食べ、挙げ句の果てにふて寝です。ごみくず。

そこで、私は卒論に「投資」をすることにしました。家ではなく、卒論は必ずスタバでやることにしたのです。これは共に卒論で苦しんだ戦友Nに教えてもらったライフハックです。ライフハック?ライフハックです、うん。

スタバはWi-Fiも電源もあるのでパソコン作業に良いです。愛想が120点の店員さんが出すコーヒーも美味しいです。そして右には分厚い本で試験勉強をする学生、左にはMacbookを使うノマドワークマンがいます。こんな「かっこいいの代名詞」みたいな場所で、突っ伏して寝たり、ふざけたYouTuberやイッテQの出川哲郎の動画を見たりなんて許されるはずがありませんね?あなたは卒論をやるのです。

戦友Nは卒論執筆のためにスタバに1万円は投資しただろうと遠い目で言っていました。私もスタバで経済を回しました。でも卒論が完成するならそんなことはどうでもいいです。まずは最適な環境確保が優先事項です。(もっとも、家でできるならそれがベストですが。)

2. テクノロジーを駆使せよ

今の時代、ジョブズやゲイツのおかげで便利なテクノロジーが山ほど溢れています。なんかすごいことを言っているように聞こえますが、私が言いたいことは簡単で、ズバリ「使えるものは使い倒せ」です。この章は少し力を入れて書くので長くなりますが、聞いてください。

■Googleドキュメント

みなさん卒論は何で書いていますか?Microsoft Word Officeですか?そうですか。これは個人の見解ですが、私はWordの一刀使いはおすすめしていません。「Googleドキュメントのメイン使い&Wordサブ使い」の二刀流戦法がおすすめです。

GoogleドキュメントはGoogleアカウントを持っている人であれば誰でも使えるブラウザ上のWordです。つまり、あなたのパソコン本体やUSBにデータを保存せずとも、インターネット上で保存されるのです。パソコンが燃えてもUSBがトイレに流れても、データはネット上にあるから無事なのです。

さらにGoogleドキュメントは自動保存が可能なので、保存し忘れて論文が飛ぶなんてことはありません。コメント機能を使えばまるで文章に付箋を貼る感覚で修正を入れたり消したりすることができます。外国語で文章を書く場合はスペルミス修正機能も積極的に使ってください。(この辺りはWordにも付いてる機能ですが、ドキュメントでも同様に使いやすいです)

でも万が一、先生がGoogleドキュメントを使わない人(使えない人)だったらどうするか?大丈夫。Googleドキュメントの文章をWord文書として落として送ればいいですし、先生の修正付きで返却されたWordは、そのままGoogleドライブに投げ込めば再びGoogleドキュメントで編集することができます。Googleありがとう。

(上級者になるとGitを使うらしいですね、賢いなあと思いました。が、ここでは省略させていただきます。)

■Google Books/Google Scholar

もう一つ、意外と知られていないのが、Google BooksGoogle Scholarの存在です。

Google Booksには書籍の中身をスキャンしたものが公開され、一方でGoogle Scholarには論文や学術誌が集約されています。電子書籍端末(Kindleとか)は不要で、ネット環境があれば誰でも読めます。つまり、世界中の本や資料を好きなキーワードで検索し自由に読むことができるのです。一応著作物なので部分的に閲覧制限がかかっているとは言えど、集約されている量が半端ないのでたくさん読めばカバーできました。著作権切れの本は全編読めたり、PDFダウンロードもできるらしいです。神か!

私はスペイン語で卒論を書いていたので海外の文献が必要でした。でも普通の図書館じゃなかなか見つからないし、学校の地下書庫は暗くて不気味なのであんまり行きたくなかったのです。

でも、このGoogle Books/Google Scholarの存在を知ってからというものの、私は図書館に行くのをパッタリやめました。世界中の文献が揃う図書館が、自分のパソコンからアクセス可能になったのです。しかも、本の中身内でキーワード検索をすれば、キーワードが載ったページを抽出してくれます。無駄なページを読む必要がありません。

世界中の本を自由自在に、必要な部分だけピックアップして読めたので、効率よく文献収集できました。戦友Nに教えてあげたら、非常に感謝されました。もうGoogleと結婚します。

■もうなんでも使え、私はTwitterを使った

SNSをやっていない人の方が少ない現代。コミュニケーションだけでなく、情報収集にも便利なツールですよね。これも使えるとこは使います。

ある日、スペインの行政機関が運営するウェブサイトを閲覧していました。そのサイト内の情報を読んだとき「この元データが知りたいけど、どこにあるんだろう?」と気になりました。信用性の高い文献やデータを収集しないことには執筆が進まない状態だったので、思いつきでその機関の公式Twitterに@ツイートで聞いてみることにしました(DMができなかったので)。もうやれることはなんでもやるぞ。

↑「このサイトの元データはありますか」とつぶやく学生氏。「ところでかっこいいサイトですね、気に入りました」と気遣いも忘れない。
↑先方「私たちでは対応していないので、こちらの機関に問い合わせてみてください」私「ありがとうございます。メッセンジャーで聞いてみます。」

↑「このページに資料がありますよ」と教えてくれた。実は見てたサイト内の別のページにあったんだけど、自分の力では見つけられなかったので聞いてよかった。

既読がつけばラッキーかな程度にしか考えていなかったのですが、秒で返信が来て助かりました。この機関が教えてくれた情報はガッツリ参考資料にさせてもらいました。感謝すぎるし、インターネットはほんとにすばらしい。

本気で卒論を完成させたいとき、人は「できることはもう何でもやってやろう」という気持ちが湧きあがります。現代に溢れる便利で素晴らしいテクノロジーを使い倒してください。(ただし血迷っても不正行為だけはしないでください。退学です。)

3. 記録しろ

参考文献を漁りながらガリガリ論文を書くのは大事ですが、漁った文献を記録しておくことの方がもっと大事だと、私は痛感しました。どこに何を引用したのかがごちゃごちゃになったり、「この部分に使った資料ってなんだっけ...思い出せない...」となったりするのは、卒論あるあるです。

そこで、記録。

私はGoogleスプレッドシート(またGoogle!)に自分でリストを作成し、使用した文献を全て記録することにしました。図書館で借りた本はもちろん、Google Books/Google Scholarで読んだ資料、参考になりそうなウェブサイト、ダウンロードしたPDF書類まで。そして、以下の情報を全て記録しました。

・文献のタイトル

・作者/編者

・出版年

・出版社

・出版された国/地域

・文献のタイプ(図書館の本/Google Books/ネット上のPDF/ウェブサイト etc.)

・文献にアクセスできるリンク先

・引用したページ番号や章

・使えそうな箇所のメモ

なぜこんなに多いかって?だってこれらの情報は卒論の参考文献欄にすべて明記しなければならないのです。さもなくば「盗用」です。きびしいよなぁ、世の中って。

↑私のリストの一部。色分けしたり自分流にカスタマイズすればどんどんラクになる。しかも"やってる感"が出るので良い。

「そんなのめんどくさい」と思うかもしれませんが、メモし忘れた作者名や出版社を割り出すために果てしない検索の旅に出たり、引用箇所を確認するためだけに本をまた読み返したり、「あの一節ってどの本に載ってたっけ...」と絶望したりするほうが、1000000倍めんどくさいのです。絶対に記録してください。

***

以上が、私が卒論に取り組む上で「やっててよかった〜」と思ったポイントです。この程度?と思ったかもしれませんが、この程度が死活問題になるのです。大学4年生とはそういう生き物です。きっとわかります。

これから卒論を書く人に「そんなに大変なのか...」と怖がらせてしまったかもしれませんが、これだけは言わせてください。卒論は大学生活の集大成ですから、しっかりやるに越したことはありません。興味のある分野を徹底的に研究し、素晴らしい論文を書く人もいます。そして計画的な人はさっさと終わらせて海外旅行に行きます。しかし、一定数の4年生にとってそれは簡単ではなく、毎年同じように「卒論が終わらない」と叫ぶのです。

でも、苦しかったからこそ、完成した論文を読んだときは「なかなかよくやったじゃないか」と感動してちょっと涙出そうでした。あなたにもきっとできます。あの苦しみと引き換えに日本の「#卒論終わらない」ハッシュタグ減少化に少しでも貢献できたなら、私は自分を誇りに思います。グッドラック。

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