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台北の味を再び!3年ぶりの訪問で楽しんだB級グルメと夜市の旅②

3月2日(2023年)の夜、3年ぶりの台北に到着して、さっそくマッサージと牛肉麺で夜更かし。
そして朝を迎えます。

▼ 初日(京都〜台北)の記録はこちら

◆ 雙連朝市

トイレに行きたくなり、目が覚めた。枕元のスマホを見ると、まだ4時半。用を足してもう一度布団に潜り込む。
眠りは浅く、仕事に追いまくられる嫌な夢にうなされ、気がつくと、窓の外はすっかり明るくなっていた。
再びスマホを見ると、もう7時40分!
何が、6時には自然と目覚めるだろう、だ。休暇初日から夜更かし朝寝坊かい。

豆乳に揚げパンの朝ご飯は諦めて、ホテルのバイキングに変更。
…昨夜の牛肉麺は余計だったか。全然、お腹が空いてない。
お粥、サラダ、豆乳、あと何を食べたか忘れた。今日はこれから、あちこちで買い食いする予定でもあるので、軽めに済ませる。

通りへ出ると、青空が覗き、薄陽が差しているが、今日も肌寒い。ちょうど出勤時刻とあって、MRTのエスカレーターを上って続々と人が地上へ出てくる。
MRTに乗って、まず雙連朝市へ。
階段を上り地表に出ると、そこには鮮やかな色彩が展開していた。青果や精肉、鮮魚が並び、威勢の良い台湾語が飛び交う。
久しぶりに体感するアジアの朝。
買い食いできそうなものはないので、残念ながら見るだけ。

▲ 金ピカ寺院も懐かしい。
▲ 朝市の上に青空が広がった。

日本にはどうしてこういう市がないんだろう、と思ったが、考えてみれば今では道の駅などがその役割を果たしているわけですね。

◆ 迪化街

その足で迪化街へ向かう。雙連朝市からは、徒歩で約15分。
ここは、台北へ来るたびにきている気がするが、ついつい今回も足が向かってしまった。こういうレトロな街並みをリノベーションしたエリアというのが好きなのです。
その中でも北の方、通称「奥迪化街」の方から通りへ入る。
まだ10時前なので、開いている店は少ない。観光客の姿もほとんどない。
南下して永楽市場あたりに行けば食べ物屋が幾つもあるのは知っているけれど、さすがにまだお腹も空かない。
この通りには、お茶、乾物、スパイス、台所用品、竹細工など、目移りしてしまうような店が沢山あるのだけれど、ここで何か買い物をした記憶がない。昔だったら、こんなところに来ると生活雑貨を買いまくってしまったものだが、最近では衝動買いしたものの未使用のカゴやら食器やらのあまりの多さに、流石に自責の念を覚えるようになり、そのうち年齢のせいか物欲も減退して、食指が伸びなくなっておる。
でも、この通りの雰囲気は、昔と変わらず良い。写真を撮りながら、しばし散策。

▲ ヨーロッパの中世の街のような…
▲ 地震の多い台湾で、レンガ造は大丈夫なのかな
▲ 招き猫?
▲ 重厚なファサード。元は豪商だったのだろうか
▲ 永楽市場近く

時間が経つにつれて、商店がシャッターを上げ、通りを歩く観光客も増えてきた。朝ごはんが遅めだったので、あまりお腹は空いていないが、
11時を過ぎ、ガイドブックを見て狙っていたレストランへ行ってみるが、コロナ禍で閉店してしまった模様。そこで、永楽市場近くの素食バイキングの店に入った。素食とはベジタリアンフードなのだが、そこは台湾、揚げ物なんかも多く、結構腹持ちがしそう。
言葉は通じないけれど、紙皿を取って食べたいものを自分で盛り、店の奥さんに渡すだけ。それを秤に乗せる。幾らと言っているのかわからないけれど、前の客が大体100元札を渡していたので、それに倣う。少しお釣りが返ってきたかどうか覚えていないが、会計が終わると、別皿にご飯を盛って渡してくれる。
隣接する区画に机と椅子が並んでおり、近隣に住んでいるらしきおばあちゃん達、永楽市場への買い物帰りのような主婦、バイクで何か配達途中の兄ちゃん、色んな人がやってきて、店の隅でぐつぐつ煮えている味噌汁をセルフで取ってきて食事している。

▲ 身体に良さそうな昼ごはん

その隣の店は、かつて「孤独のグルメ」に登場したらしく、店頭にロケ時の写真などが貼ってあった。その一角にある屋台で胡麻餅も買って、パクつきながら迪化街を後にして、台北駅までのんびりと歩いた。

◆ 台鉄で瑞芳へ

台鉄の各駅停車に乗って、瑞芳へ。
確か2回目の台湾訪問の時も、この路線の電車に乗って、猫村として知られる猴硐(ホートン)、ランタン飛ばしで有名な十份を訪ねてから、九份へ向かったことがある。その時は満員電車で立ちっぱなしだった記憶があるが、今日は50%ほどの乗車率。平日のせいだろうか。

▼ 猴硐

台北市内は地下を走り、ようやく地表に出る。少し古びた街並みが車窓に広がり、郷愁を誘う。
途中で自強号が莒光号かわからないけど抜かれて、50分ほどかかって瑞芳に到着。
日本の駅はどこも、無個性な橋上駅や、なんの表情もないプレハブやら何やらに変わってしまっているが、台湾には国鉄時代の日本のような汽車旅全盛期を想起させる駅が残されている。ここ瑞芳も、昔地方都市によくあったような、懐かしい雰囲気がある駅。
微かに記憶がある駅前に出て、駅舎を背に左手に向かい3分ほど歩くと、バス停が見えた。
バスの待ち時間を示す電光掲示板がある。九份へは少し待たされそうだな、と思い眺めていると、それよりかなり早く基隆客運のバスがやって来た。
このバスも、前に来た時は満員だった記憶があるが、今日は多少空席がある。

◆ 九份ふたたび

バスは九十九折りの山道を上っていく。2車線の狭い道なのに、走り慣れた運転手はカーブでもさほど減速せず、対向車を滑らかにかわしながら山上を目指す。
次第に基隆港の眺望が開けてきた。大きなタンカーが停泊している。
九份老街で下車。メインストリートである基山街への見覚えのある狭い入口が、すぐそこに見えた。

▲ 基山街

後で買い食いしたいものを物色しながら、まずは端から端まで見て歩き、帰路はエリンギ焼きや香腸(ソーセージ)などつまみながら、人混み激しい老街を散策。
豎崎路の急な階段を降ると、九份のシンボル的存在の阿妹茶楼が建っている。
入ってみたい気がするのだが、長蛇の行列。待ち時間が勿体ないので忌避。
向かいの海悦楼景観茶坊から眺めるだけにする。

▼ 事前予約もできるそうです(現在は予約機能休止中)。

▲ 阿妹茶楼
▲ 豎崎路

かつては鉱山の町だっという九份には、マクロ・ワイドとも絵になる風景が多い。
急斜面に張り付いた道を上り下りし、疲れたらカフェに入ったりしながら、あてもなくしばし散策。

こうして写真を撮って歩きながら、目についた美味しそうなものを手当たり次第買い食いしているのだけれど、一応、これだけは外せないと思っているものはあった。前回も食べた「九份阿柑姨芋圓」のぜんざいかき氷。
前回来たのは、こんな肌寒い日じゃなかったので、かき氷の上に乗ったタロ芋と冷えた小豆が何とも心地よかった。今日だったら迷わずホットが良さそうなものだけど、気持ちが完全にかき氷に向かった状態でここまで来てしまったので、アイスを注文。
基山街より二段ほど高い位置にあるこの店、眺望が素晴らしい。運よく窓際のカウンターが空いたので、海を見下ろしながら…

店を出て、そのままさらに斜面を登る。基山街の喧騒は遠ざかり、観光客の姿も無くなった。時折、地元の人とすれ違うばかり。
九份の中でも観光エリアからさらに上にある、民家や小規模な民宿が斜面に身を寄せ合っているこの一角には、前回の訪問で偶然迷い込み、九份の原風景とでもいうべき佇まいが好きになってしまった。見下ろす基隆港の風景も、展望スポットの金山石あたりからより、さらに雄大である。

▲ 高台より

さて、九份が美しいのは日が暮れてからなのだけど、なかなか暗くならない。
南国へ来たとは思えない肌寒さだけど、西へ来たのだな、という実感は湧く。

夜の帳が下りるまでの間、九份では最古の茶房である「九份茶房」で過ごすことに。

入店すると、日本語の上手な女性店員が、テラスに設けられたサンルームのような一角へ案内してくれた。窓際の席は埋まっていたが、それなりの眺望を楽しみながら…
最初は、店員が淹れ方を実演して見せてくれ、2杯目以降は自分で。
茶葉を入れて最初の一杯は20秒ほどで片口(?)に注ぎ、そこから小さなティーカップに注いで飲む。2杯目の抽出時間は30〜40秒、以後少しずつ長めに。片口7杯分程度は抽出できる。その後は、小さな壺に入った茶葉に交換して、さらに楽しめる。
テーブルの脇に火鉢があって、鉄瓶の中で湯が煮立っている。

急斜面に建設された建物は複雑な構造。茶器も色々と販売されており、かつて陶器に凝っていた頃ならば目移りして散財してしまったかもしれぬ。

▲ 高級なお茶を選ぶと、結構、いいお値段にはなります。
▲ 別のテラスから
▲ 店内にはこんな池も。

1時間半ほども滞在し、いったい何杯の香り高いお茶を飲んだだろうか。

夜の帳が9分を包み込む頃合いになった。茶房を出て、再び細い路地を巡り、階段を上り下りして、九份を散策。

前回は確か夜8時過ぎまで九份に滞在し、食事しながら夜景を堪能した。そうしたところ、豎崎路の階段やその下の小さな広場は立錐の余地もないほどの人混みに埋め尽くされて、とても散策を楽しむどころではなくなった。ようやく台北へ戻るバスの乗り場へ辿り着くと、そこには一体何時間待ちかというほどの行列ができていて、結局乗合タクシーで台北駅まで帰ったものだ(ミニバンに6人程度で乗ったため、大した額ではなかったけれど)。

今日もバス乗り場には長蛇の列ができていたが、やがてやって来た台北の忠孝復興行きの基隆客運のバスに乗ることができた。忠孝復興は私の宿泊先へも徒歩圏内なので都合が良い。
4列シートのバスだが、通路にまで客を乗せて出発。

瑞芳までの曲がりくねった山道を下り、その先は台北に向かって沿線の街々に立ち寄りながら走っていく。
夜の帷に浮かぶ商店街の灯り。行き交う人々。日本からは殆ど失われてしまった光景だ。
ノスタルジーに浸りながら、窓の外を眺め続けていた。

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長文をここまでお読み頂き、ありがとうございました。台北へ戻った後は夜市とマッサージ、翌日はファーマーズマーケット、猫空、リノベエリアにクラフトビール… よろしければ続きもまたお読み下さい。
私は、2020年に勤務先を早期退職した後、関東から京都へ地方移住(?)しました。noteでは、ロードバイクで北海道一周した記録や、もう一つの趣味であるスキューバダイビング旅行の記録を綴っています。宜しければこちらもご笑覧下さい。


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