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境界にひらく

昨年のGマークの講評会で、隣地境界ブロックをゆずりあいベンチに変えた作品について、大きな好評を得ていたのを思い出す。ガレージを地域に開放した住宅は隣地境界についても、お互いに使えるベンチとした。
境界とは境目だから、お互いに譲り合って使える場所としましょうというのが本来の意味のようにも思える。いつの間にかブロック塀やフェンスが立ち、お互いに不便のないように敷地内に入ってくれるなという目印変わってしまった。
千住の建物をみてふと気づくこと。敷地が狭く、意外にこのブロック塀が立っている家が少ない。様々な理由がありこの経緯に至っていると思うが、家と家の隙間を通り抜け、ぼくらが少年時代に、抜け道を縫って走り抜けたような、裏路地の広がる世界がある。
境界にブロックをたてずに、抜け道として残す文化。そこに、別の意味を探す楽しさが欲しくなってくる。

この投稿はFacebookページで2019年9月13日に投稿されたものです。1週間でお届けする島プロライドオン〜《千住にひらく》その5です。

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