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【RIZIN.43超絶簡単解説】薄味味噌ラーメンにタイトルマッチというバターを乗っけてみた

*この記事は執筆者の個人的な考えや推測が多く含んでおり、また格闘技関係者から直接話を聞いて執筆したというものではなくただの一格闘技オタクが書いたものであるため間違った情報が書かれている可能性があります。もし間違いやご指摘、誤字脱字があった場合はコメントなどで教えていただけると嬉しいです。
 またこの記事内で選手や格闘技関係者の敬称を省略している場合があります。予めご了承ください。



➀はじめに

この記事は「RIZIN.43」(6月24日14:00開始予定)の全カードを簡単に解説しようという記事です。
現在RIZINで大盛り上がり中のフェザー級タイトルマッチをはじめ北海道に縁のある選手が多い北海道初進出にふさわしいマッチメイクとなっていますので盛り上がっていきましょう!


②星久保将城vsがんばれ!ふるかわくん

RIZINが首都圏ではない場所で行う大会のイメージですが最初の方のカードに地元出身同士のキックボクシングマッチが結構な確率である気がします。

星久保選手は現在18歳戦績5戦4勝1敗と若いキャリアながらすでにRISEを経験している将来有望なファイターです。

パワーのある左フックからのコンビネーションを始め相手を倒せる攻撃を躊躇なく放つアグレッシブなスタイルが特徴です。

ふるかわくん選手は地元北海道のキックボクシングジムGRABS所属の選手です。元ISKA世界ムエタイフライ級王者のTOMONORI代表を筆頭にNJKFウェルター級王者のTETSURO選手など多くの優秀な選手が所属している環境で切磋琢磨して磨かれた気持ちの強さが特徴です。

ただまぁ正直なことを言うと片や18歳でRISEに参戦経験がある将来有望な選手、片や43歳プロ負け越しの選手とある意味わかりやすいマッチメイクではあります。
星久保選手は勝ち方を問われる試合でふるかわくん選手は面子を賭けた試合になりそうです。


③愛翔vs小出龍哉

個人的なイメージですが北海道はまだ格闘技の文化が本州よりかはあまり根付いていないと思っていたのですが、こういうカード群を見るときっちりジムが街に根付いているのかなと思います。ジモキックと言ってもジムや選手がいなければスタートラインに立つ資格すらありませんからね。

愛翔選手は今回メインで出場する鈴木千裕選手と同じくキックボクシングとMMAを並行して行っている二刀流ファイターです。空手がバックボーンの選手で近距離に飛び込んでの打ち合いが得意です。

小出龍哉選手はTEPPEN GYM所属で極真空手がバックボーンの選手です。フィジカルの強さとジャブのように鋭く打つ左のリードハイキックが特徴です。

この試合は近距離で戦いたい愛翔選手と自身の蹴りの間合いで戦いたい小出選手という構図ですが、小出選手が左のリードハイキックと対角線のローやカーフで終始削っていく展開になるのかなと思っています。

この大会というかRIZINのいわゆる地方大会の根底にあるテーマですが”地元関係のある選手とそれより少し強い選手を当てる”というのがあると思います。
普通なら少し格下の選手を当てて快勝を見せたほうが安直に盛り上がりそうですが、あえて少し格の高い相手をぶつけてドラマ性を持たせるのはある意味えげつなさを感じますね。


④丸山大輝vs早坂優瑠

先ほど地方大会のテーマを挙げましたがこのマッチメイクは正直それにしたってやりすぎだろうと思います。RIZIN公式オッズサイトBee Betで美味しく儲けるならこの試合で賭けるのが丸そうですね。

丸山大輝選手は空手がバックボーンの選手で現在プロデビューしてから3戦1勝2敗と負け越しています。強打とカウンターが特徴ですが組技ではまだまだこれからという印象です。

早坂優瑠選手はGRACHANやPANCRASEを主戦場にしている現在プロ40戦を経験しているベテラン選手です。そのキャリア20勝の内13の一本勝ちがありどこからでも動き続けて一本を狙うアグレッシブなグラップリングが特徴で、特にバックチョークやアームバーが得意なグラップラーです。

正直実績やスタイル的にも早坂選手圧倒的有利なのは火を見るより明らかだと思います。ただ逆に言えばひっくり返すとあまりにもおいしいので丸山選手は若さとガッツで奮起してほしいですね。

お互い北海道のジムを拠点としていて早坂選手に至っては自身のジムを経営しています。そういう選手たちにとっては地元にRIZINが来るというのはあまりにもデカいチャンスですから、こういう試合を受けるのはしょうが無いなと思います。業界トップが地方まで行って種まきをするというのはどの業界でも必要だと思いますしRIZINがそういう役割をきちんと理解して行うのは正にノブレス・オブリージュですね。


⑤渡辺トシキvs安海健斗

経歴だけ見ると普通に本戦でも良いと思いますが、これがなぜオープニングファイトなのかRIZINのその辺の基準が少し気になるマッチメイクです。

渡部トシキ選手は元PFCライト級王者で柔道がバックボーンの選手です。相手をケージ際に押し込んでの寝技が得意でキャリア19勝の内15の一本勝ちがあるグラップラーです。

安海健斗選手は2022年修斗ライト級新人王に輝いた選手でバックボーンの柔道では全国大会に2度出場しています。
柔道で培った組み技の強さも特徴ですがバックハンドブローを頻繁に使うという独特なスタイルを持っている選手です。

お互い柔道がバックボーンのグラップラーということでMMAあるあるの”グラップラー同士の試合は意外と組み技に行かない”が適応されると思います。
そうなると打撃がかなり重要な試合になりそうですがその点では安海選手がかなり有利だと思います。前述したとおりバックハンドブローを頻繁に当てている距離感の良さに右オーバーハンドという一発がありますので、これでうまく距離を作れればそのまま試合の主導権を握れそうです。

お互い柔道バックボーンですが壁際で組みたい渡部選手と打撃で勝負しながら組みも混ぜる安海選手という異なる進化をした選手なのでかなり濃いMMAをしそうな予感を感じます。これこそ5分3Rで見たかったです。


⑥山川賢誠vs平野凌我

実はこの2人、片やエキシビション片や空手の大会と場所は違いますがあの那須川天心と拳を交えているという奇妙な共通点を持っているのです。

山川賢誠選手はBOUT、RISEを拠点をしている選手で戦績は28戦17勝9敗2分です。長い手足を活かした右のフリッカー気味の攻撃と左のハイキックが特徴でRISEでは森本”狂犬”義久選手にKO勝利している実力者です。

平野凌我選手は現在RISEフェザー級ランキング2位に位置している選手で戦績は17戦11勝5敗1分です。相手を病院送りにするほどのKOパワーを持っていてそれを最大限生かした右のストレートが武器です。

試合展開は距離を取りたい山川選手と距離を詰めて右ストレートを当てたい平野選手と言う構図です。ただそうなるとリーチとフィジカルに優れる山川選手が得意の左ハイキックを当ててアウトボクシングに徹すれば戦況が傾く事は間違いないでしょう。
ですので試合開始直後の平野選手がどういうプランで試合に挑むのかがカギだと思います。いきなり近距離戦に持ち込んで右ストレートを撃つのか、それとも丁寧に間合いを作るのかで試合展開が変わると思いますが、個人的にはいきなりの近距離戦をしなければそれ以外の局面は山川選手が有利かなと思います。

両者RISEの選手ですのでRISEのリングでやるべき試合だとは思いますが、RISEが北海道に進出する気配がなさそうなのでまぁしゃあないかなという気持ちです。
これに関してはRISEの運営方針的に北海道でのRISE開催は難しそうなのでしょうがないですがね。自身の身の丈に合った規模間の興行を積んでこそ大規模な大会につながるわけです。これに関してはあらゆる分野にも当てはまりそうですがね。


⑦熊谷麻理奈vs栗山葵

女子バンタム級という割と国内メジャー団体では珍しい体重だと思います。ちなみにRIZINの女子最重量の試合は我らがギャビ・ガルシア姐さんの102.5kgです。

熊谷麻里奈選手は174㎝の長い手足とボクシング、キックボクシングのバックボーンを活かした鋭い打撃が特徴の選手で現在3連勝中です。

過去にはKINGレイナ選手とキックボクシングで戦ったりラウェイに参戦したりと異色の経歴の持ち主でもあります。

栗山葵選手は萩原京平選手と同門のSMOKER GYM所属の選手でバチバチの打撃戦が得意な選手です。元々サッカーを行っていたためフィジカルが強く打ち合い上等の前に出るスタイルを得意としています。

両選手ともストライカーですが栗山選手はリーチを生かした中距離戦、栗山選手はステップワークと上下の打ち分けを駆使して相手に接近する近距離戦が得意と強い距離が違います。
ですのでこの試合はより自分の得意な距離に居続けられた方が有利です。
その距離を見る方法としてロープ際に相手をどれだけ押し付けられるかがカギになります。MMAでは基本的にロープやケージ際を背負わされている展開=プレッシャーを受けているということになりますので、どちらがどれだけ相手選手をロープ際に押し込めているか、逆にロープ際に追い込まれているかを注目してみるのが得意な距離感の違うストライカー同士の試合だと面白いと個人的には思いますね。

女子バンタム級は国内でも役者はいるのですが如何せん日本人やアジア人の体系的にその下のストロー級やアトム級に人口が集まってしまいます。そういう現状をかんがみると国内最大手団体でこういう試合ができるのは結構レアですね。


⑧トレント・ガーダムvs後藤丈治

地元凱旋の選手とそれなりの立ち位置の外国人選手と言うなんか言語化は難しい魅力が詰まっているマッチメイクですね。”良い”試合って感じです。

トレント・ガーダム選手はRIZINではMMA、キックボクシングでも勝ち星はありませんがバックボーンのムエタイを駆使したステップワークにプロボクシング経験もあるストライキング能力で井上直樹選手や現UFCのビクター・ヘンリー選手を苦しめた選手です。

後藤丈治選手は地元北海道の選手で現在修斗を主戦場に活躍をして言います。柔道と空手をバックボーンに持っていて蹴りとパンチを織り交ぜたストライキングが特徴です。

お互い蹴りとパンチを混ぜて戦うストライカーですがガーダム選手はステップで動き続けて自分から攻めるアグレッシブなタイプで後藤選手はローやカーフで削っていってパンチを当てるカウンター系の気質な選手です。
ですのでこの試合のカギは後藤選手の下段の蹴りでガーダム選手を捕まえられるかです。
後藤選手は相四つ(お互いの構えが同じ選手の攻防。後藤選手はサウスポーなのでサウスポー同士の組み手を相四つ)の試合だと奥足のローやカーフを蹴って試合を組み立てていきます。ですがガーダム選手はそのステップワークとストライキングであの井上直樹選手のステップにもついていき出入りの激しい試合をしているので下段の蹴りを当てるのは至難の業だと思います。
なのでこの試合は後藤選手の引き出しの多さと距離感設定が上手くいくかで結構流れが変わると思っています。個人的には後藤選手の右ミドルが当たれば後藤選手有利ですが、全体的にはガーダム選手有利な試合とみています。

どちらもRIZIN初勝利が欲しい1戦です。ただ結果はともかく両選手ともRIZINに継続参戦してほしいです。ガーダム選手は倉本選手、後藤選手は金太郎選手当りとみたいです。


⑨関鉄矢vs遠藤来生

正直遠藤選手の名前は全然読めなかったですね。”来生”で”らいき”ですからね。パソコンでこういう記事を書いている人間ならうなずいてくれると思いますが、こういう読みが難しい選手だったり文字の組み合わせが独特な選手の名前を調べるのは思っているより大変なんですよね。

関鉄矢選手はボクシングをバックボーンに持つ伸びのあるパンチとレスリングでの攻防の強さが特徴の選手です。RIZINでは神田コウヤ選手、原口央選手に勝っているものの堀江圭功選手、中原由喜選手には敗北していたりと、いわゆるRIZINフェザー級のランキングだと上位層と中間層の間にいる門番的なポジションの選手だと思っています。カイル・アグォン選手とおんなじ立ち位置のイメージですね。

遠藤来生選手は地元北海道の選手でバックボーンは野球とアームレスリングというかなり異色の経歴の選手です。身長は165㎝とフェザー級では小柄な部類ですが筋肉が詰まった体形で攻撃をもらっても前に出続ける前進力が魅力のファイターです。

試合展開は関選手は遠くからパンチやタックルを混ぜていき、それに遠藤選手がどうかいくぐって強打を当てれるかという丁度熊谷麻里奈vs栗山葵みたいな感じですが、個人的には正直かなり差があるマッチメイクだと思います。
これで関選手が組み技に難ありでしたら遠藤選手が近距離のステップやフック、タックルで関選手の間合いの長いパンチをかいくぐる勝負できるポイントが発生する試合になりますが、関選手は高校時代全国区のレスラーだった原口選手とレスリングの攻防で完封していたためかなりレスリング力には差があると思っています。なので案外あっさり関選手が完封するんじゃないかなぁと思っています。

地元北海道でRIZIN初参戦の選手が門番的な選手と試合をするのはストーリー的に筋が通っていますね。ただこういうきついマッチメイクを見る限りRIZINのスタイルは誰が相手でも相変わらず千尋の谷に落として上がってきたやつをかわいがるスタイルだと思いました。まぁそれが格闘技や勝負事で一番機能するスタイルだと思いますがね。


⑩新居すぐるvs飯田健夫

おそらく裏メインですね。
同郷の親友でお互い格闘技で成り上がろうと上京、1度は地下格闘技で組まれそうになったカードですがもっとビックな所でやるべきと周りの声から実現しなかったこのカードが現在日本最大の格闘技団体のRIZIN発北海道大会で相まみえるという文字通り漫画のストーリーのようですね。さらに両選手とも自身のファイトマネーを使って北海道の子供たちを大会に招待したそうです。正直このバックストーリーをしゃべるだけでこの試合の紹介は終わりで良いと筆者自身が思っています。

新居すぐる選手は誰もが認めるアームロックの達人で多くのファイターが新居選手のアームロックはYAVAYというくらいです。
実際新居選手は1本勝ちが9つしていてその中でアームロックが8と正にアームロックをする機械です。

(新居選手の得意技のアームロックについてRIZINファイターの皆さんが語っている動画ですので良かったらチェックしてみて下さい。)

飯田健夫選手は柔道がバックボーンの選手で現在修斗を主戦場にしています。修斗では現修斗フェザー級王者のSASUKE選手とプロ、アマチュアで1勝1敗1分だったり元GRACHAN王者でRIZIN参戦経験もある伊藤空也選手に勝っていたりとかなりの実力者です。

この試合はバランスの良い飯田選手とアームロック一転特化の新居選手という構図です。そうなると飯田選手は新居選手のアームロックを警戒して距離を取りながらジャブやローキックで牽制するのが定石だと思いますが、正直この試合は気持ちの入ったバチバチの殴り合いになる可能性が高そうですね。
恐らく今回のRIZIN出場選手の中で1番気持ちが入っている選手同士ですので生半可な試合はしないと思います。その覚悟を見る想いで試合観戦するのが1番良いと思います。

ここまでのアツいストーリーラインがあるとマジで紹介することは無いですね。佐藤映像がどういう煽りVを制作するのかが楽しみです。


⑪大島沙緒理vsソルト

多分カードが発表された時からいろんな所でいわれていますが、ミクロ級(44㎏)~スーパーアトム級(49㎏)を主戦場にしている大島選手とストロー級(52㎏)を主戦場にしているソルト選手では実質2階級の差があってYAVAYマッチメイクだろ!という話ですが、個人的には体重もそうですが地方大会で地元の選手相手に階級下の連勝中の相手を持ってくるRIZINYAVAYだろと思います。

大島沙緒理選手はDEEP JEWELSミクロ級、DEEPアトム級の二冠王者です。柔道バックボーンを活かした組技やそこに行くまでの打撃と柔道技を組み合わせたスタンドが特徴です。

RIZINでは朝倉カンナ選手、山本美憂選手に勝っており現在4連勝中と勢いに乗っている選手です。

ソルト選手は地元北海道の選手でバックボーンはキックボクシングです。そのキックボクシングではJ-NETWORKアマチュアトーナメントで準優勝した実績があります。MMAではキャリアわずか3戦でPANCRASE ストロー級王者KAREN選手をノンタイトルマッチながら倒してダイレクトリマッチでも勝利したことで現PANCRASEストロー級王者になりました。
MMAのキャリアはまだ浅く寝技の対応は難がある印象ですが、167㎝の長い手足とキックボクシングで培った打撃能力とテイクダウンディフェンス能力の高さは一級品です。

この試合は打vs組と分かりやすい構図で両者の実績を考えると大島選手圧倒的有利ですが、やはり階級差と身長差がネックだと思います。
身長差約20cm、体重差は2階級分とそもそも練習相手を選ぶのが難しい感じがします。それだけの差なので試合になるかというのがある意味最大のポイントかなと思います。
順当にいくと試合展開は寝技の対応に隙があり柔道ベースの大島選手のテイクダウンに対応できない序盤から大島選手がガンガンテイクダウンに行くと思いますが、ソルト選手の長い脚からのミドルキックやカウンターの右フックで適応していく…になりそうです。

地元北海道の選手でチャンピオンほやほやのソルト選手に多少勝たせるマッチメイクを組むかと思いましたが、まさか階級下から引っ張ってくるとは思いませんでした。それもRIZIN常連選手に勝っている大島選手ですのである意味この試合は国内女子MMAの層の薄さを端的に表しているかもしれません。


⑫久保優太vs木下カラテ

久保選手や平本選手、太田選手もそうですが他競技のトップファイターがMMAに転向した際のマッチメイクは本当に難しいと思います。正直正解は無いと思うし個人的にはRIZIN公式YouTubeやU-NEXTあたりでそういうマッチメイク論の動画をやってほしいですね。まぁ多分数字は取れませんが。

久保優太選手は元K-1ウェルター級王者、元GLORY65kg王者という輝かしいキックボクシング実績を引っ提げてMMAに転向したファイターです。ですが八百長問題や離婚によりあまり良いスタートは切れなかったものの前戦で念願のMMA初勝利を手に入れました。

木下カラテ選手は極真空手がバックボーンで過去には世界大会準優勝をしています。その高いストライキング能力を活かした試合が持ち味で全6勝の内すべてがKOでそのうち5つが1R決着という非状に殺傷力が高いストライカーです。

両選手ともバチバチのストライカーで実績的には久保選手有利かなと思います。ですが木下選手はMMAでの経験がありどれだけ組みを混ぜれるかが勝負のカギだと思います。
個人的には木下選手がレベルチェンジ(上半身を下げてタックルに向かう姿勢を作るフェイント。RIZINでは斎藤裕選手がよく使う。)を使って久保選手にタックルを警戒させての打撃決着を予想しています。組みに気を付けたいということは外野より久保選手自身が一番理解していると思うので自然と組みの警戒度は高くなるはずです。その組みへの恐怖心をどう試合に持っていくかという久保選手の心持ちに注目ですね。

久保選手が自身のMMAでのキャリアをどう考えているかは想像できませんが、少なくとも注目度や話題性を平本選手がかっぱらっているのである意味自身にそこまで派手な注目が無いイコール目立ったマッチメイクはされないという現状をMMAの下地を積む機会をいただいたと割り切って考えてそうだと個人的には思っています。
なんだかんだ他競技で圧倒的な実績があっても別競技転向には時間と適切なマッチメイクが必要ですしね。やはりここら辺の意図が気になるのでRIZINにはマッチメイク論的な動画を出してほしいです。


⑬木村”フィリップ”ミノルvsロクク・ダリ

なんだかんだ木村選手もRIZINに来ましたね。やはりK-1卒業組からしたらRIZINのギャラはかなりおいしいのでしょうか。100年続くK-1をコンセプトにした新生K-1は大金を稼ごうとする選手には居づらい環境になってしまったのかもしれませんね。

木村”フィリップ”ミノル選手は言わずと知れた元K-1スーパーウェルター級王者でどんないてもなぎ倒すその剛腕で過去には10連勝全てがKO勝利という規格外の実力を持っている選手です。

ロクク・ダリ選手は元コンゴの柔道代表選手ですが過去にはキックボクシングの試合に出場しているほどの荒々しい打撃が魅力の選手です。
過去にはあの海人選手ともキックボクシングルールで戦い判定まで行っているポテンシャルの高さを見せています。

まぁいくら何でも木村選手が圧勝するしか考えられませんがね。
というかMMAファイター相手に現役キックボクサーでなおかつ元K-1王者がキックボクシングで負けたらマジで末代までの恥だと思います。同じようなシチュエーションで試合をした安保選手のように寒い結果にならない事だけが心配ですね。

現在K-1離脱組でRIZINでキックボクシングを行って成功したというより市民権を得ることが出来たのは実質皇治選手のみということを考えると、木村選手と安保選手はONEに行って70㎏戦線に参加するのが1番アツい選択肢なのかと思います。
ただK-1に出て王者になり夢を掴んでしまったからこそ目先のお金を選択肢として選んでしまうのはしょうがないですがね。元K-1王者という看板で飯を食べれる現状になるならなおさらです。誰だって過去の栄光で何もしないでたまに試合をしてアンチに文句言われるだけで金をもらえる状況なら現状維持を選びますしね。


⑭梅野源治vs鈴木宙樹

ついに梅野×ヒジありのYAVAY試合が来ました。一応前戦もヒジありでしたがMMAファイター相手にヒジ関係なく秒殺したのでその感じは薄れていると思います。

梅野源治選手はムエタイの2大殿堂とされるラジャナムダンの元ライト級王者というムエタイでトップクラスの実績を持ちながらキックボクシングでもRISE61㎏トーナメントで準優勝するほどの実績を持っています。
そしてRIZINに参戦してからは例の判定からのYAVAYだろ旋風である意味今一番乗りに乗っている選手です。

鈴木宙樹選手は現REBELS60㎏王者であり今回タイトルマッチに挑む鈴木千尋選手のお兄さんでもあります。フィジカルの強さとプロボクシングに参戦するほどのパンチ力が持ち味です。

ただ正直筆者的には門外漢のキックボクシングにさらにヒジありルールということでどちらがどれだけ有利かも想像できていません。ヒジありでどれだけ梅野選手が強化されるかがしいて言うなら見どころですかね。

今の梅野選手のネタキャラ的に扱いにおそらく昔からのファンは首をかしげていると思いますが、個人的には知る人ぞ知るムエタイの強者で終わるのではなく望まれない形でも来たチャンスを逃さないで自身の知名度向上につなげた梅野選手のプロ根性は本当にすごいものだと思います。


⑮鈴木博昭vs西谷大成

おそらく注目度なら下手したらタイトルマッチよりもされている試合です。筆者は朝倉未来1年チャレンジを見ていなかったタイプの格オタでしたのでここまでの注目度の高さに正直びっくりしています。朝倉未来選手の影響はこんなところでもちらつきますね。最近はYouTubeの広告で制汗剤の宣伝をする朝倉未来選手の制汗剤を吹きかける動作と顔が何かツボです。

鈴木博昭選手は元SBライト級王者、元SBスーパーライト級王者とキックボクシングの実績を引っ提げてMMA転向をした選手です。その近距離の打撃を当てる能力と相手の打撃をうまく受ける技術の高さがウリです。ただ現在2連敗と少しMMAの壁に当たっている状況です。

西谷大成選手は朝倉未来1年チャレンジ1期生の選手です。テイクダウンに行く際の仕掛けの豊富さやフィジカルの強さ、バックの攻防が強い選手です。

スタンドで戦いたい鈴木選手とグラウンドに持ち込みたい西谷選手とで非常に攻防の際の注目点がはっきりとしている試合です。
それを踏まえての試合のカギは四つ組みに行く前の攻防ですね。
純粋なタックルを切る能力が高い鈴木選手に対して西谷選手は蹴り→四つ組みの特にのコンビネーションを軸に組み立てるだろうと思います。ですが鈴木選手はその距離でのフックの圧力がとても強く簡単にいかないと思いますね。
ただ鈴木選手はキックボクシングの癖か近距離のパンチをガードしてしまいます。MMAではキックボクシングよりグローブが小さいのであまり有効的な戦術ではないのですが、このガードの間に西谷選手がシャープなパンチなどプレッシャーを掛けれれば自身が有利な流れで組みの攻防が出来るかと思います。

やはりこの注目度の高さは流石朝倉未来と思いますがこの注目度を試合のたびに浴びる西谷選手もすごいなと思います。そして朝倉未来が出なくても関連選手でこれだけの注目度の高さが出るということはこれからどんどん朝倉未来1年チャレンジの選手が出てきそうですね。具体的には地方大会の関梅の飛び道具的な扱いでしょうがね。


⑯関根”シュレック”秀樹vs上田幹雄

こういう地方大会こそヘビー級の存在が必要だと思います。
恐らく多くのお客さんが初めて生で格闘技も見る人ばっかだと思いますので、そういう人たちにはヘビー級のド迫力の試合を見せるのが一番印象に残ると思いますね。

関根”シュレック”秀樹選手はRIZINヘビー級の顔の選手の1人で今年49歳になる鉄人です。
RIZINでは多くのヘビー級主要選手を倒してきましたが去年スダリオ剛選手との国内ヘビー級頂上決戦には敗れてしまいこれがRIZIN復帰戦となります。

上田幹雄選手は元極真空手世界王者という輝かしい実績を持ってMMAに転向してきた選手です。ですがMMAデビュー戦で高坂剛選手に顔面へのパンチをもらってしまい初勝利とはなりませんでした。ですがその後GRACHANで空手のバックボーンを存分に生かした蹴り中心の試合で見事初勝利をしました。

この試合に関しては筆者がここでどうこう書くよりヘビー級の漢2人の殴り合いに注目するのが1番の楽しみ方だと思います。
しいて言うなら上田選手の顔面への攻撃への体勢がカギですね。極真空手は顔面へのパンチ攻撃が禁止でデビュー戦では底をつかれて負けたような物なのでそれへの慣れが注目です。

このRIZIN.43のカード構成は地方大会のスターターキットのような気がしますね。前半を地元選手で固めて後半を知名度で席を埋めれそうな選手と迫力のあるヘビー級で組むという結構ドストレートな構成な気がします。
なのでこの構成でどこまで盛り上がるかはRIZINの地方大会での戦いたかが見えてくると思いますね。


⑰矢地祐介vsザック・ゼイン

さっき言った地方大会カード論でいうと席を埋める係のカードです。ただ初上陸の地方大会で地元出身の選手をはねのけてコメインを任されるのは矢地選手の色々な意味の地力の高さがうかがえます。

矢地祐介選手はRIZIN旗揚げ期から今まで戦い続けている選手でその試合数は16を記録しています。近年ではジークンドーを取り入れたり相手の強みを消す丁寧な塩漬けスタイルを確立してきました。
ですがMMAではルイス・グスタボ選手にKO負けをしキックボクシングでは木村”フィリップ”ミノルにKO負けしていたりと今回の試合は思っているより崖っぷちな試合だと思います。

ザック・ゼイン選手はRIZINトライアウトでRIZIN出場を決めた選手です。デプスインタビューでのバックボーン紹介で一気に日本のファンを獲得しましたが試合では武田選手に一本負けをしてこれが復帰戦です。

この試合はおそらく矢地選手有利でそのまま塩漬け勝利になりそうな予感がプンプンします。ただザック選手は初参戦が当時勢いに乗っていた武田選手でしたのでまだその実力が出ていないと思っていますが、だからこそ矢地選手は勝ち方を問われる試合になると思います。
世間的な評価は矢地選手が上だからこそ格下と思われているザック選手に苦戦は絶対にしてはならないし、ましてやフィニッシュ勝利という勝ち方まで問われているのが多くの関係者やファンから期待されている状況こそが崖っぷちの矢地選手にとってはかなりつらいと思いますね。同じ崖っぷちでも矢地選手の方がその度数は上だと思います。そういう状況でも前に出て生き残れるかというメンタルの強さがこの試合のカギを握ると思います。

個人的にはザック選手のRIZIN初戦は矢地選手が良いと思っていたので今回でそれが見れて少しうれしいです。こういう崖っぷち同士の落としあいは思わぬ決着が見れそうなので少し期待値は上げても良いと思っています。
ただそういうのって基本的に裏切られるまでがセットなんですがね。


⑱クレベル・コイケvs鈴木千裕

正直RIZINフェザー級のベルトの価値は地方大会でのシメというこの感じで察せられてしまいます。ただオープニングファイトを含めるとかなり長丁場の大会になりそうなRIZIN.43でここまで長いと占めるのはタイトルマッチくらいじゃないと不可能なのでしょうがないとは思います。
ただ誤算だったのはRIZIN LANDMARK 5でのダブルメインイベントが想像以上に盛り上がりすぎてフェザー級のベルトの価値を少し霞ませてしまったのがこの盛り上がりの薄さに影響しているというのは考えられなくはないと個人的には思っています。

クレベル・コイケ選手はその鬼神のごとき寝技の強さでRIZIN6連勝そのすべてが一本勝ちと国内線戦では手が付けなれない頭3つくらい飛びぬけた強さを持っています。
ですが前戦のRIZIN×Bellator対抗戦で現Bellatorフェザー級王者、元Bellatorライト級王者のパトリシオ・”ピットブル”・フレイレ選手に完封されてしまい約4年ぶりの敗戦をしてこれが復帰戦となります。

鈴木千尋選手は現KNOCK OUT-BLACKスーパーライト級王者でありながらRIZINに参戦してきた選手です。
参戦初戦は敗北したもののそこから5連勝をして今回タイトルマッチにたどり着きました。キックボクシングで培った剛腕とフィジカルの強さが特徴です。

試合のカギは鈴木選手のクレベル選手対策です。
その点に関してはパトリシオ選手が”クレベル選手の組みに警戒しつつ打撃でプレッシャーを与え続けて寝技の展開になったら冷静に対処する”というRIZIN選手では誰も出来なかった机上の空論を実現させたためクレベル選手の攻略自体は一気に現実感を帯びた印象です。
ですがこれは現役Bellator王者が行ってようやく成功するプランであり、その試合ですら組みの展開が発生した時点でクレベル選手と戦う時点で組みの展開を避けること自体がナンセンスということが判明しました。

個人的に鈴木選手のクレベル選手攻略のプランは四つ組みを軸にして自分からテイクダウンに行くものだと思います。クレベル選手相手に一回も組の攻防をしないというのは不可能なので、それなら自身の得意な四つ組みで勝負に行きテイクダウンの攻防をしてスタミナを削ったりテイクダウンしてすぐに立ってクレベル選手の試合のテンポをずらして隙を作りKO勝利を狙う物だと考えています。
ですがもちろん下馬評は圧倒的有利ですし誰がどう考えてもクレベル選手圧倒的有利なのは否めないですね。

今大会はいろいろ言ってますがやはりカードの薄さというのが目立っています。そりゃあRIZIN LANDMARK 5、RIZIN.42という神興行があってこの後も超RIZIN2、Bellator日本来日と約束された神大会がありますのでこの狭間の地方大会が薄味になるのはしょうがないと思います。毎回濃い味のラーメンを提供できるほどRIZINに体力はありませんからね。

ですので味噌ラーメンに乗っけるわかりやすい旨み=油分としてタイトルマッチをトッピングしたのだと思います。旨みの味の濃さで全体の薄さをカバーしようという感じですが濃い味に挟まれた現状ではむしろ自身の味の薄さを暗に示して逆効果とすら思っています。
ただこのタイトルマッチでおつりがくるのは事実ですしYouTubeの無料視聴が可能になったことでこの大会がやりたかった北海道にRIZINの存在をアピールするという1番の目的は達成されそうです。そう思うとパワープレイで乗っけたタイトルマッチも大会の核となり普段見ない人が見る今大会では良い効果となったのではないでしょうか。

あと鈴木選手の挑戦者問題に関しては直近大会で主要な選手が出場してたりRIZINで5連勝していてその中に強豪の中原選手が入っていることが要因だと思っているので全然文句はないと個人的に思います。あとどうせ鈴木千尋は挑戦者にふさわしくない!とツイッターで息巻いている人は例えばタイトルマッチの相手が朝倉未来選手でも同じように息巻いていると思うのでその点はあんまり気にしていないです。

何より計量時のコメントが素晴らしかったですね。あれを言えることこそが挑戦者最大の資質であり資格だと思います。


⑲おわりに

今回の記事はいかがでしたでしょうか!
今回の『RIZIN.43』はYouTubeでの無料放送が決定して誰でも見れますので時間のある方や普段PPVの値段が高くて購入していない方こそご視聴してみて下さい!

この記事や今までのnoteに対しての感想や意見はドシドシお待ちしていますのでコメントやTwitterで反応や拡散をしていただけるととてもうれしいです!泣いて喜びます!

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