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【RIZIN LANDMARK 4超絶簡単解説】なまくら刃の平本蓮に価値はあるのか

*この記事は執筆者の個人的な考えや推測が多く含んでおり、また格闘技関係者から直接話を聞いて執筆したというものではなくただの一格闘技オタクが書いたものであるため間違った情報が書かれている可能性があります。もし間違いやご指摘、誤字脱字があった場合はコメントなどで教えていただけると嬉しいです。
 またこの記事内で選手や格闘技関係者の敬称を省略している場合があります。予めご了承ください。


➀はじめに

この記事は「RIZIN LANDMARK 4」(11月6日14:00開始予定)の全カードを簡単に解説しようという記事です。
メインの弥益ドミネーター聡志vs平本蓮を始め非常にクセが強いカードが多めとなっていますので盛り上がっていきましょう!

*この記事はまだ未完成で現在無料放送の試合が終わり次第完全版になります。無料放送分の記事はできていますのでそちらをお楽しみいただけたら幸いです。(2022年11月6日14時)

*完成しました!完全版となったこの記事を最後まで読んでいただけたら幸いです!(2022年11月6日15時)


②佐藤執斗vsKAZUNORI

今回で知ったのですが佐藤執斗選手はRIZINに計4回出ています。出ている大会全部言えたアナタはRIZIN検定3段の腕前です。

佐藤執斗選手は元SHOOTO BOXING日本バンタム級王者で現MAX FCフライ級王者、WMC51㎏&54㎏の二冠王者など若干24歳ながら多くのベルトを持つ実力者です。

KAZUNORI選手は静岡県三島市に拠点を置いているファイターで激闘型のスタイルで会場を盛り上げる選手です。

試合展開のカギは佐藤選手がインローでKAZUNORI選手の前進を防げるかです。
オーソドックスで構えて激闘型のKAZUNORI選手ですが意外と序盤はローキックや動きの大きいフェイントで距離を遠めに設定して隙があったらパンチを振りながら前に出るスタイルなのですが、佐藤選手がオーソ相手によく使う左のインローがかなり効果的だと思います。前足の内側は効くのは遅いですが相手の全身を逐一止められたりインローで意識を下に向かせて得意の掛け蹴りを狙うなど佐藤選手はオーソ相手にはインローを起点に試合を創るのでこの試合はかなりやりやすいと思います。
ですがKAZUNORI選手が相手の強打を無視していきなり前に詰めてパンチを当てる展開を作れれば面白いですね。

この前の「RIZIN.39」はキックボクシングの2試合が無料視聴でKO決着という素晴らしい盛り上がりを見せました。
LANDMARKではどうなる事か、個人的にはケージの広さが悪い意味で噛み合って大変なことになりそうです。そのためRIZINは近距離激闘型ファイター同士のマッチアップを組んだのでしょうね。


③久保健太vs秀義

すごいどうでもよい事なのですがRIZINは何を決め手でオープニングファイトにするか否かを決めているんでしょうね。地元枠という認識で良いのでしょうか?

久保健太選手は去年にパラエストラ千葉の総帥である鶴屋浩さんの息子である鶴屋怜選手と戦っており現在40歳ながらGLADIATORで2連勝などをしているファイターです。

秀義選手は2017年アマチュア修斗関西選手権バンタム級で優勝した選手でバックボーンの空手を活かした打撃で現在KO率100%の記録を持っています。

試合展開は秀義選手がスタンド、久保選手はグラウンドで勝負したいと思います。
久保選手は相手の前進に合わせてカウンターのフックを合わせられるスタンド技術の持ち主ですが打撃への反応があまり良くはないため秀義選手の得意のハイキックがモロに入る可能性が高いです。
ですが秀義選手は組み際で立ち上がるアクションがあまり上手ではなく寝かせられるとかなり厳しいです。そのためこの試合は近づけさせたくない秀義選手が前蹴りやハイキックで距離を作るか、久保選手がパンチのプレッシャーを見せながら組みのアプローチを見せるかという試合になりそうです。

ある意味地方で行われるMMAの興行らしいカードですが前評判よりも大きく跳ねる可能性は0ではないと思います。
自分の置かれた立ち位置から脱却するために虎穴に飛び込むのか、貪欲に勝ちにこだわるのか、どっちが正しいかは難しいですがそういう心情がもろに出てくるのが格闘技の良いところの1つだと思います。


④日比野”エビ中”純也vs吉田陸

オープニングファイトの中では個人的に1番楽しみです。
やはりエビ中という人の目を引く名前が必要なのでしょうか?興味を持つきっかけは極端なんでもいいですからね。

日比野”エビ中”純也選手はMMAを始めてわずか10か月でプロ修斗昇格を決めたプロ戦績は6戦4勝2敗ながら非凡な才能を感じるファイターです。

吉田陸選手は要初期から行ってきた空手がバックボーンの選手で鋭い蹴り技が得意です。実はRIZINにはキックボクシングの試合で出場したことがありその試合は対戦相手の体重超過でノーコンテストになりました。

試合のカギは日比野選手の足を桜井選手が潰せるかどうかです。
日比野選手は前後のステップが速くそこの出入りからの打撃で試合を展開するのですが、そこを桜井選手が空手仕込みの下段の蹴りで足を破壊して機動力を削げば桜井選手のペースで試合が出来ると思います。
前述しましたが日比野選手はスピード感のある出入りで試合をするため試合のペースが速いのですが、桜井選手はスローなペースの蹴り合いで丁寧に間合いを作っていくので両者のやりたい試合のテンポ感が噛み合っていないのです。そのためこの試合はどちらが自分のやりたいテンポに相手をつき合わせるかが重要ともいえます。

オープニングファイトですが両選手ともやらなきゃいけないことはかなりレベルが高いのでどういう展開になるかシンプルに楽しみです。


⑤奥田啓介vs久保優太

久保選手がまた格闘技業界のひのき舞台に戻ってくるとは思いませんでしたね。嫁なのか内縁の妻なのか、はたまた離婚して赤の他人となったサラさんは今回も入場で歌うのでしょうか。やるなら舞台裏や楽屋は気まずそうですね。

奥田啓介選手は現役のプロレスラーですが学生時代にはレスリングの名門拓殖大学で全日本学生選手権や世界大学選手権などで輝かしい実績を修めています。前々からMMAには興味がありRIZINには2戦参戦したものの2連敗という状況です。

久保優太選手は初代K-1ウェルター級(67,5㎏)王者、GLORY65㎏王者などキックボクシングで多大なる実績を引っ提げてMMAに挑戦しに来たファイターです。

バックボーンのテコンドーを活かした変則的な蹴りや相手が飛び込んできたところに合わせるカウンターの右フックなどスタンドの技術は一級品です。

試合展開のカギは久保選手のMMA適応度です。具体的には構えの時の足のスタンスです。
久保選手自身MMAデビュー戦が2021年9月で実質的なMMAの2戦目が今回なので前戦からどれだけの変化があるかは正直予想できないですが、それをわかりやすく感じるポイントとして足のスタンス(足の幅)がどうなっているかを注目してみると面白いと思います。
基本的にMMAの構えは足のスタンスを広げるか狭めるかの2つで分けることが出来ますが、タックルに対して強く出れるのは足のスタンスを広げる構えです。RIZINだと朝倉海選手の構えがわかりやすいですね。

足のスタンスを広くすることでお尻の下でクラッチを組む深いタックルをさせにくかったり、
タックルを切る動きがしやすい。

もっと詳しく知りたい方は筆者が書いたチャールズ・オリベイラ選手の紹介記事で構えのメリット・デメリットについて書いてありますのでそちらを読んでくれると嬉しいです。

他競技の選手がMMAへ参戦するとその適応度という課題にぶち当たりますがそれをどんどん跳ねのけていって自分の一芸を使えるようになれば、一気に面白い選手になりますので個人的にこの試合は久保選手がどういうプランでMMAに適応するのかという見方で楽しんでいます。
そういうことを考えると奥田選手は丁度良い相手ですね。最初のタックルに対しての久保選手の対応が1番の見どころのような気がします。


⑥魚井フルスイングvsヤン・ジヨン

ここ最近はホームランが無いように紹介されがちの魚井選手ですが現在2連敗中でその試合があまりにも振らなかっただけなんですよね。植え付けられた印象とは怖いものです。

魚井フルスイング選手は名前通りの強烈なフルスイングでのパンチが売りの選手です。修斗やRIZINが主戦場で当たればどんな相手でも倒せるフルスイングで会場を沸かせてきました。

しかしそのフルスイングを当てる方法が基本的に相手の前進に対してのカウンターパンチのみなので、最近の試合では相手が攻めてこないのでフルスイングが振れず相手もパンチをもらいたくないという中々煮え切らない試合で負けている現状です。

ヤン・ジヨン選手は「RIZIN.36」で急な体重変更と対戦相手の変更のトラブルを受けてのRIZIN初参戦となりましたが、試合ではベテランの昇侍選手に一本勝ちするなどその強さの片鱗を見せました。

一階級上のフェザー級でも遜色ないフィジカルにアグレッシブな打撃、何より倒した相手にすぐ駆け寄って介抱するスポーツマンシップが特徴です。

試合の展開はフルスイングを狙う魚井選手をジヨン選手が丁寧な打撃で捌いていくものだと思います。
基本的に魚井選手はスタンドではフルスイングをするまでは意外と消極的なので主導権自体はジヨン選手が握ると思いますが、あのフルスイングに当たる事だけは避けたいのでジヨン選手がジャブやカーフキック、ローキックで相手にケージを背負わせる程よい間合いを維持して魚井選手が攻めあぐねる展開がずっと続くと思いますね。
ただ魚井選手が自分から前に出て相手のカウンター覚悟であのフルスイングを振るなら一気に試合が面白くなると思います。攻めのバリエーションを増やすだけでジヨン選手はやりにくいですし、逆に自分がケージを背負うことになるのでフルスイングに対しての逃げ道がなくなるので一気に試合が面白くなりそうです。

あのフルスイングなので前に出て振ると相手のカウンターをもらうのは必至ですが勝つためには前に出て振らなければならない、カギは恐怖に打ち勝つ心という心技体の”心”の部分を問われる試合になりそうです。


⑦アラン”ヒロ”ヤマニハvs河村泰博

バンタム級GPでRIZIN初参戦したのヤマニハ選手ですが今回でRIZIN5戦目です。自分がこういう大会記事を書き始めたのがバンタム級GPからなのでヤマニハ選手について感覚的には3回に1回は書いている感じです。

アラン”ヒロ”ヤマニハ選手はアグレッシブな寝技とボンサイ柔術直伝の極めの強さが特徴の選手です。RIZINでは倉本一真選手、手塚基伸選手に勝っていて朝倉海選手、元谷友貴選手に負けているRIZINバンタム級上位層の門番的なイメージがありますね。

河村泰博選手は現NEXUSバンタム級王者でバンタム級では大きい177㎝の身長とリーチ、打撃も寝技もアグレッシブに自分から攻めていくスタイルで勝ち星を重ねています。

RIZINに出場したこともある原口央選手や須藤拓真選手に勝っているなど実力は高いですが、今まであまり注目されていないことからSNSやマイクパフォーマンスでも過激な発言が多くそういう意味でも目の離せない選手です。

両選手とも極めの強さとアグレッシブな打撃という共通点があるので試合自体は動きが多くて面白いものになりそうですが、おそらく寝技の展開にはなりにくいと思います。
MMAあるあるなのですが「グラップラー同士の試合、結局打撃決着しがち」というのがあります。これは両選手とも相手の寝技の強さをしっかり理解していて自分が寝技で有利を取れない可能性が高く逆に極められる可能性があるので、お互いがお互いの寝技にビビって打撃で終わるということは往々にしてあることです。

おそらくレベルの高い寝技勝負を期待している方が多いであろうこのカードですが、打撃のぶつかり合いにケージを使ったスクランブルがメインの試合になりそうですのでそういう感じの試合になると心の準備をして臨むくらいで丁度よいと思います。極めがあったら凄いくらいの気持ちで見るのがおススメです。


⑧青井人vs鈴木博昭

ほぼ3か月おきとなんだかんだ怪物くんは試合をしていますね。現在37歳ですので選手としてのタイムリミットが近いということもありますが、この年齢でハードなMMAの試合をこのスパンでするのは純粋にすごいと思います。

青井人選手は2014年アマチュア修斗ライト級王者で鳴り物入りでプロデビューした逸材です。まだ25歳ですが打・投・極に隙が無くスタイルを構築しています。

鈴木博昭選手は元SHOOTO BOXINGライト級、スーパーライト級の2冠王者という実績を引っ提げてMMAに転向してきました。強靭なフィジカルでプレッシャーをかけてフックで相手を倒すスタイルをMMAでも確立させています。

試合の構図は器用貧乏vs一芸特化というわかりやすい感じですね。
青井選手は基本的に何でもできる選手なのですがここ最近は自分より総合力が高い選手には負けてしまったりとここ最近の成績は勝ち負けを繰り返している感じです。何でもできることは勿論良い事なのですが上に行くためにはそれにプラスして一芸を増やさなければいけないのだと思います。そうしなければ自分より総合力の高い相手にぶつかった場合に何もできずに負けてしまうのは確実でしょう。
その点鈴木選手は組み技の対応に危うさはあるものの絶対に勝てる自分の”型”を確立しているので、そこにさえ相手をハメれれば勝機はあると思います。

現在25歳とまだキャリア的には若い青井選手ですが自分を倒せる”型”を持っていて倒しても評価につながらない選手が相手でなおかつ自分が敗戦からの復帰戦ですので、実は結構追い込まれている状況なんだと思います。
青井選手のそういうメンタル事情を知っていれば味わい深い試合になると思います。


⑨中村優作vs征矢貴

今大会の中でも割としっかりと勝負論ある部類のカードだと思います。
こういう言い方はあれですけど普通にナンバーシリーズで見たかったカードです。

中村優作選手は日本拳法をバックボーンにした珍しい選手です。日本拳法独特の遠い距離からの飛び込みを得意としていてその打撃の腕を買われてRIZINであの那須川天心選手と戦ったこともある選手です。

征矢貴選手は前戦の「RIZIN TRIGGER 3rd」で劇的な復活勝利を挙げた選手です。クローン病という国指定の難病になりがらもファイターとして戦う姿勢は多くのファンに勇気を与えています。

両選手ともストライカーで遠くからの飛び込みを軸にしていますがその方法には違いがあります。
中村選手は相手に向かってまっすぐ飛び込みます。イメージとしては堀口恭司選手の飛び込みに近いですね。攻撃を当てる瞬間だけ相手の近くにいてそれが終わったら飛び込む前の遠い位置に戻ります。その攻撃の中で打撃を上下に散らしたりフェイントなどで隙を作って必殺の右ストレートで倒すスタイルを確立しています。

中村選手の構え。左手を前に出して相手との間合いを測り奥の手の右手を当てる。
飛び込む瞬間のシーン。
右のパンチが当たるシーン。このパンチが必殺技なのでこれを当てられるかが重要である。

征矢選手は相手の斜めに横切って飛び込みます。これは征矢選手の得意な攻撃がフックなので相手に向かって真っすぐに飛び込むと当たらないため斜めに飛び込みます。その際に相手の足より外側の位置めがけて飛び込んで相手に近づいた瞬間にひねってフックを当てたり相手が距離をつぶして来たら右ストレートのカウンターを当てるなど軽量級とは思えないパワフルな打撃で多くのKOをしています。

征矢選手の構え。飛び込める距離に設定しているがそこまで遠くはない。
飛び込む瞬間のシーン。
左のフックが当たるシーン。相手の足の外側に自分の足があるため相手選手を斜めに横切って
距離を詰めていることがわかる。

試合の展開は中村選手が距離を取って征矢選手がその距離をつぶす展開になると思います。
中村選手の右ストレートの飛び込みは行く瞬間に左側の顔のガードが開くので遠くからだとそのスピードの速さで相手のカウンターが当たる前に元の位置に戻れるのですが、近い距離だと攻撃が加速する前に相手の右ストレートのカウンターといった攻撃をもらうリスクがあります。
征矢選手は左フックの飛び込みと右のストレート、タックルのプレッシャーで自分に有利な距離にしたいですが飛び込みの瞬間やそのあとのフックを撃つ瞬間にストレートを合わせられることが多々あります。
そのためこの試合は自分の軸となる攻撃のカウンターを持っている選手が相手という良カードというわけです。非常にしっかりとした勝負論がありヒリヒリした距離感の攻防が楽しめる今大会屈指の好カードです。

どっちにも勝つ目がありカギは自身の軸の攻撃に対してのカウンターというお互いの情報を並べただけでも100点満点のマッチメイクです。これが試合本番で120点になる瞬間が今から楽しみです。


⑩SARAMIvsラーラ・フォントーラ

現役修斗王者と戦績がきれいな外国人選手という構図としては非常に良いマッチメイクです。こういうカードを修斗が修斗の舞台でどんどん組めたら良いと思うのですが西川大和UFC契約問題などここ最近はちょっと陰りがチラ見してきたなという感じです。

SARAMI選手は現修斗スーパーアトム級王者でバックボーンの柔道を活かした寝技とガッツあふれるファイトが特徴です。RIZIN初戦は浅倉カンナ選手と一進一退の攻防を繰り広げたものの惜しくも判定で敗れてしまいました。

ラーラ・フォント-ラ選手は身長165㎝リーチ166㎝とスーパーアトム級の選手の中では体が大きく、その手足の長さを活かした下からの柔術で一本を獲るグラップラーです。RIZIN初戦は女子スーパーアトム級GPの一回戦で現RIZINスーパーアトム級王者の伊澤星花選手に負けはしたもののそのポテンシャルの片鱗を見せました。

この試合は相手を上から削りたいSARAMI選手vs下から一本を狙いたいラーラ選手という寝技での強さが重要な試合になりそうです。
ですがそういう試合でむしろ重要になってくる要素が打撃の攻防です。
先ほどのアラン”ヒロ”ヤマニハvs河村泰博のカードでも少し触れましたがグラップラー同士の試合だと意外と打撃決着することが多くこの試合も打撃でフィニッシュまではいかないもののスタンドの主導権を握った方が有利になる事は間違いありません。
SARAMI選手は丁寧な打撃をしますが相手のプレッシャーに対しては足を止めて迎撃したりあっさりと下がります。ラーラ選手はガツガツとパンチを出しながら前に出ますが結構荒いです。そのためラーラ選手がプレッシャーで押し切るか、SARAMI選手がカウンターをしっかり当てれるかという所がポイントです。

スーパーアトム級GPも残す所決勝戦のみとなりました。トーナメントやGPを行うと盛り上がりはしますが階級内の序列がはっきりとしてしまうため今年のバンタム級のようにストーリー造りが難しくなる弊害があります。
そういう事を考えるとここは落としたくないですね。勝ち方や内容か問われる生き残る為の試合だと考えると目が離せなくなってきたと思います。


⑪カルリ・ギブレインvs貴賢神

ファイトタイプの所に何も書かれていない場合なんてあるんですね。
MMA戦績0勝0敗の選手以外だと初めてなんじゃないでしょうか。

カルリ・ギブレイン選手は現GLADIETORヘビー級王者でキックボクシングの試合にも出場したことがあるほどの打撃力の持ち主です。「RIZIN.38」でRIZINに初参戦したもののシビサイ頌真選手に一本負けしてしまいました。

貴賢神選手はスダリオ剛選手の弟で元十両力士です。日本人離れした体格にパワーで鳴り物入りでMMAに参戦しましたが、デビュー戦の関根”シュレック”秀樹選手に敗北してしまいましたがそのポテンシャルを感じさせる動きを見せました。

ヘビー級の大迫力の殴り合いが見れそうな試合ですが如何せん未知数なことが多すぎてこういう記事ですが解説をぶん投げたい気分ですね。
しいて言うならギブレイン選手の打撃をもらっても貴賢神選手が前に出れるかがカギだと思います。元力士ですので打撃をもらいながら前に出るのは専門職でしょうがそれを維持できるスタミナがあるかが勝敗に直結しそうです。


⑫ミノワマンZvs侍マークハント

ファイトタイプに”超人”って書いてあって特に違和感が無いのはこの人くらいだと思います。ちなみに4度見5度見くらいすると自分の目を疑い始めるのであまり長く見ない事をおススメします。

ミノワマンZ選手は美濃輪育久の名前でPRIDE、DREAMなので活躍しているリアルプロレスラーです。
正直この選手は言葉でどうこうというより煽りV~入場~試合を一括で見なければその魅力がわからない選手ですので、気になる方はYouTubeなどで過去の試合を見ることをおススメします。

侍マークハント選手はキャリア28戦の中でKO率87%のストライカーです。スタイルは当たると倒せる剛腕を振り回して相手をブッ飛ばすものでRIZINには「RIZIN.12」で初参戦しましたが元UFCファイターのロッキー・マルティネス選手に敗れています。

体重差など現代では到底あり得ない組み合わせの試合ですが見るポイントとしてはミノワマンZ選手が自分より巨大な相手に必殺の足関節を極めれるかどうかだと思います。
ミノワマンZ選手は2009年にDREAMで「スーパーハルクトーナメント」というボブ・サップやチェ・ホンマンといった化け物のような体格の選手たちを集めたトーナメントで、選手最軽量ながら相手の足元に飛び込んで足関節を極めまくって優勝したという実績があります。今回はそれの再演なるかというマッチメイクですのでミノワマンZ選手が相手の足に近づいたら目を離さないようにしましょう。

実はお互い岐阜出身で開催地の名古屋に意外とアクセスが近い事からカテゴリー的にはご当地カードというやつです。とりあえずミノワマンZ選手の入場は必見ですので休憩はお早めに切り上げるくらいで良いと思います。


⑬元谷友貴vs倉本一真

おそらく今大会で最も純粋に勝負論だけで期待されている試合だと思います。ただただ強いやつ同士が何のストーリーもなく純粋な強さ比べをすることがどれだけ嬉しいか再確認したカードでもあります。

元谷友貴選手は言わずと知れたRIZINバンタム級トップ層の選手です。今年もすでにアラン”ヒロ”ヤマニハ選手、太田忍選手を倒していて現在3連勝中と非常に勢いに乗っています。どのポジションからでも一瞬で極めることが出来る寝技をベースに近年では打撃に力を入れていてより隙に無いファイターになりました。

倉本一真選手は全日本大学グレコローマンレスリング、全日本レスリング選手権グレコローマン3連覇などの実績を引っ提げてMMAに参戦した選手です。グレコローマンレスリングで培った四つ組みやガブりの強さ、圧倒的パワーで現在2連勝中です。特にケージを使った戦い方が得意で非常にケージ映えする選手です。
宣伝になりますがグレコローマンレスリングについてやMMAでの具体的な技術の使い方に興味がある方は筆者が書いたMMAの組み技についての記事がありますので是非読んでみて下さい!

試合のカギはケージでの倉本選手がどこまで元谷選手に通用するかです。
倉本選手はケージで強いといわれていますが具体的に強いポイントは”壁に押し込んで相手を固定する力が強い”ことです。
ケージはリングと違って後ろが完全な壁ですので押し付けて相手を固定しやすくそこに的確に膝やパウンドを落とすことが出来ます。そのアクションが倉本選手はうまく相手を動かさずに危険性のある打撃を当て続けることが出来るので選手を壁に押し付けて固定しやすいケージの方がスタイル的にあっているということです。
ただ相手はケージの試合も経験値が多くある元谷友貴選手ですので下からの寝技を警戒しつつ相手をケージに固定していけるかが注目です。

正直元谷選手はそろそろバンタム級タイトルマッチをしても良いとは思うんですよね。堀口選手が本格的にフライ級に転向しそうですのでまた戦国時代となりそうなRIZINバンタム級ですがその前にキム・スーチョル選手と挑戦者決定戦をやって夏あたりにタイトルマッチを行うのがきれいな流れだと思います。


⑭今成正和vs鈴木千裕

元々この試合は磨嶋一整選手が今成選手との超絶寝技王決定戦のカードでしたが練習中のケガにより急遽鈴木千尋選手が参戦をしました。
こういうスクランブル発進で癖のある相手と勝負するのは想像よりもメンタル的に大変だと思います。鈴木選手の勇気に感謝ですね。

今成正和選手は元DEEP二冠王者で”今成ロール”を始めとした足関節が必殺技です。触ったらどんな相手でも極められると評されるほどの極め力を持っており相手選手が足関節を警戒したら腕でも極められる強さを持っています。

ただその寝技を警戒されておりまた今成選手も基本的に寝技の攻防以外をしないためその試合には当たりはずれが激しいですが、今成選手が相手の足を触った瞬間の盛り上がりはとてつもないものがあります。

鈴木千尋選手はMMAで今年3戦目で現在3連勝ととても勢いに乗っています。キックボクシングでも現KNOCK‐OUT王者でもある二刀流選手です。
フェザー級でも上位のフィジカルにキックボクシングで磨き上げた荒々しい打撃が武器です。また前戦では萩原京平選手にチョークで一本勝ちを極めるなどMMAファイターとしての完成度を試合ごとにどんどん上げている非常に高いポテンシャルを感じる選手です。

おそらくこの試合は短期決戦になると思います。
鈴木選手はスクランブルということや今成選手という非常に対策がしづらい特異なスタイルを持っている選手が相手なので、試合開始からガンガンに前に出てフックを振ると思うんですよね。またフィジカルの差も大きくバンタム級でも試合ができる今成選手とフェザー級でも階級上位のフィジカルを持っている鈴木選手では純粋なぶつかり合いですと鈴木選手に軍配が上がりそうですので寝技に行かせることなくパンチを当てて倒したいと思います。
ですが相手は百戦錬磨の今成選手ですので試合開始直後の相手の突進に合わせて今成ロールで懐に飛び込んでそのまま足関で一本勝ち…という展開も全然ありそうです。

磨嶋選手とのカード変更で割とわかりやすい構図の試合になったと思います。このカード変更を内容的な意味で悔しがっている人がいたらその人の格オタ度は相当なものだと思いますね。
鈴木選手は名前のある選手を倒していますしこういうスクランブルにも対応していたりとかなりRIZINフェザー級を盛り上げている印象です。そろそろ実績的な価値のある上位の選手との試合が見たいですね。


⑮弥益ドミネーター聡志vs平本蓮

正直実績的には圧倒的には不釣り合いで弥益選手的にはマジでメリットが無い試合は誰が見ても明白です。
ただ平本選手にも負ける以上の負債があるんですよね。意外と平本選手もリスクを背負っていると思っています。

弥益ドミネーター聡志選手は元DEEPフェザー級王者で変則的な打撃とアームロック→洗濯バサミといった必殺コンボがある寝技での極めの強さが特徴です。また一部上場企業でサラリーマンとして働きながら格闘家としてチャンピオンまで勝ち上がった非常にすごい経歴を持っている選手でもあります。

平本蓮選手はK‐1から鳴り物入りでMMAに参戦してきた選手です。そのビックマウスやSNSでのトラッシュトークで多くの期待感を作りましたが、現在は1勝2敗と目標としているUFCチャンピオンになる道筋は想定とはだいぶずれてしまったとは思いますね。

まぁミスマッチの一言ですよね。弥益選手はまじでデメリットしかない試合だと思います。そろそろRIZINは上位層との選手を当ててほしいです。純粋なファイターとしての弥益ドミネーター聡志と強い選手の試合が見たいです。

そして皆さんが思っているより平本選手もこの試合がリスクが無いわけじゃないんですよね。もちろん実績的には圧倒的に不利で負けてもしょうがないですが現在24歳でキャリア1勝2敗とUFCに行くためには少し心もとない戦績ではあります。ここで負けると黒星が3となりUFCの新規契約はかなりの実績のある選手を倒したりフィニッシュ数が多くないと結構難しいモノになると思います。はっきりいってしまうとほぼ無理と言っても過言ではないです。なので両者とも様々な意味で負けられない試合になると書きたかったんですよ。

平本選手の体重超過が無ければですけどね。
正味体重超過の対応としては悪くはないと思いますよ。それでも今回の体重超過でこの試合を見れるモノとして成立させていた”緊張感”が切れた感じがします。
勝ってもマジでメリットが無い弥益選手に対して負けても問題ない逃げ道を作ってしまった平本選手という格闘技を行う上で重要なファクターである緊張感が全くない試合となってしまったわけです。

平本蓮の格闘技業界の立ち位置はSNSや会見で悪口かましまくっていますが実績的には基本的においしくないくせにどんな相手でも倒せる危険性があるというその切れ味で存在価値を認めさせている選手です。
ですが試合に持ってくる緊張感すら切ってしまったらもうただのナマクラなんですよね。某少年革命家のような近場にいるとめんどくさい鼻つまみ的な存在になってしまったのではないでしょうか。

最近は朝倉未来選手が主導している一分間最強を決めるイベントから一般人がオーデションでどれだけかますかGPに方針転換したアレのように、現在の格闘技界は良くも悪くも継続的なコンテンツというより一瞬のボヤでどれだけの印象を付けれるかがトレンドになってきた気がします。
そのなかで平本選手が世間から見られる視線と自分がやりたい本物の格闘技のギャップをどうするかは気になりますね。

正直平本選手が本気でUFCに行くならRIZINや日本に留まるよりもアメリカのルーファスポーツに拠点を移して海外の団体で実績を積む方が良いとは思うんですよね。普通ならお金がいっぱいかかるんですが平本選手ならスポンサーから試合をしなくてももらえる甘い汁がたんまりありますので移住計画を本気で考えたほうが良いんじゃないんでしょうか。
目先の利益を取るか、果てしない夢を取るか、正解の出ない問答ですが平本選手がどっちを選ぶのか今から楽しみです。


⑯おわりに

今回の記事はいかがでしたでしょうか!
このRIZIN LANDMARK 4の視聴は今からでも間に合いますので、下部のリンクから自分の都合の良いPPVを買ってみて下さい!

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