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#十字軍物語

【読書】『十字軍物語 第四巻』【現実主義者が誤りを犯すのは?】

【読書】『十字軍物語 第四巻』【現実主義者が誤りを犯すのは?】

 第四巻を、まとめると、
第六次十字軍(1228~1229)
 神聖ローマ皇帝フリードリッヒが率い、一戦も交えずして、イェルサレム奪還。
第七次十字軍(1248~1254)
 フランス王ルイ九世が率い、王から兵卒まで捕らえられる、完全敗北。
第八次十字軍(1270)
 フランス王ルイ九世が率い、チュニジアに上陸。たった二ヶ月で撤退。
アッコン陥落(1291)
 スルタン・カリルが率い、中近東からキ

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【読書】『十字軍物語』第三巻【「兵とは国の大事」ですよね?】

【読書】『十字軍物語』第三巻【「兵とは国の大事」ですよね?】

 『十字軍物語』第三巻は、第三次十字軍から第五次十字軍までを扱う。
 第一次十字軍は「そんな理由で始まったのか!」
 第二次十字軍が「しょぼい」結果に終わる。
 そして、第三次から第五次をつなげて考えると、
「なんでやったんだ?」
「どうして続けたんだ?」
と首をかしげてしまう。
 孫子曰く「兵とは国の大事なり」
 戦争とは、人の命がかかり、多額の費用が掛かるもの。
 利害得失を考えて、思い付きで

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【読書】『十字軍物語』第二巻

【読書】『十字軍物語』第二巻

 第一次十字軍終了後からサラディンによるイェルサレム奪還までが第二巻。
 神が、聖地を奪還してくれたわけでも、守ってくれるわけでもないので、自分たちで守るしかない。
 第二次十字軍がどうだったか?
 その間、十字軍国家はどうやって生き延びたか?
 サラディンは、どうやってイェルサレムを奪還したのか?

ポイント
・「兵とは国の大事」なんです
・文化交流でレベルアップ
・敵の戦力を無効化せよ

「兵

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【読書】『十字軍物語』第一巻【乱れている国同士が戦うとどうなるか?】

乱れている国が治まった国を攻めると滅びる(中略)

引用:『韓非子』 金谷治訳注 岩波文庫
「乱れている国」 VS 「治まった国」
という戦いなら、「治まった国」が勝つ。
 じゃあ、
「乱れている国」 VS 「乱れている国」
だとどうなるの?

「十字軍 VS イスラム勢力」
は、国家間の戦争ではないんだけど、十字軍側も、イスラム側も、どちらもバラバラ。
 その、
「バラバラな人たち同士が戦うとど

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