美容室がファンを作るために強くしなければならない3つのこと
ファンベースマーケティングは、ファンの売上をベースに売上を伸ばしていく中長期戦略になります。「そんなことは分かってる」「何をいまさら」って思う方も多いかもしれません。ではなぜ、改めてファンベースマーケティングが中長期戦略だと伝えたかのか?
それはファンベースマーケティングの話をしていると新規の客はどれくらい集客できるのかとご質問を頂くことがあるからです。
ファンベースマーケティングについて過去の記事『美容室が見直したい当たり前のこと ファンマーケティング』(下に貼っておきます)で書いた『ファンが新たなファンを作ってくれる』という部分を切り取って、ファンベースマーケティング=新規集客といった間違った認識をされている方がいらっしゃるからです。
ファンベースマーケティングによって、もちろん新たなファン=新規客を獲得することは出来ます。但しそれは、中長期でみたときの話であって新規集客のための施策ではないのです。
ファンベースマーケティングの本質は、今いるファンに喜んでもらいLTV(顧客生涯価値)を上げていくことです。
今いるファンの支持を強めていくには何が必要になるでしょうか?
答えを先に書くと(最後まで読んで欲しいけど)『共感』『愛着』『信頼』の3つを強くすることが必要になります。この3つを強くすることでファンからの支持を得て、新しいファンを作ることに繋がっていきます。
共感を強くする
共感ー他人の体験する感情や心的状態、あるいは人の主張などを、自分も全く同じように感じたり理解したりすること
簡単に言えば、「分かる、分かる。」や「そう、それそれ。」といった感情です。美容室で打ち出している価値に共感を持っているお客さんこそがファンになります。まだあなたの美容室がどこのポイントを支持されているか分からない状況であれば、既にファンの声に耳を傾けて下さい。
美容室が打ち出す価値は「カットが上手い」「カラーが上手」「ヘッドスパが気持ちがいい」など技術を前面に押し出しているケースが多いです。
本当にあなたの美容室のファンは技術に対して価値を共感しているのでしょうか?
もしかすると、「スタッフのファッションが好き」「美容室で流れている音楽がおしゃれ」「インテリアが好み」といった技術ではない部分に価値を共感しているファンがいるかもしれません。美容室で流している音楽が好きというファンが多ければ、例えば流している曲のセットリストを公開してあげることでファンに喜んでもらうことが出来ます。
美容師の技術は上手いに越したことがないではなく、プロとして上手くて当たり前と思われています。
ファンが共感している価値を理解し、その共感ポイントを伸ばしていくことがファンマーケティングの第一歩になります。
愛着を強くする
愛着―人や物への思いを断ち切れないこと
習慣的に使っているモノだけでは愛着は生まれません。また機能がとても優れているモノだからといっても愛着は生まれません。
誰かにプレゼントされた、旅の思い出、おばあちゃんの形見。こういったモノにこそ人は愛着が湧いたりしないでしょうか。愛着のあるモノの共通点はストーリーやドラマがあります。
美容室にとっての商品は美容師そのものです。
美容師の技術は簡単に習得できるモノではありません。であれば技術の習得にどれだけの苦労や努力、想いがあったのかそういうストーリーが愛着になります。
ファンに向けてSNSで、遅くまで練習している姿やアシスタントの技術試験に合格する場面をあげてみるのもいいと思います。ファンはそんなストーリーやドラマにこそファンが愛着を持ってくれます。
信頼を強くする
信頼―信じて頼ること
信頼される人とはどんな人でしょうか。
「嘘をつかない」「騙さない」「誠実である」こういった人は信頼されると思います。美容室がファンからの信頼を強くするのも同じです。
今はインターネットやSNSで本当の企業の姿が表に出てしまいます。内部(社員)から告発されるといった大手企業の話は一時期多く耳にしました。
ファンを大切にし、ファンに喜んでもらうことを施策するファンマーケティングですが、そもそもあなたの美容室に勤めているスタッフはあなたの美容室のファンになっていますか?
勤めているスタッフだけでなく、辞めたスタッフがどんな発信をするかは分かりませんし止めることも出来ません。そういった自社の評判を落とすような発信がファンに届いてしまったとき、信頼が強くなることはありません。もちろんスタッフにそういった発信を制限したり、SNSを禁止させることは逆効果になります。
社外で信頼を強くしたいのであれば、社内でスタッフからの信頼を強くすることに尽きます。スタッフが「この美容室はきちんとしている」と胸を張って言える美容室にしましょう。
さいごに
「共感」「愛着」「信頼」を強くすることがファンベースマーケティングの始まりになります。やるべきことはシンプルですが、中長期で時間をかけてやっていく必要があります。
しかし、時間をかけて今いるファンに喜んでもらい、価値を共有してもらうことができれば競合との価格競争に巻き込まれることもありません。また新規集客のために大きな予算を取られることもありません。
全国25万軒というオーバーストア状態の中で不特定多数の新規客を追い求めることを考えるよりも、ファンを喜ばすことだけを考える方がよっぽど健全ではないでしょうか?
今後とも少しでもお役に立てるような情報を発信していきますので、宜しくお願い致します。
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