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大竹涼華/下北沢モナレコード

大竹涼華、藁粥凌、iert、さかいかの、出演者全員が福島県出身というライブが下北沢モナレコードで行われた。 

01.WHITE &RED   
02.衿
03.両成敗
04.次に会えるのはいつ?
05.だから奥会津が好き
06.大切な場所があるレールウェイ

初めて、彼女の音楽をきく人は皆驚くと思う。可愛らしい見た目からは、想像ができないくらい、しっとりと湿度を含んだ一曲《WHITE &RED》で幕を上げるのだから。女性の口から出る、”僕”という単語には、微かなときめきが含まれているに違いない。彼女が”僕”と発するたび、ドキッとする。

2曲目はダークで怪しげなナンバー《衿》である。”ワルツ”、”マルボロ”、”ボサノバ”、”陽炎”という、赤、紫を混ぜて、黒にしたような単語が並ぶ。聞いているうちに、盆踊りのモアッとした空気を思い出す。そして、自分は夢の中にでも閉じ込められているのではないかという居心地の悪い浮遊感も感じる。

5曲目、《だから奥会津が好き》は、”当たり前が当たり前じゃない”彼女の故郷の歌である。マックがない、スタバもない、回転寿司なければ、ファミレスない、おまけにウーバーイーツも対象外。そんな彼女の故郷には、美味しいものや、暖かい人、自然がすぐそばにあるのだ。奥会津の空気をたくさん吸って育った彼女が、面白いことで溢れている、というのだから間違いない。
誰かの故郷を想像することは、とても心地がよく、愛おしいことだ。その愛おしさが、《だから奥会津が好き》、《大切な場所があるレールウェイ》では、奥会津の自然のように存分に感じられるのである。みずみずしい故郷の風を、会場に存分に吹かせ、幕を閉じた。



写真 オオタケソラ @funyachoco_

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