#40 予定を立てるのは得意ではない

大学生や大学院生になると、小中高での時間割や部活のスケジュールが決められていた生活とは異なり、比較的自由に生活できる。学部にもよるが、必修以外は自由に時間割を組むことができるし、サークルに入る入らないも自由だし、アルバイトの勤務頻度や職種も自分の希望を出すことができるし、そして何より、夏休みと春休みで合わせて4か月の長期休暇がある。このように自由度が高い生活を送れることから、大学生は人生の夏休み、または、モラトリアム期間などと言われる。

自由が効きやすい生活というのは快適なように聞こえる。たしかにそうだと思う。ただ一方で、弊害もあり、向いていない人には向いていない。

自分で自由に生活の流れや予定を決められるということは、休みたい分だけ休みたい人にとっては格好の期間になる。特に長期休暇では、寝たいだけ寝られるし、ゲームや動画視聴などをしたいだけできる。そういう生活を数年続けると、物事に対してきついと思うハードルが下がり、今までではきついと思っていなかったことがきついと感じるようになる。高校生までは、朝6時起きの生活を平日5日間行い、さらに休日には部活が入っていたが、現在の私からすると当時の私はすさまじいなと思うことがある。そう思うに至るような緩やかな生活を送っていることもあって、社会人生活に対して億劫な気持になるのではないか。

また、向いていないというのは、どこまで予定を詰めればよいのか線引きがわからない私のようなタイプにとって納得した生活をしづらいということだ。

高校生までは1日のスケジュールが明確に立てられており、また、一つの学校の中で生活していたため、特に予定を気にせずとも物事に集中できるような生活を送っていた。

しかしながら、大学では、自分の好きなように時間計画を立てられるから暇でなく手が付けられないほど忙しくない状態に持っていきたいが、それが中々できない。これくらい詰めたいなと決意をして授業をたくさんとるも手が回らなくなり、その反動で逆のことをすると手持無沙汰で自分はもっとできるという気持ちになる。手が回らないときは、自分の要領が悪いのか、そもそも物理的に手が回らないのかわからないから、線引きが困難である。

さらに、アルバイトのシフトを組むのも、生活を詰めようとするとかなり難しいものになる。先月暇だったから今月はシフトを多く入れるとなったら、今月は期末テストやレポートがある月で先月の手持無沙汰とは異なり慌ただしくなってしまうことがある。また、学期初めに大学の時間割が中々でないとシフトを入れづらい。入れておいてドタキャンするのは迷惑になるので少なめのシフトにすると、意外と大学が忙しくなく生活が暇になるということが今までざらにあった。

私がこうした悩みを抱えている理由として、大学生活は時間を詰めようとすることが予定調整等の影響で非現実的であること、優先順位がつけられていないことがあると思った。高校生までは朝授業前に予習、部活が終わって帰宅してから復習するといったように空いた時間を勉強に充てて時間を詰めていくという生活だった。一方で、同じように時間を詰めていく形式を大学生活に適用すると、そもそも、予定を組む段階が加わるほかに、複数のコミュニティに所属しているから予定調整がより必要になることが問題になる。予定調整は自分だけではどうしようもできないこともあるから完璧に詰めようとするのは不可能に近いということを肝に銘じなければならない。だから、暇に感じても焦る必要はないと思う。予定を詰めるのではなく、目の前のできることを確実に取り組んでいくことが大事だということに大学生活5年目にしてようやく気付いた。

これに関連して、優先順位は自由な生活と切っても切れない関係があるだろう。自由だからこそ多くの選択肢があるが、結局手を付けられることは限られている。選択肢の幅が広い方が安心感があるものの、それは同時に何者でもないということだから、これだと思ったものに舵を切って集中することが必要だろう。そのためには、自分が何を一番大事にして生活したいのかと整理しないと、最終的に手が回らなくなり結局何も成し遂げられてないということになりかねない。

こんなことを考えているのは、私が就活で優先順位を立てられておらず、自分の選択肢の幅がもたらす悦に浸ってしまっているためである。最終的には1つの会社を選ぶ(複数の会社もあるかもしれないが)ことになるから、そこは踏み切っていければと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?