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絶対残って欲しい温泉@帯広

くるみの湯を出た我々素人探泉隊シニア部は、次なる目的地モール泉の聖地十勝川温泉へと車を走らせるのであった。札幌から約200km。単調な高速道路を走りいざ帯広へ。
もちろん、まずはぶた丼である。実は、帯広といえば、ぶた丼に加えインデイアンのカレーが超有名で、かなり迷うもやはり王道のぶた丼に決まる。

とん田駐車場側入り口


観光客がぶた丼と言えば、ぱんちょうなのだろうけど、地元民にリサーチした結果、とん田(とんた)へ行きなさいと言う指令が。中心地から外れた住宅街にあるお店には11時ジャストについたものの、すでに駐車場はほぼ満車。我々の後からも続々と客がやってくる。慌てて店に行くと、すでに満席で待つことに。
見せられたメニューには、ヒレ、ロース、バラとあり、すべて860円。ヘレにはちょっと癖がある・・・なんて書かれている。
バラが一番魅力的だったが、なにせ量がすごいのでロースを選択する。ところが、店内のメニューには、ロース・バラあわせ丼990円なるものがあるではないかあああああ!
滅多に来れるところではないので激しく後悔する。のたうち廻って後悔する。地団駄踏んで後悔する。
とは言うものの、我々シニア部は、加齢とともに食がめっきり細くなっており、正直ぶた丼全部食べられるかがかなり不安であった。それが少なくとも後悔を和らげる言い訳に。ところが着丼して食べ始めると、この美味いこと美味いこと。
何が美味いってタレが美味い。食べる前の予想では、豚の生姜焼きっぽい少し濃いめの味を予想していたが、これがかなりマイルドな優しいお味なのである。ペロリと完食。完食がゆえに店の床を踏み抜く勢いの地団駄を踏むことになる。いとにくし。

ロース丼


メニューにあったロース・バラ盛りあわせ丼

さて、いよいよ温泉だ。
先にも書いたが帯広は世界でも有数のモール泉の聖地。いたるところに北海道遺産、モール泉は世界でドイツと十勝のみみたいな宣伝をしているが、たしか埼玉のスーパー銭湯湯の花もモール泉であったような記憶が・・・。ちなみに先に書いた千歳のくるみの湯もモール泉だ。
また千葉や九州にも点在していると思う。ただ、大規模でという意味でのアピールなのかもしれない。

モールとはドイツ語で植物という意味らしく、モール泉は、植物などの堆積物を通過してきた温泉と言う意味らしい。ひょっとすると、数万年たつと石油になるのかな?だから黒っぽいのか?などとつまらぬ想像をするのも旅のまた楽しみである。

とん田に行く途中にたまたま発見した刺激的なローマの福の湯へ。全く予備知識がなかったのでネットで調べると、なんと1981年の創業いらい一度も改装していないレトロな湯であるとのこと。しかもモール泉が贅沢に掛け流しと・・・。
これは行かねばならない、そーなのだ、そーなのだと素人探泉隊シニア部の士気は一気に高まるのであった。

階段を上がって二階へ。受付があると思いきや、いきなり男女別の扉が待ち受けていた。我々は、その潔さにおおおお!と雄叫びをあげたもののすこし及び腰。どうするのだろうね、わかんないね・・・と弱気になるも、番台の人はなかにおります!という貼り紙を発見。そーなのか、そーなのかと恐る恐る扉を開けると、目の前に広がる昔ながらの銭湯風景。どどーん。そこでお支払い。連れが二人分と男湯の私の分を支払えるのも昭和っぽい。

入り口

はやる心をおさえつつ、シンプルな脱衣場で裸になり浴場へ。扇型の浴槽にコーヒー色の湯がジャバジャバとかけ流されており、湯船全体から溢れたモール泉は洗い場の隅々まで覆い尽くしていた。美しい!湯の花も多く、窓から差し込む日の光にキラキラと輝いている。思わず溢れ出た我シアワセなりの言葉。ゆっくり40分近くほぼ独泉で浸からせていただき、帯広遠征の幸せな始まりの始まりを感じるのであった。

じゃぶじゃぶ掛け流しのモール泉

レジオネア菌対策として、ここは掛け流しておりますので、レジオネア菌は発生しません!という大胆な宣言も頼もしかった。
こういう温泉が最近次々と廃業に追い込まれているが、ここはなんとしても踏ん張ってほしい良い施設であった。
宝くじ高額当選したら、資金援助する!と心に決めた北海道帯広のいい湯であった。

のちにツイッターでこのことを投稿するや、フォロワーさんが、「ここの家族風呂に入って欲しかったと」コメントをくれる。確かに1階に家族風呂の案内を見たもののスルーしてしまった記憶が。

フォロワーさんからお借りした家族風呂の様子

この後、我々は、今夜の宿泊宿、十勝川富士ホテルに投宿。
チェックインの際、フロントでモール泉は掛け流し、浴室はあまりに温泉成分で滑る、特にこの辺りとこの辺りはよく滑る。老人はすり足で歩くので滑りにくいが若者がペタペタ歩くと必ず滑る。救急搬送された人もいるとかなり脅しをかけてくるので、かなり慎重になったが、まさにそれ、言われてなかったら私も十勝病院のお世話になったかもと言うくらいの盛大なツルツル・ぬるぬる温泉であった。

ローマの福の湯
帯広市東9南12
0155-25-5202
公式URL

温泉泉質表

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