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【エッセイ】モスバーガーのサプライズ

モスバーガーで注文するなら、
メロンソーダとチリドッグの一択だ。
僕は週に2、3回は、
朝からモスバーガーに行って。
ヘッドホンで音楽を聴きながら、
詩の執筆をするんだけど。
毎回のように、
メロンソーダとチリドッグを注文する。
理由はブランキー・ジェット・シティという、
古いロック・バンドの曲のなかに、
「メロンソーダとチリドッグ
そいつがあれば生きていける」という、
歌詞が出てくるからだ。
作曲した浅井健一という人間に、
僕は昔から憧れていて、
彼と同じ世界観に浸りたいが為に、
(本当は辛い物が苦手だけどここで
ホットドッグを頼むのは負けだと思っている)
そして現実にその二つの品を、
同時に注文して食べることができるのは、
僕の住む田舎町ではモスバーガーだけ。
もしくは映画館に行くしかない。
子供の頃は玉ねぎが嫌いだったので、
野菜たっぷりのモスのメニューは、
あんまり好きじゃなかった。
でも今では常連のように通っている。
多分、店員さんにも、
顔を覚えられてると思うな。
大体いつも同じ時間に入店して、
同じものを頼むからね。
モスバーガーは他のバーガーショップよりも、
割高だけど、完全に手作りだし、
その分サービスがいい。
例えば、この前あった嬉しかったこと。
注文したチリドッグが20分くらい、
出てこなくて、いつもなら10分くらいで、
届けられるから「変だな?」と思っていたら。
店員さんがササっとやってきて、
「申し訳ございません、
チリドッグの調理が遅れております。
その間にお飲み物でもいかがですか?」と、
言ってくれて、温かい紅茶を、
無料で提供してくれたんだ。
多分、開店してすぐに行ったから、
チリソースを温めたり、
準備に時間がかかったんだと思う。
でも紅茶のおかげで、
気分よく待てることができたし。
詩作も捗ったというワケ。
普通のファーストフードの店では、
こんなサービスはありえないだろう。
待たされるのは当たり前の話だ。
他にも驚いたことがあった。
祖母と一緒にモスバーガーに行った時に、
祖母がフィッシュバーガーを選んで、
「私ひとりじゃ食べきれないから、
半分に切ってくださる?」と注文した。
え!?そんなことできないでしょう・・・と、
思ったら「はい、わかりました」と、
店員さんは笑顔で答えた。
・・・意味通じてるかな?と心配になった。
届けられたフィッシュバーガーは、
綺麗に半分に切れていた。
ばーちゃんは平然として食べ始めたし。
普通のことなのかもしれないけど。
ちょっと感動した。
モスバーガーは温かい飲み物を頼むと、
自動的にお水も出してくれるし。
心遣いが行き届いている店だ。
サービスというものは、
マニュアルや決まり事じゃなくて。
人間らしさだと思う。
これからも僕は朝のモスバーガーで、
真心を感じながら詩を書き続けたい。

ちなみに味としては、
チリドッグとメロンソーダは、
全然合わないのだ。辛さと辛さがぶつかる。
おすすめはカフェオレです。

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