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世界最古のCI/ロンドン地下鉄(ロゴマーク)

世界最古の地下鉄と言われる「ロンドン地下鉄」。
トンネルの断面がほぼ円形であることから“Tube”という愛称で知られていますがその開業は約160年前の1863年。
ということは日本はまだ江戸時代!そう、薩長同盟が結ばれるちょっと前なのです!
日本でちょんまげ姿の侍が闊歩していたころイギリスでは地下鉄が走っていたというのが驚きですし、地下空間に鉄道が必要になるほどロンドンは既に大都会だったのですね。

そんなとても歴史の長いロンドン地下鉄のロゴマークがコチラ↓

地下鉄出入口のサイン

赤い丸に青の横棒が入った有名なロゴでご存知の方も多いかと思います。
地下鉄の出入口、ホームの駅名表示、路線図等で使用されており、ロンドン地下鉄のシンボルというだけでなくロンドンのシンボルといっても過言ではありません。
実はこのロゴマーク、世界最古のCI(コーポレート・アイデンティティ)とも言われています。

CI(コーポレート・アイデンティティ)とは・・・
企業文化を構築しその特性や独自性を統一されたデザインやメッセージで発信し
社会と共有することで存在価値を高めていく企業戦略のひとつ。

世界で初めてCIをつくったロンドン市交通局は地下鉄やバスも運営しているため、市民に同じアイデンティティで浸透を図ろうとしました。
ロゴマークの次は読みやすく環境に馴染む書体の作成、そしてその後世界中の地下鉄マップに影響を与えることになるロンドン地下鉄マップ(通称ベックマップ)の原型が1931年に生まれます。

ハリー・ベックによる地下鉄路線図

地下鉄マップの制作者はデザイナーではなくハリー・ベックというロンドン市交通局の電子回路図の製図者。
これまで“地理的な距離に基づいてマップを作るべき”とされていた常識を覆して駅と駅を等間隔に配置。複雑に入り組む各路線を水平、垂直、斜め45度のラインと最小限の配色で表し、単純明快な分かりやすいマップが完成しました。
(なんとなく電子回路にも見えます!)

現在使用されている地下鉄マップも“ベックマップ”を踏襲したもの。 (電子回路感もパワーアップ!?)

イギリスで“最もよく知られたデザイン”、“最も優れたデザイン”として広く知られているロンドン地下鉄のロゴマーク。
その影響力を考慮してロンドン市交通局はいかなる場合でもそのデザインの使用、変更を許可していないようです。
これまで100年以上も同じロゴマークを使い続けるなど、ロンドン市交通局はデザインに対し高い管理意識を持ち続けています。

〜ロンドン交通博物館について〜
上記のような資料をはじめ、これまでロンドンで活躍してきた馬車(!)、電車、バスの実物が多数展示してあるのがロンドン交通博物館です。
歴代の路線図、書体、サインデザイン等の展示も大変充実しており、子ども向けかと思いきや大人も十分に楽しめる博物館となっています。
興味がある方は是非とも訪れてほしい場所のひとつです。

各種グッズの一部

また博物館にはショップも併設されており、Tシャツやバッグ、マグカップ、その他いろんなロンドン地下鉄グッズが入手できます。
こういうのが大好きな方にもオススメの場所です♪

ロンドン交通博物館 (London Transport Museum)


(要らない情報ですがこのTシャツは約20年前にロンドン交通博物館で購入したものです)

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