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東洋医学講座 284

〇脾と甘味

『素問』に「天は人を養うに五気をもってし、地は人を養うに五味をもってす」とあり、体形の生ずる本(もと)は、酸味・苦味・甘味・辛味・塩味のうち、人体で一番量を必要としているのが甘味であって、その他の四味は比較的少量で良いとしています。

五味は五臓を栄養するといわれ、甘味は脾を栄養するので、脾の占める分野は全身のほとんどであることからも、甘味を大量に必要なことがうかがえます。

脾は最も多く必要とする甘味すなわち糖質は、含水炭素で人間が主食としている米・パン・麺類をはじめ穀類に大量に含まれています。

甘味による疾病の多くは、過剰に摂取することから起こり、例えば、体内において糖質を過剰に摂りますと、その分だけ内臓筋が弛緩して、胃腸に腐敗現象が起こります。それが肝疾やアレルギー症などとなり、毎食それが重なるほど重症化して、万病に連なっていきます。

糖質過剰の害としては、

①内臓筋弛緩、機能低下
②運動筋拘縮、代謝不能
③土剋水で腎機能低下
④土剋木で肝機能低下
⑤自剋で脾・膵機能低下
⑥埋金で肺機能低下
⑦砂剋火で心機能低下

などが挙げられ、その他あらゆる病気に発展していきます。

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