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東洋医学講座 239

〇心と憂

「心の変動ありては憂となる」と古典にありますが、これは心臓に変動、または病変が起こると、血液の循環が悪くなり、熱気が減少して陽性をなくして〝憂〟となることを説いています。

火力が弱く、明が少ないと、心臓の機能が低下し、冷え症となり、小心・臆病・内向性となります。

▽心臓と体液の流れ

心臓は、血管を介して血液を体中に循環させる働きの中心的役割を果たしています。もちろん、体を循環するものは血液だけではなく、あらゆる体液があり、血液ほど速くはありませんが、体のあらゆる部分にめぐっています。しかし、体液(血液を含む)の循環の中心的律動は心臓とみてよいのですが、心臓のみで体液が循環しているのではないことを知っておかなければいけません。

心が弱りますと、心の働きの代償を肺や腎に求めることが出来ます。その場合は起立姿勢では無理で、必ず仰臥しなければいけません。なぜ仰臥するかといいますと、体液の流れが容易になるからです。体液の流れが容易になれば、心臓の働きが楽になり、負担が軽くなるとともに、肺や腎が体液代謝を援助します。

憂とは、憂鬱や憂えることで、どちらかといいますと肺や腎の収斂凝結の陰的な働きです。これは心臓の陽性の働きが減少され、陰性に傾いた結果起こる精神状態です。

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