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東洋医学講座 241

〇火気の生成について

▽火気の成り立ちと働き

天は熱と日、地上では火(か)です。これは符号なので、符号として理解します。

火は人においては脈であります。心臓循環・熱・脈と連なります。これは脈動は心臓系から生成しているという考え方です。臓は心臓です。

色の観点からいえば、心臓の働きから発する色は赤色です。顔色がいいのは心臓が丈夫な証拠です。また、音は微音、陰的な変動は憂い、心系が亢進した陽的変動は笑いです。

竅は舌です。竅は口腔の中に芯火たる舌があります。口腔全体は脾であり、芯火の舌が中心となっています。味は苦味、志は喜び、南方は熱を生じます。そして熱は火を生じ、火は苦味を生じます。したがって、苦味は心臓を生じます。

心は血を圧出し、血液は消化力を生じます。消化性によって、形・脾力を生じさせます。心臓は舌を司り、心は臭を司ります。心臓が旺して、その上に他の条件が加わると、腋臭が生じやすくなります。腋臭は体熱が必要以上に高いと、臭の原質が温められて発汗現象を起こし、その際に体内の臭いが発散します。焦げくさい臭いが心臓の血液の正常な臭いです。これはむしろ香ばしい臭いですが、それが変じて腋臭となります。

心旺の人に腋臭が多いのですが、西洋では腋臭の人は好まれています。その理由は心臓が丈夫で熱血漢だからです。

赤色は心気より生じます。汗の液、これも心臓の働きです。体が熱くなれば発汗します。

心音は音を司ります。音を作る、化する働きは肝木です。もっと深くいえば肝腎心の影響です。

「心は君主の官」というのは、心臓が体全体の君主としているということです。しかし心は君主の官という言葉は、千五百年くらい前の先人たちが唱えたもので、心臓だけを君主として考えていませんでした。体の中には、五臓に応じた五つの城があり、それぞれに城主がいます。それを統合する君主は、決して心臓ではなく、腎臓か脾臓のどちらかで、おそらく、命腎の脳であると考えます。

人体は腎体であり、腎の化したものなので、腎には二つの働きがあります。一つは君火的な腎・脳的な働きであり、命腎といっています。二つ目の働きは、われわれが知っている腎で、相火的な働きするものです。

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