ライティングでの正確性の評価の段階
ライティングの正確性の評価について、kirtz@中高英語さんのツイートを見て考えさせられる機会がありました。正確性をどう評価するかについて、私の考えをまとめてみます。
正確性の評価をどう扱うか
文法や表現に間違いがあっても、理解に支障が僅かであれば大幅に評価を下げることはしないというのが私の立場です。それは、正確性における誤りを一つずつ減点していってしまうと、出題自体が文法問題と同等になってしまうからです。
私は3段階で文章の正確性の評価を捉えています。
数の少ない小さな誤り 文章全体を通して、数の少なく些細な間違いであれば、そもそも減点はしないか、減点しても僅かに留めます。文章をすんなり読めて、理解に支障がさほどないものがこれに該当します。
理解に支障をきたす誤り 文章全体を通して、一文内で文法や表現に複数箇所の間違いがあったり、統語などの間違いで理解に支障が大きい間違いが含まれていれば、より大きな減点をします。文章を読む際に、意味を推測する必要性が生じるものがこれに該当します。
誤りのために理解できない 文法や表現に致命的な間違いがあり、理解ができないほどであれば、そもそも書かれていないとして採点対象の語数から除外をします。この場合、内容が不足するので評価は必然的に大幅に下がります。
数の少ない小さな誤り
前置詞、冠詞、一部のスペルミス、等がこれに該当します。以下に例を示します。
冠詞・数の不適切使用
I like anime song.
前置詞や語形変化の不適切使用
I listen music every day.
I like listen to music.
I saw his on the way.
推測可能なスペルミス
I like Japanise culture.
It' is fun.
理解に支障をきたす誤り
統語の誤り、一文内での複数箇所の誤り、重要な要素の抜け、語彙の誤使用等がこれに該当します。これらは、そのまま読んだだけでは不十分で、少し時間を使って意味を推測せざるを得ないという特徴のある誤りです。以下に例を示します。
統語の誤り
I very like anime is Shingeki no Kyojin.
I started soccer is very young.
一文内での複数箇所の誤り
My favarie sing is Krian music.
My tiim wun the game.
重要な要素の抜けや語彙の誤使用
I songs a lot.
I bought the game about two days the date.
Playing games are happy.
His words hurt when I talked with him.
理解できないもの
理解できないものはいくら書かれていても採点対象外にするのは当然でしょう。上記以上に、誤りが複数あったり深刻だったりする場合がこれに該当します。
理解できないほどの誤り
I went to song music.
There a lot of kinds.
Movie funny enjoy.
I went songs a lot.
評価方法の実際
意味を汲み取ったり、推測したりする能力には評価者個人のばらつきが大きいです。また、意味を汲み取るのは労力がかかります。感覚的には、ライティングを読んですんなり意味が入ってくるものは高い評価を、読んでいる途中で『おや?』『これは何だ?』と思う箇所があるものは低めの評価をつけることになります。
まとめ
ライティングでの正確性の評価についてまとめてみました。ライティングにおいて、評価すべき重みは、内容>表現であると思います。間違いを過度に減点すれば、書こうという気持ちが阻害されます。しかし、誤りが多数あるものを満点とするわけにもいかないでしょう。良いバランスをどう取るかは、どなたも苦労していることだと思います。
今回は誤りに焦点を当てました。しかし前提として、表現の正確性と内容は関連しており、独立して評価することは非常に難しいことだと感じます。不正確な表現が多数使用されていれば、内容が不正確になったり曖昧にならざるを得ず、内容においても評価は低くなるのは当然でしょう。誤りと内容は両輪で評価すべきものであり、それが評価方法を複雑にしていると感じます。
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