見出し画像

衣類と単数・複数形

日本語とは異なり、英語では名詞(物の名前)の単数・複数の区別に敏感で厳格です。ここでは衣類等の英語表現の単数形・複数形について取り上げてみます。

英語での数の捉え方

英語では、一つ一つが他と区別できるものだったり、他と別個体だと認識ができるようなものの場合、一つ、2つ…と数えることができます。これは可算名詞と呼ばれます。一つの場合は単数形、2つ以上の場合にはs(またはes)などが語末について複数形になります。

例:
涙 a tear, two tears, tears 
鶏 a chicken, two chickens, chickens
出来事 an event, two events, events

筆者が適当に作成

その一方、抽象的だったり、他との境界や区分ができずに一個体として認識できないものの場合、数えることをしません。これは不可算名詞と呼ばれます。特別な場合を除き、これらは複数形になりません。

例:
水   water(水はグラスに入ったものでない限り数えられない)
鶏の肉 chicken(お肉は一個体として認識できないため)
幸福  happiness(抽象的な概念は不可算名詞であることが多い)

例文:
Boiling water 沸騰した水 
Fried chicken フライドチキン
Happiness in life 人生の幸福

筆者が適当に作成

一つなのに複数

英語では、一つのものとして認識できるのに、複数形で使用する語彙が様々あります。代表的なのは、身体に身につけるものや衣類です。一つのものなのに、複数形で表現します。

例:
女性用下着    panties
ズボン(下着) pants 
パジャマ   pajamas
靴      shoes
ストッキング stockings
眼鏡     glasses
イヤホン   earphones

筆者が適当に作成

なぜこのようなややこしいことになっているのでしょうか?その理由の一つは、これらが2つで1セットで使うもの(靴、イヤホン、パジャマ)や2つのものを合わせて作られているもの(眼鏡)だからだと言われています。パジャマは上下で1セットの扱いです。また、パンツやズボンは2枚の布を合わせて作っていたから、と説明されます。では、2つで1セットならば全て複数形なのでしょうか?

2つなのに単数

実は英語には、2つで1セットなのに単数形のものもあります。例えば、ビキニやブラ(女性用下着)です。特に、ビキニはパジャマの例を見る限り上下で1セットと捉えるべきではないかと考えられますが、違うのです。

例:
ビキニ(水着) a bikini
ブラ(下着)  a bra

例文:
I bought a new bikini for the summer. 夏用に新しいビキニを買った。
I have three bikinis. ビキニを3つ持っている。
This bra was expensive. このブラは高かった。
I bought two bras. ブラを2つ買った。

筆者が適当に作成

これらは、2つ以上では数えることもできるため、これまでの説明と大きく矛盾するものの代表例です。

なぜでしょうか?理由は諸説あります。これらがフランス語由来の言葉であるために英語のルールに沿っていないであるとか、ブラは元々1枚の布であったなどです。では、上下で1セットであるビキニは一体なぜなのでしょう…。謎です。

まとめ

英語の単数・複数形について取り上げました。衣類はその成り立ちや使われ方から、日本人の感覚とはやや異なり複数形で一つとして使われるものもあります。さらに、言語にはお決まりのように例外があります。例として、ブラやビキニは単数で扱われます。学習者泣かせですが、ルール通りにいかないところが言語の面白いところでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?