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なぜ、2回目以降のプロジェクトが大切なのか

こんにちは、名古屋で週に3回は台湾ラーメンを食べている武田(@makutake46)です。
本日は、Makuakeのプロジェクトについて書こうと思います。
Makuakeのプロジェクトと言っても、1つ1つのプロジェクトについてではなく、「複数回にわたる一連のプロジェクト群」についてです。

しかし、この表現に違和感を持たれる方もいるのではないでしょうか?
なぜなら、通常は1つ1つのプロジェクトを最大化するのがMakuake実施の目的であり、キュレーターの仕事でもあるからです。

ただ、僕はそれでは不十分だと考えます。ここについて、書いていこうと思います。

理由その1:一発ホームランが難しくなっている

これは中の人間の感覚ですが、プロジェクトで一発ホームランが難しくなったな〜と感じます。様々な要因があるのですが、大きな要因のひとつに、「D2Cブランドの乱立」があると考えます。(参考:【完全版】王者アマゾンを脅かす、最強のショッピファイ,NewsPicks)

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特に今年は、コロナ禍で流通が分断され、インターネット直販をせざるを得なくなったことや、宿泊や航空機などの打撃を受けた産業への物品、部品提供が途絶えたことでB2BからB2Cに切り替えを迫られた業界(陶磁器、板金加工など)があったこと、が主な原因だったと理解しています。

という中で、最近は同じような商品、ブランドが増えてきており、一発ホームランが難しくなったと思っています。もちろん、秀逸なアイデアの商品も出品されており、Makuakeでは1億円以上集めるプロジェクトも多数掲載されています。

後は「何が売れるか分からない」時代であることも1つの要因かと思います。

──そもそもなぜ、商品のブランド数が多いのでしょうか。
当社は今、年に10ブランドを世に出しています。売上高100億円のブランドを作るのは難しいけれど、10億円ブランドを作ることはできます。そういった10億円ブランドをたくさん持っている状態がベストだと思っています。
今は不確定要素が多すぎる時代なので、何がヒットするかわからない。だから、ホームランではなく、小さなヒットを狙い続けて、積み重ねていく必要があります。
市場規模がこれくらいだから、こういうブランドを作ろうなどと考えていたら、一生イノベーションなんか起こせないし、尖ったブランドも作れません。(BOTANIST・大西洋平社長)

このような状況の中では、一発ホームランを狙うより、複数回ヒット商品を出し、「ブランドとして」ホームベースを踏む方が理に叶っています。

理由その2:売り上げには最適な規模がある。

「商品売り上げには最適な規模があり、それ以上は無理に売ってはならない」という言葉を、どこかのD2Cアパレルブランドの代表が言っていました。
また、過去にMakuakeご実施頂いた木村石鹸・木村さんのnoteでも「身の丈にあった小さな商い」と表現しています。

1プロジェクトあたりの規模を求めすぎると、例えば下記のような弊害があります。
・生産ラインが追いつかなくなり、配送が遅れる。
・CPAが高騰する。
・ド真ん中ターゲット以外に購入され、トラブルやクレームになりやすい。

大手デパートマルイの代表は、下記のように述べています。

D2Cには、キャスパー(アメリカのマットレスメーカー)のようにスケールしてIPO(新規株式公開)する世界もあるけれど、小さいけれどじわじわ商売が続けられるような世界もあります。
ビジネスが大きくなってしまうと、投資家から「もっと市場が大きいところをやってよ」と期待されるようになります。
でも、D2Cは個人商店のようなものだから、別に流行を追う必要はない。ずっと続けられて、多様性のある面白い消費社会が作れればいい。(丸井・青井社長)

もちろん、規模が拡大すればユニクロやニトリのような、いわゆる「規模の経済」による戦い方ができるのですが、ほとんどのD2Cの場合、これは難しいと思います。

とした時に、1プロジェクトあたりはスケールさせない、という発想も大事なのかと思いました。
これにより、良質なファンコミュニティ、低CPAでの顧客獲得による利益が生まれ、その利益分をプロダクトに投資して、次の商品を生んでいく、という小さなブランドの戦い方がある気がします。(難易度は高いですが)

理由その3:ターゲットを変え、新規顧客を取り続ける

D2Cブランドは立ち上げから間もないことが多いため、基本的には新規顧客の獲得が最も大切です。(既存顧客を蔑ろにしていい、という意味ではありません)
allbirdsのように、商品に相当なプロダクト力と潜在顧客がいる場合、単品での勝負も考えられますが、このケースは稀です。(稀ですし、allbirdsもアパレルに参入してきました)

とした時に「ブランド」として成長するためには、様々な商品を展開し、ターゲット層を拡大していくのが重要と考えます。
ここで注意したいのが、「闇雲に商品拡大をすれば良い訳ではない」ということです。
例えば、トヨタがいきなり栄養ドリンクを出したらどうでしょうか?違和感がありますし、僕はあまり飲みたくないですw

ここで考えるべき点は
・自社の技術が参入障壁になるか
・既存商品とのシナジーはあるか
・ブランドイメージに合うか
が主な3点かと思います。これについて話すと長くなってしまうので割愛しますが、上記は商品拡大の際に意識すべきかと思います。

Makuakeですと下記が有名です。

このANERDというブランドは、かれこれ2年ほど、様々なアパレル商品で顧客を拡大してきました。

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このように、細かくターゲットを変えながら、徐々にブランドのターゲットを拡大していくことが重要だと思います。

次回は、連続してプロジェクトを展開する中で最も大切な「一発目」について書いていこうと思います。


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