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画詩#14 狼か兎か

それは 狼の様で兎に見え 兎の様で狼に見える
どんなに目を凝らしても どちらかは分からない
僕には分からない

ある人に尋ねると それは狼であるという
理由を尋ねると とても理論的な答えが返ってきた
僕は口をつぐむ

またある人に尋ねると それは兎であるという
理由を尋ねても要領を得ないが 強い気持ちは伝わってきた
でも 僕は口をつぐむ

さらにある人に尋ねてみると 君はどう思うのかと聞かれた
びっくりして 僕は口をつぐみ
逃げる様に その場から去る

やっと一人になって 僕は また その月を見る
兎の様でもあり 狼の様でもある その月を見る
でも その月は そんなことは気にせずに 堂々と空に浮かんでいる

僕は 兎なのか 狼なのか
堂々と浮かぶ その月を見ながら 僕は考える

2020年5月13日

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