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ひこうき雲

【MY FAVORITE SONGS 55(私は音楽でできている)】

 早良区西新にあった雀荘西条で、日がな麻雀を打っていた学生時代、ユーミンさんの「ひこうき雲」を気持ちよさそうに歌っていたのは、H君でした。H君はラグビー部で、高校時代は(国体選手・特待入学)ライバル校のキャプテンで話すこともありませんでしたが仲良くなって、雀友でした。

 私のまわりにユーミンさんのファンは(女っ気がないので)彼ひとりでした。ゴリラのようなごっついH君が、裏返った声で「あの子のいのちは~」と歌うのは、不思議な感じがしました。人は見かけによらないんだな、内面は違うんだなと思いました。私は自分がファンだということはH君には言いませんでした。言えばきっと、「お前がや?」と言われたかもしれません。(笑)

 あの頃デビューした、私が大好きだったユーミンさん、吉田拓郎さん、井上陽水さん、中島みゆきさん、イルカさんなどには、デビューアルバム等に、必ずと言ってよいほど「死」を扱った歌がありました。「死」という重たいテーマを扱わないとすまない何らかの裂け目が彼らにはあったのではないかと推測しますが、それを扱ってもつぶれない精神の足腰の強さがあったのだろうと思います。

 その頃、「ひこうき雲」を聞いていると、病床から見上げた窓の向こうに青い空が見えました。ユーミンさんは、映画のようなビジョンを音楽をとおして聞き手に伝える魔法使いのような存在だと思いました。

〈写真は、早良区石釜から東を見上げた空〉

《YouTube:ひこうき雲》
 https://www.youtube.com/watch?v=8cwVktACcpg


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