【インタビュー記事 : 前編】                    「安心な豆腐を届けたい」を貫く豆腐屋さんのお話し
見出し画像

【インタビュー記事 : 前編】                    「安心な豆腐を届けたい」を貫く豆腐屋さんのお話し

higemeganecurry

2021年11月、鳥取県大山町にて「豆腐屋 葉月」を始めたられた森田さん。不思議なご縁から、森田さんと知り合うことになり、その豆腐作りについてお話を聞く機会を頂戴しました。

「豆腐屋 葉月」さんのお豆腐作りは、聞けば聞くほど、ビックリの連続。

「1メートルを超える鉄釜を竈で炊くとか、7時間で僅か54丁しか作れないとか…、凄い拘りようですね!」

と、唸るようにお伝えしたところ
当の森田さんは

「うーん、拘ってるというか、とにかく、家族に安心して食べさせられるものを作りたい、その一心で作っているのは間違いないかな。その思いに嘘をつかないようにやってたら、結果的にこういう作り方になっただけ。」

と、カラカラと笑う。

思いに真っすぐに豆腐作りと向き合うその姿は、まさに「愚直」という文字がぴったり。今回は、そんな森田さんの豆腐作りの取り組みについて、

(前編) 豆腐屋さんを始めた想い
(後編) 想いに真っすぐな 豆腐作り

に分けてお届けします。

※後編はこちら


――森田さんが「豆腐屋 葉月」を始められた経緯について教えて下さい

きっかけで言うと4つあるように思います。

1つ目は、もう何十年も前に遡ります。妻の胆嚢に大きな腫瘍が見つかったこと。

治療のための投薬を続けていたのですが、状況はなかなか改善されず。精神的な落ち込みもあり、薬を止めざるを得ない状態になってしまいました。

その変わりにと、藁にもすがる思いで取り組んだのが「食の改善」でした。口に入れる食の一つ一つを気に掛けるようになり、あらゆる食事をゼロから見直していきました。

その甲斐もあってか、精神的な落ち着きを取り戻し、更には胆嚢の腫瘍も快方に向かっていきました。

もちろん、様々なサポートがあった上での結果であり、食事を変えたことが全てではないとは思います。

でも、このような出来事を目の当たりにして、少なくとも私自身は「食を見直すこと」が「健康を取り戻すきっかけになった」と信じるようになりました。

「食」という漢字は「人」を「良」くすると書くように、我々の身体は日々食べたものの影響を受けるというのは、皆様も感覚的にしっくりくるのではないでしょうか。

そうなって、身の回りにある食品を見渡すと、法的には問題が無いものでも「得体が分からないもの」が、たくさんあるんですよね。

添加物等を加えることで、品質を安定させ、コストを下げながら大量生産ができるようになる。結果的に、安価で美味しいものが作れれば、購入者は嬉しい。経済合理性で考えれば、この動き自体は自然ですし、そのこと自体を否定するつもりはありません。

ただ、この経済合理性という競争の中で、安心して食べられるモノが廃れていってしまう世の中には、一抹の不安もあります。

手間暇はかかりますし、その分、割高になってしまうかもしれませんが、「昔ながらのやり方」だからこそ届けられる「安心感」があると思います。そういった本当に安心できる食を「選択肢」として、世の中に残していくことが必要ではないかと考えるようになりました。


――実体験から安心できる食への想いが生まれたんですね。そんな中で「豆腐屋」をやるに至ったのは何故でしょうか。

きっかけの2つ目になります。

縁あって鳥取県大山町の「国信」という地区に住んでいるのですが、このエリアは、もともと大豆を作っていたこともあって、豆腐作りが盛んな場所でした。

ただ、昔ながらの国信豆腐作りは、相応の手間暇がかかる上に、作り手の高齢化もあって、生産者は年々減っていく一方で。気付けば、担い手は僅か「2名」にまでなってしまいました。

昔ながらの竈炊きで作る国信豆腐

このままいけば、この国信の昔ながらのお豆腐は消滅してしまうかもしれない。国信の豆腐小屋は、自分の身近にあった原風景の中の一つ。この食文化を、この原風景を、無くしてしまってよいのだろうか。

そのような考えが頭をよぎった時に、前述したような「安心なものを作りたい」という想いも重なる中で、自分がこの豆腐作りの担い手となり、次に繋いでいけたらと考えるに至りました。


――安心な食品を選択肢として残したいと想われる森田さんの足元に、昔ながらの安心な豆腐作りがあったのもご縁ですね。残り2つのきっかけはどのようなものがあったのでしょうか。

3つ目は、かなり私的な事情ではありますが、娘の障害です。

我が家は2人の子宝に恵まれたのですが、下の娘には、軽度の障害があります。日本には、障害を持った人でも生計を立てられるよう様々な補償制度があるのですが、これが「軽度」の障害の場合、ほとんどの補償が当てはまらないという実態があります。

そんな現実を目の当たりにし、娘が独立生計をたてられる術を何かしら手当しておきたいと願うようになりました。

「安心して食べて頂ける昔ながらのお豆腐屋さん」というのは、規模の拡大は難しいかもしれませんが、その価値を理解してくれる一定のお客様はいらっしゃるのではないか、娘一人が生計を立てられる糧はなんとか得られるのではないかと考えました。


4つ目は、師匠・川上さんとの出会いです。

川上さんは、ご自身も食によって体調を改善された実体験を持ち、その経験も踏まえ、自然由来の安心な食材・調理法を取り入れた「訪辺歩来(とうへんぼく)」というレストランをやられているオーナーさんです。

訪辺歩来はミシュランガイドで紹介されたことも


そんな川上さんとご縁を頂き、上述のような理由から豆腐屋さんをやろうと考えていた私を気にかけてくれて

「訪辺歩来の一角に、豆腐小屋を建てたら良い。そこで豆腐作りをしたら良い。」

と、おっしゃって下さり、本当に様々にサポートをして頂きました。

昔ながらの国信豆腐の作り方に、川上さんのご経験から得られた知見も教えて頂きながら、2021年11月「豆腐屋 葉月」が産声をあげるに至りました。


以上が豆腐屋を始めた経緯になります。

「食べることは生きること」
「生きることは食べること」

人が生きていく中で「食」は本当に大切なもの。そんな大切なもだからこそ、自分自身が作り出すお豆腐は「嘘偽りのない」「安心なもの」としてお届けてしていきたいと思っています。

※後編に続く

豆腐屋 葉月

[営業]
・米子市アスパル日吉津店さん内にて、月・火・木・金の12時から4時迄販売(ただし、2022年5月・6月は、訪辺歩来での営業となります)
・その他、月に一度、訪辺歩来で開催されるマルシェでの販売を行っています。
・営業については変更になることがございます。詳細につきましては、下記連絡先、またはインスタグラムのDMにて、お問合せ下さい

[連絡先]
090-8711-1789 森田宛

[インスタグラム]
https://www.instagram.com/tofuya_haduki/


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
また見て下さい!
higemeganecurry
2020年6月長野県佐久穂町にIターンし「カレー屋ヒゲめがね」を開業。家族とゆったりと暮らすべく、営業は週4ランチのみ。人生100年時代における生き方の1事例として発信できるよう、日々奮闘中。 https://lifeshiftjapan.jp/interview/6833/