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元作詞家の〝チョイ長〟呟き…聖幕恋多印日?

 部活なりを終えた下校時、下駄箱や机の中を確認する聖なる日。その結果はある意味自分の魅力や存在価値を知るバロメーターでありました。

 二月十四日、この日になると思い出す苦い(ほろ苦いではなく思い切り苦い)エピソードがあります。

 中学二年生であったその日、帰り際に各箇所を確認すると有難いことに幾つかの綺麗なパッケージが入っておりました。数や送り主を気にするのは勿論ですが、元来のチョコレート好きにとっては美味しいスペシャルな味を多数堪能出来ることが併せて大きな喜びだった訳です。帰り道のバス停で友人と見せっこしてちょっと交換したり、いつもの段差に座り込んで頂くその味は格別なものでした。

 その日はロッカーに大事な物を入れており最後にそれを取りに扉を開くと、全くの不注意であったと言いますかノーマークであったと言いますか、そこにも一つ可愛らしいパッケージがとば口に置いてありました。ここまでは有り難い話ですが問題はその奥のスペースにあったのです。

 ロッカー内は比較的プライバシー性の高い空間といった認識もありました故想定外でもあったのですが、いやぁ・・何れにしても大きな過失を犯しました。友人と回し読み(正確には観るですが)していた所謂Hな雑誌が当日は丁度私の順番でその奥無造作に置かれており、その表紙を確認されたことはほぼ確定でありました。状況を把握した瞬間に聖なる時間が性なる時間になったのです。友人には大笑いされ試食の気力も無くなりました。

 翌日送り主御本人に恐る恐るとお礼はお伝えしましたが、その件が会話に上ることはなく、その後の彼女の心中については知らず終いであります。卒業迄の彼女との距離感が微妙であったことは言う迄もありません。

♬ どうしてなの 今日にかぎって

安いサンダルではなくHな雑誌を置いておりました「悲しいDestiny」であります。

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