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ジョン・ボン・ジョビありがとう

ジョン・ボン・ジョビとは…
言わずと知れた世界的ロックバンド『ボン・ジョビ』のリーダー。
代表曲"リヴィン・オン・ア・プレイヤー" や "イッツ・マイ・ライフ"は誰しも一度は耳にした事があるのではないだろうか?


僕のおばあちゃんは生前、「いつか人間はジョン・ボン・ジョビに恩返ししなきゃいけないねぇ」と、よく言っていた。
あと、「そんなに近くで見てたら目を悪くするよ」も結構言っていた。
割合で言うと7:3くらいで言っていた。
勿論、「お風呂入っちゃいなさい」とか「目よ、目を狙いなさい。」とかも言っていた。

父母ともに仕事が忙しく、おばあちゃんに面倒を見てもらうことが多かった僕は、おばあちゃんの言うようにジョン・ボン・ジョビに恩返しをしようと、自然とその機会を探していた。
おばあちゃんが亡くなった後、想いは一層増し、僕は常にジョン・ボン・ジョビへの恩返しの事を考えるようになった。
だが、そのような機会は滅多にない。
盆休みや年末年始の連休を使ってイギリスの横断歩道を張っていた事もある。
重い荷物を持ったジョン・ボン・ジョビが通りがかるかもしれないからだ。
それも無駄足に終わった。
そもそも僕はジョン・ボン・ジョビに何の恩があるというのか。
ジョン・ボン・ジョビよりおばあちゃんに恩返しをするべきではないのか。


大好きだったおばあちゃんのことを、ふと思い出す。
僕のおばあちゃんは世界に1人しかいないという設定だった。例えば、ランドでおばあちゃんがパレードをしていた場合、同時刻の別の場所におばあちゃんは現れない。
(夢のない事を言ってしまうと、おそらくはバックステージに何人かのおばあちゃんが控えていて、交代でパレードやグリーティングをしていたのだと思うが。)
そんな設定を守りながら僕の世話をしてくれていたおばあちゃんには、本当に感謝している。

おじいちゃんは800人いた。

一度、「このアンバランスが夫婦円満の秘訣よ」などと意味のわからないことを言ってきたのでパンチを浴びせた事があるが、その時のパンチにかなり腰を入れてしまったことを今でも後悔している。


機会は突然訪れた。
昨夜、蛍光灯がぼんやりと照らすアスファルトの上、ジョン・ボン・ジョビの順番がグチャグチャになっていたのだ。

ボン・ジョン・ジョビ

これだ!
僕は確信した。ジョン・ボン・ジョビの順番を正しく並べることが、彼への恩返しになるはずだと。
僕は急いでこれらを家へ持って帰った。


おばあちゃん、ついにジョン・ボン・ジョビに恩返しができるよ。待ちに待った瞬間に、僕の手は緊張と興奮で震えていた。
いざ…。

ジョビ・ボン・ジョン

あれ?何かが違う。
ジョン・ボン・ジョビは世界的ロックバンド『ボン・ジョビ』のリーダーである。
これでは『ボン・ジョン』のリーダーということになってしまうではないか。
なんだボン・ジョンって。
小爆発と漏らし小便か?いや、別にそうでもないか。
気を取り直して…

ジョン・ボン・チョビ

チョビって、あったっけ?
あれ?チョビって、あったっけ??

さっきより音は惜しいんだけど、なんか雑魚っちくなってしまった。
"ジョン・ボン"までは上手くいってる気がする。
ここは固定で行こう。

ジュン

なんで?てか誰?
そんでジュンってあったっけ?

無かった気がする。
あれ?違うか。ジュンでいいんだっけか。
『ボン・ジョビ』のリーダーって、ジュンでいいんだっけか?
分からなくなってきた。
ボンとかあった気がするけど。

ボン・ジュン

できた。
小爆発と漏らし小便
やっと完成した。
おばあちゃん、小爆発と漏らし小便できたよ。



ジョン・ボン・ジョビだった。
ジョン・ボン・ジョビを作るんだった。
僕はすぐ、よく分からなくなります。
息を整えて…

ジョン・ボン・ジョビ

やったーー!!

ジョン・ボン・ジョビ、いつも盛り上げてくれてありがとう!!!!!

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