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マリーアントワネット展 Dec.2019 パリ

2019年の12月。
パリのコンシェルジュリーで開催されていた、マリーアントワネットのイメージの遍歴を辿るエキシビジョンです。

18世紀に亡くなった実在の人物で、現代でも何かと取り上げられる彼女にまつわる作品(映画、小説、漫画、ファッション)や、彼女にインスパイアされたアートの他にも、リアル判決文や肖像画などが多数展示されていました。

当時のドレスを再現したり

このエキシビジョンが開催されていたコンシェルジュリーと呼ばれる建物は、14世紀頃までは宮殿として使われていたそうですが、時の王様が居城を移したことによって王室の司令部となったのち革命あたりから監獄として使用されていた建物。
マリーアントワネットも革命後にここへ収監されており、処刑の際は3キロほど離れたコンコルド広場へ移送されたのち…

映画などで使用したドレスを展示。

写真がない当時の様子は絵で記録されていて、すっかりやつれた彼女や首を掲げる処刑人?の様子など克明に記録されていて、ウヘェ…(›´ω`‹ ) と思いながらしっかり見ました。

16、7歳で右も左もわからないところへ嫁がされ、一部からは風当たりも強く、心を開ける相手も数少ない状況で世継ぎを産まなければ用無し。というプレッシャーに苛まされたら、そりゃパーティーとショッピングで憂さ晴らしするのも無理はないでしょう。
浪費家って叩かれるけど、大した人生経験もないまま王妃というポジションが手に入り、なんだかお金もいっぱいある!綺麗な宝石売りに来る!てなったら、ねぇ。買っちゃうよね。
ちょっとした買い物依存症だったのかなぁ…とか、彼女について思うことはたくさんあります。平民だけに。

処刑場へ移送中?集まる人の多さよ。

日本ではもう忘れられたかもしれないけど、フランスではジレ・ジョーヌ(黄色いベスト)という、フランス政府に対する抗議活動が定期的に行われてます。
お上が労働階級者の気持ちを全く考えないトンチンカンな発言をすると「なんだとゴルァ?!」と騒がしくなる彼らを、たまに「革命があった国はやっぱり違うね」と肯定的に捉える意見を見るんですけど、暴力や破壊活動でモノを言わすアレはとても褒められたモンじゃないな…と私は思います。

判決文。中身は読めない。(仏語わからん)
カラーの絵もあったけど生々しすぎるので…

絵画からもわかるように、移送中や処刑場には人々が集まっています。公開処刑というのは一種のショーで、有名人や身分が高い人物になればなるほど盛り上がったんじゃないかな、と。なので王妃の処刑ともなれば、ものすごいことになるでしょうね。
日々の生活がしんどい労働者階級の人々にとって処刑鑑賞は最高の憂さ晴らしだったとよく言われますが、政府に物申すと大義を掲げながら無関係の商店に暴動を繰り返す集団を思い出しながら「ははぁ、こういうことかぁ」なんて、ちょっと腑に落ちた気がしました。
そりゃ上に言いたいことや思うことはいっぱいある。けど、もう21世紀ですから。釘バットは一旦懐に収めて、頭を使いたいですね。

もちろんヴェルサイユのばらも紹介されてた

余談ですが、ソフィアコッポラ版の「マリーアントワネット」では、ドレスを生地から作ったのか、ファブリック&レース類も展示してありました
生地オタク歓喜!こういうのもっとやって!!

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