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かき氷

読み返したい本があり、本棚を漁った。
いつ買ったのか、『日本の美しいかき氷』という本を見つけた。
暑いせいもあり、せめて眺めて涼もうとパラパラとめくった。

黒をバックに、色とりどりのかき氷が、1ページに1個、ページいっぱいに載っている。
もはや、海やお祭りで売っているカップに入ったかき氷とは全く趣が違い、ひとつの芸術作品と化している。
食べたいというよりも、その美しさに見惚れてしまった。

しかし、現実的には、カップに入ったかき氷に、『スイ』をかけて食べるのが一番おいしく、上品に食べるのではなく、頭がキーンとくるほどガツガツ食べるのが、男として暑さをしのぐ最良の方法だ。
よって、『ガリガリ君』も色々味はあるが、結局ソーダ味をガリガリ食べるのが一番美味い。

本の最後、かき氷が終わったら、手動のかき氷機のページになった。
氷をセットして、手でハンドルをぐるぐる回す。
そういえば、幼い頃に家で回したような記憶もある。
海やプールの記憶もある。
そのどれもが遥か彼方の記憶。
懐かしさにも見惚れる本に、読み返したい本をすっかり忘れた。


『日本の美しいかき氷』
https://asahiya-jp.com/book/9784751113851/


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