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天地始粛

七十二候の上では、今日は、天地始粛(てんちはじめてさむし)である。
暑さが収まり、秋に向けて少しずつ気配が変わりゆく、そんな日々へとなりゆく。

されど、実感としては、まだまだ暑く、秋が遥か彼方にあるような、そんな気配しか感じない。

七十二候は、全て覚える必要はないが、例えば自分の生まれた日や、中には美しい言葉もあるので、気に入ったものを覚えておくと、どこかで役に立つかもしれない。
とはいえ、私の生まれた日は、虹始見(にじはじめてあらわる)であるが、実際は、そんな目にあったことなど一度もないし、覚えて役に立ったこともないのだが。


日本の四季、春夏秋冬というが、ここ数年、春夏夏夏秋冬冬冬になっている気がする。
桜が咲く数週間前後が春で、街路樹が黄色く色付く数週間が秋で、残りが夏と冬、梅雨もなく、秋雨もなく、ただ暑さと寒さの繰り返し。

もはや、二十四節気七十二候のように、細分化するほど季節を感じられず、このままいけば、暑いか寒いかの二択の世界に変わってゆくのだろう。

次は、禾乃登(こくものすなわちのぼる)。
たぶん、穀物が実るそのものを見る機会すらない。
秋を感じるのは、本当に遥か彼方にわずかでしかなくなってしまった。



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