端好み
会社の仲間とランチに行った。
よく行く洋食屋で、日替わりランチのエビフライ定食を、全員が頼んだ。
このエビフライ、どうしても尻尾が残る。
であれば、どうせ残すなら、最初から切っとけばいいと思う。
しかし、切ってしまうと、これは一体なんのフライなのか、その正体がわからなくなる。
やはりエビフライは、尻尾あってのものなのだ。
このエビの尻尾、実は私は残さず食べる。
香ばしいカリカリ感が好きで、もしかしたら身よりも好きかもしれない。
つくづく残すのはもったいないと思う。
他にも、尻尾ではないが、食べ物の本体よりも、その端の方が好きな食べ物がある。
思いついたものをいくつか挙げる。
ピザ
具のところより、ミミの方。
食パン
白いところより、パンのミミ。
スイカやメロン
甘い果肉のところより、限りなく皮のところ。
カステラ。
黄色い本体より、頂上と底の茶色の部分。
変わっているかもしれないが、きっと同じ人はいると思う。
それに、私とこれらを食べる時、きっと得をすると思う。
「オレのメロン食べていいから、皮だけ残して」
となるわけだ。
などと、食べながら話したら、
「まるでカブトムシっすね」との若手男子のコメント。
周り全員が笑ってうなずいた。
「オマエらにはメロンあげない」
毅然として言い返した。
「どうせあげる気ないくせに」との若手女子のコメント。
「・・・その通りです」
大人しく言い返した。
ATMから出てきたばかりの渋沢栄一が、あっという間に野口英世トリオに変わって店を出た。
仕方ないか・・・。
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