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合格の鍵は、宇宙に浮かんでいた。【天文宇宙検定を受けてきたので受験勉強のコツを語る】

2023/05/28に催された天文宇宙検定の二級を受験してきたので、その振り返りと今後の勉強へ向けた考察を行っていく。

この記事の目的

  • 今回の学習内容や方法をまとめ、自分の次なる試験に向けてブラッシュアップする。

  • これから試験勉強をする(特に天文宇宙検定を受験する者にとって)読者に対し、有益な情報を提供する。

天文宇宙検定とはどのような検定か

天文学や宇宙学についての知識が問われる試験。

合格率

2級の出題問題の水準は、高校地学で学ぶレベルであり、この2、3年の合格率は約38%である。今回の合格率48.7%は過去3番目に高いもので、第1回の56.4%に次ぐものとなった。

天文宇宙検定公式サイトより
第13回天文宇宙検定の受験者データおよび講評

主に使用した教材(以下の二冊)


・天文宇宙検定公式テキスト《2級 銀河博士》 2023~2024年版

・天文宇宙検定公式問題集《2級 銀河博士》 2022~2023年版

勉強開始前の自分のレベル

 これまで宇宙に関して勉強したことがなく、「フォボスとかダイモスとか、聞いたことはあるけど何の衛星かは知らん」とか、「最近スペースXアツいな」というレベル。だから、主系列星という用語を最初に聞いたときなどは、全く意味が分からなかった。

時事問題に対策するために主に閲覧したメディア

記載の順番は利用頻度と無関係である。

勉強時間

およそ63時間(アプリDotetimerで集計)

主な勉強方法4つ

  1. マインドマップの利用

  2. 先述のメディアサイトの記事などを閲覧し、Notionにクリップ

  3. ノートに手書き

  4. テキストそのものに書き込む

1.マインドマップの利用

 自分は視覚優位で記憶するので、画像で体系的に情報をまとめられるツールとして、マインドマップが欠かせなかった。(以下の画像はmiMindにて作成。miMindはWindows版もAndroid版もローンチされているため、どこでも使えるのが便利だ。)

試験前日に作った簡易的なマインドマップ

2.上記メディアサイトの記事などを閲覧し、Notionにクリップ 

 自分が読んだ資料や記事の内容は必ず忘れる。そのため、ブックマークでもアプリ(私の場合はNotion)でも、とにかく保存しておくことが大事だ。 自分が一度読んだ時点では意味の分からなかったものでも、時間を空けて読み返せば、面白かったり、腑に落ちたりすることがある。
 時事問題対策にもなるうえ、興味深い記事の内容はモチベーションにも繋がる。自分の得た知識は、リアルタイムでどのように生かされているのか、もしくは、どのような扱われ方をしているのか、そうした距離感が掴めるのも利点の一つだ。

3.ノートに手書き

 1時間が与えられたとする。
 私の場合、1時間をずっとスマホやPCに費やするより、または、ノートへの手書き作業にその時間を費やするより、25分電子ツール→5分休憩→25分ノートのようなアナログツール→5分休憩、といったループを回すほうが向いている。いわゆるポモドーロテクニックである。(詳細は下記リンクから)

 ノートへの書き込みは質感や実感を伴って残る。試験が長期戦になるほど、ページが軌跡として残ることには達成感を感じることだろう。
 記憶のメカニズムによれば、インプットの方法や量より、アウトプットが大切だそうだ。覚えたことをすぐに紙に書き出すためにも、欠かさずノートとペンを机に置いておくようになった。(記憶については以下の動画を参照した。)

4.テキストそのものに書き込む

 テキストの文に補足したり追加すべき情報があった際、それを別の媒体やページに保存していたのでは、わざわざ機器を起動したり、ページを行き来する手間が生まれる。
 そのような無駄な労力を省くために、なるべく少ないページに(読める範囲で)多くの情報を入れるようにした。一つの単語を多角的に理解したい時に、様々な媒体から得た説明を書き加えておくと、比較がしやすいなどの利点もある。

反省

 何かを勉強したり、相手にするうえで大切なことは情報収集だ。スポーツでも受験でもそうだと思う。
 例えば私がボクサーだとして、次に挑む選手の情報はもちろん徹底的に集めるだろう。相手のリーチ、弱点、癖、何から何まで把握したうえで戦えば、精神的にも必ず優位に立ち回れる。何より、負けて顔中を血まみれにしながら地べたを這いつくばるリスクを回避できる。
 受験でも、どんな教科のどの部分が多く出るのか、どんな対策が有効で、合格には何点が必要なのか。失敗が趣味ではない場合、やはり多くの情報を集めるのが普通だと思う。
 今回の検定でも全く同じだ。
 二級合格に必要な点数は70/100点。内容は主にテキストと過去問題から出題される。(なぜなら、そこに準じた問題を出さなければ公式テキストに商品としての価値が無くなってしまうからだ。)
 ということは、必要なテキストを揃え、まずはその内容を全てインプットすることからがスタートになる。

初動についての大きな失敗

 買うべきテキストを一冊忘れていた。
 本当は過去問題集ともう一冊のテキストを揃える必要があるのに、過去問題集しか存在を把握せず、ひたすらその内容の解説を見ながら独学する、という手順を踏んでしまった。(これに気がついたのは試験の5日ほど前のことだった。)
 これにより、用語に関して難解なサイトをいくつも回るハメになった。
 テキスト以外にも本は読んだが、インフレーション宇宙や相対性理論に特化したものだったので、狭い部分に関しては詳しくなったものの、その他の部分についてはやはりズブズブの素人だった。
 お金を惜しまず必要な道具は揃える、というのは試験勉強をするうえでは肝に銘じておかねばならない。

記憶について

 一方向からの記憶が多く、応用や、別の角度からの問われ方に弱さが見られた。
 例えば、「フラウンホーファー線とは何ですか」と出題されれば「太陽のスペクトルに生まれる暗線のこと」と答えられるのに、「光源から観測地点までの間に存在する様々な物質が、特定の波長の光を強く吸収するために生じるスペクトル線は何ですか」と問われると、「うーん」と唸ってしまう。
 これは言わば、多角的な理解が足りない証拠なのだ。どんな問われ方をしても答えられないのなら、それは本当の理解とは言えない。
 では、本当の理解とはどのように為されるのか?
 方法を二つ考察したので挙げておく。

多角的な理解を進めるために

 方法としては、一つの単語について解説した記事や媒体を、いくつも参照することが挙げられる。
「この記事ではこう解説されている」
「そして、この記事ではこう解説されている」と、いくつもの説明文を読めば、そこに共通項が見えてきて、その共通項こそが本質的な意味なのだと理解できる。
 いわゆる流行りの機械学習も、このようにして対象を学習しているとされる。
 そのためには、自分に合った解説文(教師)を発見する能力が必要となるだろう。適当に作られたサイトの適当な解説文を読むより、有志の作った正しいサイトや文献をいくつも参考にすることが肝要だ。

落ち着いて体系的な学習を

 これは今回の総括的な一文になる。
 時間が無くなると、どうしても新たな知識を沢山入れようとしてしまう。だが、一週間に一度でもいい。立ち止まろう。
 その方法には意味があるか?
 それは対策に直結しているか?
 基礎をおろそかにして、応用にばかり手を伸ばしていないか?
 目的から逆算して予定を立てられているか?
 最初に立てた予定に拘ってしまっていないか?
 そうした事実を客観的に見て、その都度軌道修正していくことが望ましい。それができないなら、他人がどのように対策したのか、そうした体験記を参考にするのも効果的だろう。
 一人で受験に挑んでいるなら、孤独を解消するためにアプリやOpenchatのグループに所属したり、SNSアカウントを作って仲間を募ったり、発信することも精神的な一助となるはずだ。

以上です。

ご覧いただきありがとうございました。


普段はフリーターをしながら同人作家(小説・短歌・俳句)をしています。フォローしていただけると幸いです。
Twitter@Higa_RENZAN

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