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【VBT+RPEトレーニング】e1RM算出 / 挙上速度範囲&速度低下率予測ツール

当記事は、ウエイト・トレーニングでの

・使用重量と挙上速度(MV)からe1RM重量の算出
・Reps-RPEごとの提案トレーニング重量/予測速度範囲&低下率の算出

以上を自動計算するツール(Excelファイル)、VBT+RPEを組み合わせてトレーニングを行う際の実施支援ツールの紹介記事となります。

e1RM・・・推定される計算上の1RM

「VBT」と「RPE」について

VBT(Velocity Based Training)は簡単に言うと、トレーニング時において重りを挙上する際の速度測定を行い、その数値から疲労度等を客観的に判断し、強度やボリューム等を調整して行うトレーニング方法となります。

VBTはスポーツの世界ではある程度は認知度が進んでいるものの、基本的には速度測定を行うための専用の機材=VBTデバイスが必要なため一般トレーニーの間ではそれほど広まっていない感があります。現在は、スマートフォンのアプリでも速度測定できるものもありますので、VBTデバイスをお持ちでない方はまずはそちらからVBTを試してみるのも良いかもしれません。

VBTについて、日本のWEBサイトでは詳しく載っているものはほとんどなく、専門的に知りたいのであれば海外の書籍や論文等を読むのが良いのですが、普通はなかなか難しいと思います。

Lifthing Apexさんが特にウエイト・トレーニングそのものを目的にする人向けのVBT関連の記事を多く書かれていますので、VBTに興味がある方はそちらを見ていただくのが一番良いかと思います。(有料記事)



RPE(Rate of Perceived Exertion)は簡単に言うと、主観による判断で「今のセットがどれくらいきつかったかを自分で評価する指標」となります。

RPEについて詳しく知りたい場合は、以下のサイトを参考にしてください。

あくまでこれは私個人の認識になりますが、ウエイト・トレーニングを主体に行う人、より重い重量を挙げることを目的にした人の場合、VBTは特にRPEを使用したトレーニングと組み合わせて行うことでより大きな効果が得られるものだと思っています。

今回紹介させていただくツールはVBTで大きな効果を得るために、VBTをRPEと組み合わせてせてトレーニングを行う際の実施支援ツールになります。


ツールでできること/使用方法

当ツールでできることは、

①4テストによる重量/速度入力によるe1RM算出(個別プロフィール作成)
②通常トレーニング時の重量/速度入力によるe1RM算出
③Resp-RPEごとのトレーニング提案重量/予測挙上速度範囲&低下率算出

以上となります。

ツールの使用法はいたって簡単です。以下の実際の使用画面をご確認ください。

①4テストによる重量/速度入力によるe1RM算出(個別プロフィール作成)

・シートに記載された範囲で4セット分の挙上重量を設定
・テストセットで1~3レップス挙上し、最速となったレップのMVを入力
・1RM挙上時のMVを入力

以上で重量と挙上速度から推測される1RMが算出されます。

あくまで各テストでの重量-挙上速度から推測される1RMになりますので、実施に挙上できる重量とは異なりますが、以上により自身の重量(1RM%)に対する挙上速度の傾向、個別プロフィールを作成することができます。

実際に行った4セットの重量/挙上速度と、テスト時には実施しない1RM挙上時の速度を入力するわけですが、1RM挙上時の速度については自身の過去の1RM挙上時の数値や、または複数レップ挙上時のRPE10(ギリギリの挙上)となった数値を参考にして入力してください。

一般トレーニーやアスリート向けの種目毎の1RM挙上時の参考速度がWEBサイトで掲載されていますが、挙上速度は個人差が大きすぎるため、ほとんど参考にならないものとなっています。ですので、一般的な数値等でなくあくまで個々人の1RM挙上時の速度を入力する必要があります。


②通常トレーニング時の重量/速度入力によるe1RM算出

①実施後は、個別プロフィールが作成されているため、それを元にトレーニング使用重量と挙上速度を入力するだけで、e1RMを算出することができます。


Resp-RPEごとのトレーニング提案重量/予測挙上速度範囲&低下率算出

①を実施した時点で、Reps-RPEごとの予測速度範囲と速度低下率(最速値から最低値までの低下率)チャートが作成され、RepsとRPEを入力することで、チャートから提案重量と予測速度範囲&速度低下率をピックアップ表示することができます。

これはあくまで計算上の数値になるわけですが、例えばセット実施後に予測速度範囲よりも挙上速度が速かったor遅かったという結果は、成長や調子の良し悪しの確認として活用でき、またセット実施後のRPE=主観とすり合わせてセットの結果を判断することにも活用できます。

Reps-RPEごとの1RM%については種目/フォーム/挙上タイプ等の個人差によって変わりますので、「RPE算出係数」個所を変更して自身が実施する種目や、個人特性に合うように調整してください。【算出係数】シートで、自分用の算出係数を作成することも可能です。

予測速度範囲の最低値は、同RPEの1レップ挙上時の速度を基準にしていますが、レップを重ねるごとに同じRPEとなる場合にゆとりが必要な場合、例えば1レップス挙上時のRPE7.0のときは速度は0.18m/sとなるが、5レップス挙上時の最低挙上速度=最終レップの挙上速度は0.18m/sよりも少し速く挙上しないとRPE7.0とならない場合などに「レップ補正値」を入力することで最低値の調整をすることが可能です。

どれだけの補正が必要か、そもそも補正が必要などうか?は本当に個人差がありますので、常日頃のトレーニング時の挙上速度を計測してRPEとすり合わせ、客観と主観をすり合わせて「レップ補正値」を調整することになります。

なお、チャートは速度低下率の%毎に自動で色分けされるようになっています。速度低下率はセットの疲労度に関連し、VBTにおいて速度低下率によってトレーニング効果が変わるということが立証されていますので、ご自身のトレーニング内容の設定材料として役立てることができます。


ツール・ダウンロード

以下よりダウンロードしてご利用ください。

・PCまたはMacのExcel(2016以降)
・Excel WEB版
・iOSアプリExcel(無料、要マイクロソフト・アカウント)
・AndroidアプリExcel(無料、要マイクロソフト・アカウント)

以上でご利用いただけます。


最後に

先にも少し触れましたが、特により重い重量を挙上することを目的とする人によって、VBTはRPE等と組み合わせることで大きな効果が得られるものという認識のため、今回のツールを作成するに至りました。

本当にマニアックなツールにはなり、需要があるかどうかは怪しいところではありますが、ご利用いただいた方に何かしらのプラスがあれば幸いです。

また、有料ではありますが、RPEやVBTを活用したトレーニングの実施支援&管理分析ツールを公開していますので、ご興味がある方はそちらもご覧いただければ幸いです。

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