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俺の中でいま「龍が如く0」が熱い

【クリア済み】【プレイ累計時間:50時間】

2015年発売のゲームを2020年にレビューする意味があるのか言われても、プレイしてみてすんごく面白かったんだから仕方ない。
なんといってもシナリオ。歴代「龍が如く」シリーズの中でもピカイチに面白かった。

バブルという舞台装置

プレイする時代は1988年。いわゆるバブル時代。
札束が飛び交い、誰も彼も好景気に浮かれていた時代。金が集まる所には当然「裏社会」の影もある。地上げ、総会屋などなど、当時学生だった私でも、ヤクザの関わる事件やニュースは耳にしていた。

そんな世相をこれでもかと詰め込んだ「バブル」という舞台装置。

再開発、地上げ、ディスコ、キャバクラ、新興宗教、中国残留孤児などなど。よくこれだけの要素をうまくシナリオにまとめあげたものだと感心するほかない。

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街の看板や設備も当時を完全に再現しつつオリジナリティーがあり、つい時間を忘れて眺めていたりするくらいにユニークだ。

ヤクザが怖い

「いやヤクザは怖いだろう」と言われても、実はそれまでの「如く」ではヤクザは怖くなかったのだ。金の臭いがするところにとりあえず集まり、暴力を振るうだけの脳筋集団。それがいままでの「如く」におけるヤクザだった。
それが0では一変する。

「親が白といえば白、黒といえば黒」

この上下関係が徹底している。そして、暴力だけでは覆せない「立場」の違い。
いままでの如くであればたとえどんな敵がいたとしても、桐生がぶん殴っておけば解決できた。それが通らない。桐生が親に逆らい、あがけばあがくほど状況は悪くなっていく。
そうして序盤で徹底して「親の命令」が絶対である事をたたき込まれる。親の命令に従うか、逆らうか…というキャラクターの苦悩にプレイヤーが共感できるようなストーリー構成。抜群にうまい。

中でも一番怖いのがこの「佐川司」というキャラクター。

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一見普通のおっさんに見えて、言動や行動がヤクザの「怖さ」を濃縮したような存在。それでいてどこか魅力的に見えるのは演者である鶴見辰吾さんの演技力の賜物だろう。
0のヤクザは本当に怖い。

丁寧に描かれた過去

「龍が如く」で桐生の親友として登場した「錦山彰」は、プレイした当時は「桐生の親友である」という以上の情報はなく、残念ながらプレイヤーとしてもあまり思い入れがなかったキャラクターだ。

それが0では丁寧に桐生との関係が描かれ、ふたりの行動や掛け合いから「ああ、本当に親友だったんだ」と実感させてくれる。そして、その頃から考え方や思想などのすれ違いがあり、後の決裂へと繋がるのだな。という予感も同時に感じさせてくれる。

ちなみに錦山はリメイク版である「龍が如く 極」でも、桐生に敵対するようになった理由が追加で補完されている。

男が惚れる漢

今作の主人公の1人である「真島吾朗」が格好良すぎる。

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これまでのシリーズで「嶋野の狂犬」である真島はおなじみの存在だったのだが、過去編で描かれる「真島吾朗」はそれまでと違う。

初登場のシーンから魅せてくれるし、時折のちの「狂犬」の顔ものぞかせつつも、常にハードボイルドな真島吾朗は男でもうっかり惚れそうになる。

「桐生編」と「真島編」の二つのシナリオが今作の特徴だが、「真島編」のシナリオが絶妙で大変よろしい。歴代の如くシリーズをプレイした事がある人にこそプレイして欲しい。

いざキャバクラ

豊富なミニゲームは「龍が如くシリーズ」の特徴だが、特にこのキャバクラ経営モードが楽しい。

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嬢をスカウトし、会話練習などでスキルを鍛え、経営モードでは嬢や客の要望に応え、サポートしていく。

このモードだけでも独立したゲームとして完成度が高い。サブストーリーをクリアしていくと、そのツテでスカウトできる嬢もどんどん増えていく。相互に補完しあいながらゲームを進められるのは如くシリーズの強みだ。

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ひたすら「経営」だけしてもいいのだが、こちらのモードにもちゃんとストーリーがあり、敵対ボスがおり、各自攻略していけるので飽きる事も無い。嬢との会話練習もきめ細かく作り込まれていて個別のサブストーリーもあるので、うっかり本編を忘れてしまうほど。
本編クリア後でもプレイできるので、あとからじっくりプレイするのがオススメだ。

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桐生編でも不動産経営ができるのだが、こちらも同じく完成度が高く、どちらも最後までプレイしたくなる。

笑いっぱなし

街を歩いているとサブストーリーに遭遇する事が多いのだが、どれもこれもユニークなキャラクターと突飛なストーリーが盛りだくさんである。サブストーリーをプレイしているときは終始笑いっぱなしだ。

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多少落ち込むような事があっても、如くをプレイすれば笑えるし、気分も軽くなる。エンターテイメントは人を幸せにするよ。

龍が如くをプレイした事がある人にこそオススメ

PS2で発売された初代「龍が如く」からコンスタントにシリーズをプレイしているのだが、歴代のシリーズすべてをプレイしているわけではなく、外伝などをつまみ食いプレイしていた。

というのも、1〜3のナンバリングシリーズでは「ヤクザの金にまつわるゴタゴタに桐生が巻き込まれ、戦いの末に解決」といったパターンが踏襲されていたからだ。

それが0では一新されている。
基本的な流れはこれまでと変わらないが、エンターテイメント性を高めつつも、シナリオに深みが加わった。

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0をプレイした事であらためて「龍が如くシリーズ」を再評価する事ができた。
このゲームは面白い。0クリア後は「龍が如く 極」「龍が如く 極2」「龍が如く4」と続けざまにシリーズをプレイしている。

過去に龍が如くをプレイした事がある人にこそオススメの一作。
ぜひ。

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