比嘉啓信

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発達障害からニューロマイノリティという捉え方へ

普通とは何か?  「普通とは一体なんですか?」  実のところ、多くの人が、そのように問いかけられると、ドキッとするし、なかなか正鵠を得た返答ができないのではないだろうか。  日々の生活の中で、なかなか、自分自身の中にある、「当たり前」の物差しとなり基準となる、この「普通」という概念、自分自身が目の前の世界を切り取り、捉える枠となっている「普通」に対して、人は疑念を持つことはなかなかないのかもしれない。いや、よく吟味されることがないにもかかわらず、当たり前のように受け入れられ

    • 発達性トラウマの正体を知る!第4の発達障害「発達性トラウマ」とは?

      発達性トラウマ『生きづらさ』の正体(みきいちたろう著:ディスカヴァー携書:2023)を読む。 発達性トラウマとは?第4の発達障害 「発達性トラウマ」とは、第4の発達障害として定義(第一が精神遅滞、肢体不自由など古典的な発達障害、第二が自閉症やアスペルガー症候群、第三が学習障害、ADHDなどの軽度発達障害という分類に続いて)し、「発達性トラウマ障害」が、虐待や幼少時の不適切な養育などによるトラウマ(発達性トラウマ)によって複雑性PTSDに至るものとする。 複雑性PTSDと

      • タフラブ〜絆を手放す生き方〜信田さよ子を読む

        帯の「親子でも夫婦でも、友人や上司・部下と同じ。私は『私』、相手も『私』。侵入しない・させない関係をつくる。」の言葉が強く響いた。 自分のこれまでの子どもたち、妻、そして家族とは?という問いに対する考え方、捉え方、繋がり方、関係の取り結び方を再考する。 特に、「では、父の愛はどうだろうか。『父性』という言葉からは理性がイメージされる。感情でただ『かわいい』と抱きしめる母性の愛に対し、父性は理性的な愛で、子どもを正しい道に導くもの、というイメージだろう。しかし、実はこの『理

        • 学校弁護士〜スクールロイヤーが見た教育現場〜

          前任校で、スクールロイヤーと全職員が懇談する時間があった。 話の内容は、多岐に渡ったが、校則に関する懇談においては、互いに考え方が噛み合わず、消化不良になるばかりでなく、最終的には、スクールロイヤー側が学校側の意見をまともに聞き入れず、教員側に不信感が残った話し合いになった。 スクールロイヤー側としては、「子供の最善の利益」を第一に優先する立場からの考えや意見を述べており、意見としては、至って妥当な内容ではあるのだが、その意見や話ぶりが現場の教師の立ち位置や考え方を全く考

        発達障害からニューロマイノリティという捉え方へ