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大曽根でシェアハウスをする住人たちに話を聞いてみた(2)かっきー編②ーなんちゃってシェアハウス「ひどこ」

「なんちゃってシェアハウス ひどこ」住人、かっきーこと、貝原さんへのインタビュー記事第二弾です。
「ひどこ」を通して感じた変化や、自身のラジオ活動などについてお話しています。
「ひどこ」という場を、貝原さんの語りを通して感じてみてください。

以下、
インタビュアー YU(以下、田中)
今回のゲスト かっきー(以下、貝原)


「ひどこ」が住人にもたらした変化

ひどこ住人だけの空気感。


田中:ひどこっていう場所が出来る前の三人の空気感と、ひどこが出来てからの空気感って、変わったところはありました?そのまま?


貝原:たしかに変わったような感じはする。あとの二人は割としっかり者で優しいから、安定した空気感は変わっていない部分もあるんだけど、こうやって一緒に住みだしたりとか日常的に会うっていうことが起こるようになったっていうのは結構大きくて。
ニシカズの場合は、(一緒に)住む前は、僕は友達だと思っているけど、あっちはそう思ってくれているのかな?っていう感じで。ニシカズに何も理由なく接するっていうのはそれなりにハードルがあったんだけど、今は軽いノリ、っていうか、普通に住んでるから当たり前なんだけど、会えるようになったし、関係性も、割と今は自信をもって友達って言えるようになったかなあって思っていて。
前まではサークルでの代表とメンバーの一人みたいな関係だったから、教える教えられるであったり、資料をつくる・見るみたいなものであったり、そういう上司と部下みたいな関係性があったんだけど、今はそういうところはフラットになってきたし、俺も俺なりに意見が言えるようになってきたと思う。


田中:それはこういうひどこっていう場所で、なんでもない会話とかが生まれたからなのかな?暮らしを共にするっていうのが一番大きいのかな?


貝原:そうだね。西山のすごくない部分を見るようになったっていうのは大きいと思うし、ひどこってみんなが平等だと思ってやってるので、そうありたいっていう意識もあって。
だから、対等に話し合いにも参加するし。ひどこが始まってからしばらくの間は、ニシカズとカニちゃんの議論のスピード に ついていけなくて、 結構 自分 と二人 を比べて、「なんか俺いていいのかな」って感じ になったことはあったんだけど、(二人は)それでもいいって言うし、そういうのを受け入れてくれるていうか、俺の存在意義を認めてくれるというか、二人とは異質だけれど、それはそれで価値のある自分っていうか、そういう風に認めてくれる機会が何回かあって。
だから、二人とは 割と今は対等に話せるようになったかなって思ってるかな。

カニちゃんの場合は普通に親近感をもって接してたから、自分と表面的には似てるかなって思うから、対等に接することができてたんだけど。カニちゃんの場合は他の団体・大学の人だから、日常的な繋がりっていうのは無かったし、気軽に声をかけあったりっていうのも無かったから、友達とまでは思ってないというか、って言う感じだったんだけど。
「他の団体にいるよく話せる人」というかね。って言う認識だったのが、住み始めてからは、「この人本当にちゃんとしっかり勉強してるんだな」とか、「本当にこの人大学院生だし研究するんだな」っていうのが伝わってくるような感じがして、尊敬するようになったし、それと同時に、「本当はこう思ってるのかなあ、怖いなあ」っていうのも沸いてくるようになって。


田中:(笑)


貝原:あんまり内面が見えないけどほんとはこんなこと思ってそう、っていうのがありそう、みたいなのが結構あって。 

そういう時期を経て、今はそこも乗り越えて、普通に友達とは思っているし、めちゃくちゃちゃんと学識のある人だとは思っているけど、(自分が)話し合うことも出来るようになったしって感じかな。

自己実現の場としての「ひどこ」

「ひどこ」を自己実現の場としてとらえる。


田中:そっかそっか。じゃあ、今は三人との関係性がちょっと変わったかなっていう話だったけど、かっきー先輩自身がここに来て、 自分が変わったなとか、自分の中で変化したなっていうところはある?


貝原 :なんか、身軽になったような感じはする。


田中:前は重かった?(笑)


貝原:今思えば重かったかなって思うんだけど、その重みがあったっていうことに気づいたっていう感じなんだけど。今も多少親に頼っているところはあるんだけど、でも一応自立して生きている自覚はあって、ずっとやってこなかった料理もやるようになったし、人間ってめちゃくちゃ勉強とかしなくてもちゃんと自分で生きていけるようになるんだなって思って。
何かができない状態からできるようになるためにめっちゃ努力しなくちゃいけないとかじゃないし、こういうことをこなさなきゃ生きてちゃいけないとかじゃないし。生活力というか生きる力というか、それが多少ついたというか。

俺一回留年してるんだけど、そのときにもちょっと思ったんだけど、もう一回外れちゃったから、もういいやみたいな。
留年したあとにシェアハウスに住み始めたときも、そこそこのお金と時間と、それに大学4年間の時間もこれに割くって決めてしまったので、  「好きに生きてていいんだな」っていうふうに思えるようになったというか。
大学4年だから進路のことも控えてはいるんだけど、ゆうちゃんみたいな自由な人もいたりして、一留してるっていう話を同じ留年してる人にすると、「俺なんか何留してるか。こっち側においでよ。」みたいなことを言われて。もう焦んなくていいかなっていうか。だって生きていけるんだもの、っていう。


田中:境地(笑)


貝原:ちゃんと自己実現っていうか、自分のやりたいことやっていこうっていうふうに思ったかな。

あと、自分の変化っていうところでいうと、実は一人でいるときはそんなに変化はなくって、やっぱり生活していくの面倒くさすぎて、昨日みたいに昼食わないってこともあって、やっぱり親は偉大だなって思って。俺の親も片親なんだけど、一人でしばらく全部やってくれて、生活力無さすぎて(笑)

逆に、実家に帰ると安心するってこういうことかっていうのもわかったっていうか。一人でいるときの自分はあんまり変わらないけど、他の人が来てる時の自分は、ちょっといい自分っていうか、好きな自分になっているっていうか。別に誰かのためにとか思ったことはないんだけど、最近思うようになってきたというか、人に居場所だと思ってもらうことに嬉しさのようなものを覚えるようになってきて、人に貢献するってこういうことなんだなって最近わかってきた 。


田中:それはやっぱりひどこで他者と関わる時間が大きくなった からっていうのもちょっとはあるのかな。


貝原:うん。 間違いないと思う。

ラジオという居場所

貝原さんは、定期的に「なんちゃってラジオ のろし」を録音・収録し、公開しています。


田中:なんかずっと気になってたんだけど、ラジオやってるじゃん?ラジオはもとからずっとやりたかったの?


貝原:何となくやりたいなとは思ってたんだけど、本当にやるとは思ってなかった。
やれるとは思ってなかったからやるとは思ってなかったんだけど、やっぱりここに住み始めて、イベントとかプロジェクトまわすよりも、日常を面白くデザインすることであったり、そういう場をつくることの方にわくわくしてたから、ラジオって結構いいんじゃないかなって、元々やりたかったのも含めて思ったし、割とニシカズがしゃべれてしまうっていうのもわかってたので、こいつがいればこれでも成立するなって思ってしまって。


田中:ラジオをやり始めて変わったこととかはある?ラジオやるって結構ハードル高いじゃん?それを始めるって結構かえってくるものが大きそうだなって思うんだけど。


貝原:自分が何かしらのものをアウトプットできてるっていうのは、実は結構自分の心の支えになってるって思った。多分それがない状態でひどこで過ごしていると、本当にさっき言ったみたいに自分っていていいのかなっていうか、そういうしんどさが多分あったのかなって思う。

あと、最近普通に、割と喋れるようになってきたなって思ってきたし、無駄話が増えてきたのもラジオの影響かなって思ってる。


田中:でも大事だね。


ラジオで今、結構ゲスト呼ぶことも多いし、なんとなく何気ない会話とか、でもたまに深い話したりとか、来たメールからちょっと話広げてみたりとかっていう流れが多いと思うんだけど、さらにこういうことやってみたいなとかこういうことが起こると面白いなっていうことはある?


貝原:ラジオのかたちはそのときによって変わっていったら面白いなとは思ってはいるんだけど、現状に満足している部分もあって。
オリジナルのジングルとか、アイコンとか、作ってみたいなとか思ったりはするけど...でも一ついつかはって思うのは、一つのテーマについてしっかり語るというか、レクチャーではないけれど、そういう回というか、 それこそニシカズの日本酒の話でもいいんだけど、それっていうよりか、俺が一番憧れているのは、ここは院生のシェアハウスなので、そういう学問について語るというか、誰かがめっちゃ語って、そのあとそれについて議論するであったりっていうのは、結構憧れるところではあるかなって思う。
できる自信はないけど(笑)


田中:そういうのいいね。普通のラジオじゃできないもんね。オリジナルだからこそできることだね。


<<「なんちゃってラジオ のろし」を聴いてみたい方はコチラ>>


今回はここまで。次回でかっきー編は最終回です。

貝原さんにとっての「哲学」についてや、今後に向けたひどこでの展望についてお話します。
次回もお楽しみに!


インタビュアー: YU(たなかゆう)
大学休学中の女子大学生。なんちゃってシェアハウス・ひどこの公式ライター。
社会学、福祉、当事者研究に関心をおく。

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