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60歳リフレクションその4(青春の味)

青春の味などを語るのは間違いなくジジイですね。思い出なわけですから。昔話ですから。自慢話と昔話は気をつけないといけません。それでも、面白い昔話も無いわけではないのですが、それはたいていの場合語り手、つまり話者が面白いから話が面白いのであって、昔話でありながらエンタメとして成り立っている場合に限るようです。そういう話者にワシャなりたい。

すいません、こういうダジャレに抑えが効かないのもジジイの特徴です。重ねて申し訳ない。とか謝ってみたりもするが、また言う。

久しぶりに渋谷に行きまして、「桂花の太肉麺」を食べました。関西から東京に来た40年くらい前、新宿アルタの裏あたりにあった桂花で食べた太肉麺にはなんだこりゃの衝撃を受けました。麺が硬くて、コリコリという食感でした。説明書きがあって、うろ覚えなのですが当店の麺は生煮えではありません。3度は食べてください、きっと癖になります、というような説明だったと思います。僕はそれから癖になっています。とはいえ今は渋谷にも新宿にもほとんど行かないので、年に一回食べる程度になりました。

結婚する前に今の奥さん(昔も今も変化なし)とこの渋谷店にも来たなあと思い出しました。これは即ち青春の味というわけですね。同じ店が30年以上も同じ場所で営業しているのは嬉しいものです。

相変わらず美味しい。麺は、ほどほどの硬さになったようです。明らかな硬さからほどほどの硬さへ。僕が慣れたのかな。九州系のラーメンでは硬いのがスタンダードになりましたから。

ここまで昔話を書いてきましたが、全然エンタメ化してません。

ホームページを覗いたら「桂花」とは「キンモクセイ」の中国名とのこと。
キンモクセイは青春の香りです。中学生の頃、文化祭のバンド練習を終えた後の薄暗い帰り道に香ってくるキンモクセイ。頭の中の90%は好きな女の子のことで占められてたので、「キンモクセイの香り」と「告白の準備」はセットでした。

やはり、エンタメ化できませんでした。
相変わらず桂花は美味しかったです。

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