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「全体最適」と「部分最適」

「全体最適」「部分最適」とは漢字の見た目通り、全体的に見たときに最適化されている様を全体最適、部分的に見たときに最適化されている様を部分最適と呼びます。

私たちが陥りやすい間違いが、部分最適を積み上げれば自動的に全体最適になると考えてしまうことです。

例えば、会社に営業部門と製造部門があったとします。

営業が売り上げUPに全力を注ぎ(部分最適)、製造は確かな品質の製品を作ることに全力を注いだとします(部分最適)。営業が膨大な顧客を確保できたとしても製造が追いつかなければ出荷できず、会社としての利益が生まれないどころか信用を失うことにもなってしまいます。

会社としての最適(全体最適)ではありません。

製造が世界一の品質を実現したとしても、それがオーバースペックならば余計なコストとなり、会社の利益に負の影響を与えることになってしまうでしょう。

これも会社としての最適(全体最適)ではありません。

この例はわかりやすさのために極端に単純化した例ですが、自部門の成果を最大化することが会社の利益につながらないということは普通に起こることです。会社の利益は複数の部門が協力して生み出すものです。

折につけ全体最適を意識してないと、自部門の仕事を問題なく進めるために他部門との衝突が起こり、結果的に会社全体で見たときにはうまく仕事が進んでいない…などということも出てくるのです。

またこれは、部門の成果と個人の成果の関係にも同じことが言えます。個人が目の前の仕事を正確に素早くやり切ることが部門の利益につながるとは限らないということです。

個人間、部門間で手を取り合い、会社の利益(全体最適)のために動けば、その成果はきっと大きなものになるでしょう。

マネージャ向け余談

人は放っておくと部分最適化された行動をとるものです。

全体をよく考えて自分の行動にブレイクダウンするより、目の前の仕事を淡々とこなす方が楽だからです。

部門のマネージャが全体最適を意識して仕事のフィルタリングや優先順位付けを行い、適材適所で配置したメンバーに得意なことを全力でやってもらうような体制がつくれると、個々のメンバーが全体最適を意識していなくても全体最適を目指すことができます。

ただ、そのような体制を整えるよりは優れたチームの方がもっと強力です。


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