Wizard

名言からLeadershipについて考えるシリーズ - 6 -

The top 20 percent of an organization's employees should be loved, nurtured, and rewarded in the soul and wallet because they are the ones who make magic happen.
Losing one of these people must be help up as a leadership sin - a real failing.

Jack Welch

組織のトップ20%の従業員は、心の面でも財布の面でも、愛され、大切にされ、報われるべきである。なぜなら、彼らは魔法を起こす人物だからだ。
このような人たちを失うことを、リーダーシップの罪、本当の失敗として扱われなければならない。

ジャック・ウェルチ

私の解釈と考えたこと

プログラマの世界では優秀なプログラマと低レベルのプログラマの間には10倍の生産性の差があると言われています。実はこの10倍という数値が出てきたのは92社 600人が参加したプログラムコンテストの結果からです。こういった差は問題が難しければ難しいほど大きくなります。

しかし、そもそも業務領域で本当に低レベルなプログラマはこのような調査に参加することもありません。研究に依らない話としては100倍の差があるとも言われています。優秀なプログラマが低レベルなプログラマの数十倍になろうかという生産性を実現しているのは実際に見ますし、その優秀なプログラマの何倍もの生産性を示すトッププログラマがいますから、100倍という過剰な数字も、そうそう現実離れした話ではないと思います。

余計な話ですが、トッププログラマはWizardと呼ばれます。魔法使いですね。

ここで改めて、実験環境のような理想的な状況ではなく現実に目を向けると、ある程度以上難しい問題は優秀な人にしか解けないことに気づきます。逆に、マイナスの生産性の人がいることにも気づきます(無能な働き者問題です)。

一級の人材には、物事を軌道に乗せるための仕事を任せる。
軌道にのった仕事をきちんと進めるのは二級の人材でも同程度に上手に遂行できる。

ピーター・ドラッカー『経営の適格者』より

ドラッカーの言葉を逆にいえば、二級の人材では物事を軌道に乗せるのは難しいということです。一級の人材が行う仕事はそういう意味で魔法なのだと思います。

5人の素晴らしいプログラマは1000人の二流プログラマを完全にしのぐ

Mark Andreessen - Netscape創業者、投資家

これはプログラマに限った話ではないと思います。プログラマよりは分かりづらいかもしれませんが、同じようなことは他の業務を担当する従業員にも言えることだと思います。そう考えてみると優秀な従業員が会社にとってかけがえのない資産だというのは、当然のことのように思います。

会社という組織の中では、優秀な人を給料の面で極端に厚遇するとしても、現実的には一般的な従業員の2~3倍ぐらいの給料にするのが限界だろうと思います。費用対効果の面でいえば、それぐらい極端な厚遇をおこなっても会社の得る利益の方が膨大だと言えます。

優秀な社員を失わないリーダーになるためには?

  • 優秀な社員はかけがえのない資産であることをしっかり理解する

  • 優秀な社員を失うことが、会社の利益に継続的ダメージを与えることだとしっかり理解する

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