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【追悼】私にとって「闘病のヒーロー」だった安倍晋三さん: 「朝の来ない夜はない」と励ましてくれたのに

今月8日に、かつて内閣総理大臣を務めた安倍晋三さんが銃撃を受けて亡くなりました。
これほど腸が煮えくり返り、またご加護あれと祈った日は人生で他にありませんでした。

安倍さんは指定難病の一つである「潰瘍性大腸炎」を患いながらも、通算で3,188日、また第2次政権発足以後は連続で2,822日もの間、内閣総理大臣を務めました。ともに本邦の憲政史上最長です。

この厄介な病気と闘う私にとって、安倍さんは自らの実績や雄姿を持って、「潰瘍性大腸炎があっても活躍できる」と示してくれました。安倍さんがいたからこそ、この病気があっても将来に夢を抱けました。私にとって、安倍さんはヒーローであり、恩人です。

実は生前に、安倍さんから持病や闘病生活について時々ご指導いただいていました。かつて内閣総理大臣を務めた立場でありながら、学生に過ぎない私にも、きちんと向き合って親身に応じてくださる方でした。数々の功績をもって「潰瘍性大腸炎があっても活躍できる」と示すだけでなく、優しい言葉で何度も背中を押してくださいました。

最後にやり取りをしたのは、亡くなる1ヶ月前に私が持病に家族の理解を得られずに悩んでいたときで、安倍さんには「朝の来ない夜はない」と励ましていただきました。

だからこそ、再び目を覚まして、息を吹き返していただきたかった。「朝の来ない夜はない」と仰っていたのに。この病気を患いながらも憲政史上最長で内閣総理大臣を務めた生命力と強い運を、また今度も発揮なさると信じていました。
まだお世話になったお礼を直接お伝えしていませんでした。もっと闘病生活について、いろいろ教えていただきたかったのに。あまりにも早すぎます。

昨年に英国に戻るときも、ご報告したら「未来は開けている」と送り出してくれました。

これからは安倍さんにいただいた勇気と希望を胸に、歩み続けなければなりません。そして、いつか私の姿を見て、誰かが勇気と希望を抱いてくれたら、これほどの喜びはありません。安倍さんに手を合わせながら、今度は私が「いただいた勇気と希望を胸に、他の人たちのヒーローになる」番だと、決意を新たにしました。

今月12日に増上寺で執り行われた葬儀に足を運び、天国に向かわれている安倍さんにいままでの感謝をお伝えしながら、今度は「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)に貢献するとともに、いただいた勇気と希望を次世代に引き継ぐ」とお誓いしてきました。併せて、お世話になっていた秘書さんにも、改めてお悔やみ申し上げました。

いつか直接お礼を申し上げる機会が訪れたら、そのときに私の活躍をたくさんご報告しようと思っています。
それまで安倍さんが天国で見守ってくれていると、信じています。


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