好きなひと【ショートストーリー/ほっこり】
「絶対もっとカッコいい彼氏できるのに」
友達には、そう言われる。
私の彼は、確かに冴えない。
それは私も分かっている、というか、私が友達でも、きっと同じように言うと思う。
でもそれは、外から見た彼。
内から見た彼は、少し違う。
私の話を聴いてくれるし、私になんでも話してくれる。
弱さも、カッコ悪さも、少し遠慮がちに見せてくれる。
デートなのに、ヨレたシャツで現れて、
それをたまたま友達に見られて、「ありえない」と言われたこともある。
でも私を楽しませようと、目をしょぼしょぼさせながら、いつも一生懸命デートプランを考えてくれる。
カッコいい仕事をしてるわけでも、出世コースにいるわけでもない。
でも一生懸命、自分の仕事をこなして、たまに愚痴ったりしながらも、会社の人間関係も大事にしてる。
夜の営みも、テクニシャンでもないし、特別体力があるわけでもない。
でも、羽毛で撫でられてるみたいに優しくて、いつでも安心と、真っ白になるような快感をくれる。
人見知りでぎこちない笑顔も、二人きりのときはお日様みたい。
友達が何を言っても、私はあなたの良いところ、100個は言える。
ありがとう。
今日もあなたが、大好きです。
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