自信ってそもそも必要だろうか？　というお話

■自信がないと行動できないという思い込み

「自信をもて！！」

と、誰でも一回や二回や三回は言われたことあると思います。
自分で自分に言ったこともあるかも（これは昔の僕）。

自信って、ないよりあったほうがいいように思えるし、あったほうが頼りがいがあると見られるし、なんならモテる（男は特にそう考える）、と思いますよね。
確かに、自信なさそうに肩を縮めていたり、下を向いてたりしたら、大丈夫かなって思われてしまうでしょうし、そういう体の状態だと、

「自分なんて……」

みたいなことが頭に浮かびやすく、メンタルにもよろしくない。

でも、じゃあカラ元気の類であっても、自信ってあったほうがいいのかというと、それもちょっと違う。
自信をもつことより、自己否定や自己卑下をしないほうがよっぽど大事です。

ということで今回は、自信ってそもそも必要なのか？　というお話です。

■自信をもてたらどうなる？

僕は昔、まったく自信がなかったので、自信をもちたいと思っていました。
自信がもてたら、もっと堂々とできる、オドオドしないで済む、と。

なので、「根拠はいらんから自信をもて」というよくある言葉を信じて、必死に自信をもとうとしました。でも、中々難しい。結局、自信をもとうと思ってもてない自分を責めるという悪循環を発生させてしまい、自己否定を強化するという最悪の結果を生んだわけですが、自信をもてていたとしたら、どうなったんでしょう？

まあ確かに、オドオドしなくなったでしょうし、人と話すときも、堂々とできるようになったんでしょう、たぶん。でもそれ、結局表面的な話で、そういう態度を取りながらも、内側ではビクビクすることになったと思います。自信がハリボテだと見抜かれるのが怖くてビクビク、見抜かれそうになると、

「大丈夫」

「俺、できるんで」

みたいに虚栄を張る、ってことになっていたんじゃないかと。
それはちょっと、嫌ですよね。

でも自信がなくて行動できないより、ハリボテでも自信をもって行動できる方がいいと思うかもしれませんが、そもそも行動するのに自信が必要というのがちょっと違っていて、

自信→行動

ではなく、

行動→自信

と考えるのが大事になってきます。

自信ないのに行動なんてできないよ、と思いますよね。
でも、できるのです。

■自信はなくても行動はできる

自信がないと行動できないのは、自信をもって行動しようと思ったときに思い浮かべることが、大きすぎる目標だからです。

たとえば、コミュニケーションが苦手な人が、いきなり人がたくさんいるパーティに行って友達を作ろうと思っても、難しいですよね。自信をもって話しかけて……と思っても、それができれば苦労しない。仮に自信を授かって話しかけたとしても、友達になれるかどうかは、自信とは別のところにあります。

そんなときはまず、ハードルを下げることです。
自信をもたなくても、気合を入れなくてもできるところまで、ハードルを下げる。
上記の例でいうなら、友達を作るではなく、三人に話しかけるとかなら、ちょっと頑張ればできそうですよね。

そうやって、ちょっと頑張ればできることを積み重ねていくと、できる自分が増えてきて、自然と次の行動に繋がっていきます。

自信がなくても行動はできる。
それは、自信がなくてもできるぐらいのことから始めるということ。

なんかちょっとできそうな気がしません？

でも、注意点もあります。それは……

■他人との比較でもつ自信は最悪

絶対にやってはいけないのは、他人と比べることです。
といっても、僕らは無意識に人と比べてしまうので、ゼロにするのは難しいと思いますが、自信を持つために、あるいは安心するために他人と比べても、意味はありません。

なぜなら、比べたところで自分の現実が変わるわけではないから。

ちょっと頑張ればできることをやっているときも同じです。
自分にとって、ちょっと頑張ればできることが大事で、他人から見てすごいかすごくないかはどうでもいい。そして、自分ってすごいのかな、どうなのかなと比べる意味もありません。

自分よりはるかにできる人と比べても落ち込むだけだし、自分よりできない人と比べても、自分の「できる」範囲は成長しない。

もし脳内で比較が始まったら、

（意味のないこと始めちゃってるなぁ）

と、比較から距離を置くようにしてあげるといいと思います。

他人との比較は、百害あって一利なし、です。

■まとめると、自信をもとうとする必要はない

自信ってすごく大事なことのように思えますが、なくても行動はできます。
自信を持つことより、まずやってみる、試してみることのほうが大事だし、行動を継続できるように調整することが習慣化に繋がり、良い習慣が、意識しない自信を作ってくれます。

無理がなく、積み重ねというバックボーンとして、自分を支えてくれる自信。
望む結果が得られていないときも、自己否定も自己卑下もせずにいられるメンタル。

「俺はなんでもできる！」

という情熱的な自信よりも、淡々と色々なことを試していけるほうが、大きすぎるリスクを取らずに可能性も広がります。

自信がなければって思い込み、そろそろ手放して楽になってください。