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辛い過去も、解釈をリサイクルすれば壁を越える道具になる 最終話(第7話)【エッセイ】

前回まで
前回までで、私が自信を持てるようになるまでの流れを書いてきました。
何十年も自己否定に苦しみ、心が病んでしまうまで自分を追いつめてしまったときもありましたが、今はそんなことをせずに、自然体の自信をもって行動できるようになったわけですが、このエッセイの最後は、私が大事にしている、これを読んでくださるあなたがもし、自信をもてなかったり、ネガティブな思考に苦しんでいるなら、それらを解消するのに役立つ考え方をお伝えします。

1、Not yet

なにかにチャレンジして失敗したとき、自分には才能がない、自分はダメだ、あの人はすごいな……などと思って、落ち込むことがあると思います。そんなときは、こう考えてみてください。

失敗した。今はまだできなかったな、と。

今はまだできない。
今はまだ。

これが大事です。

新しいことにチャレンジしたら、失敗するのは当然。でも、だからダメなんてことはないし、どうすればうまくいかったか、どうすれば今よりもうまくできるようになるか、そう考えればよく、そのためにはまず、失敗しちゃったな、今はまだ無理だったか、と考える。失敗=自分のすべてがダメ、ではないのです。

チャレンジして失敗し、失敗を恐れて、コンフォートゾーンから出なくなってしまう思考を、カチカチマインドセット、今はまだと思って、成果よりも成長に目を向けて行動し続ける思考を、のびのびマインドセットと言います。

このマインドセットについては、マインドセット「やればできる! 」の研究
に詳しく書かれています。
ビル・ゲイツも絶賛した、成長できる人の考え方について、事例や心理学の研究をもって詳しく解説されている名著です。

結果は大事ですが、コントロールできません。だからそこだけにフォーカスすると辛くなるし、結果が出ない=ダメと、単純に考えるようになります。

そこから学べることがあっても、ダメと思っていては学びを拾うことはできません。でも、成長に目を向けるなら、結果が思ったようにいかなくても、学びを得られるし、行動をコントロールできるようにもなります。

何かを継続するには、必要不可欠な考え方です。成果よりも成長に目を向けることをオススメします。

2、脳はネガティブを止めない

そうは言っても、ネガティブはいつでも生まれてきます。思考や感情は止まることなく、湧き水のように流れ続け、365日24時間、ずっと流れてきます。これはもう、受け入れるしかありません。コントロールできる部分ではないので。

だから、出てくるものに抵抗するのは止めることおすすめします。そこに労力を使っていたら、本当に大切なことができなくなります。出てくる思考や感情は、ネガティブだろうとポジティブだろうとそのままに、良い悪いのジャッジをせず、観察する。

大事なのは、ネガティブが出てこないことではなく、そこに囚われないことです。生まれてくる思考と感情はコントロールできませんが、囚われるかどうかはコントロールできます。

これについては、自信がなくても行動すれば自信はあとからついてくる ――マインドフルネスと心理療法ACTで人生が変わる がオススメです。

これもまた、人生が変わる一冊と言えます。感情に振り回されないことは、メンタルの安定に直結します。マインドフルに集中し、感情のコントロールではなく、行動のコントロールを意識してみるといいと思います。

3、自然体の自信

ここまで話してきたことをまとめると、感情に囚われず、成長に目を向け、日々小さくてもいいから行動する。そうやって積み重ね、日々成長を感じながら、試行錯誤して前に進んでいく。成果がいつ出るかは、運もあるので、そこもまた、コントロールすることはできません。

しかし、日々の積み重ねは自分の行動なので、コントロールできます。でも当然、決めたことをできないときもあります。人間は完璧ではないから、そんなときもある。そんなときも、決して自分を責めず、否定せず、思いやりをもって自分に声をかけ、また翌日行動する。

うまくいくための方法は、結局のところそこだと思います。大きなことをやって、たとえうまくいっても、その状態を維持することは難しい。でも積み重ねなら、着実に力はつくし、そうやって人知れずやっていることが、
自分のバックボーンになり、いつしか自信を意識しなくても、自然と堂々とできるようになります。

威張るでも自信満々に振る舞うでもなく、萎縮するでもなく、自然に振る舞う。

それが、自然体の自信です。

成功したから得られるものでもない、自分だけが知っている自分の背景。意識しなくても、背筋を伸ばしてくれるそれこそが、本当に大切な自信です。

自己を受容し、成長に目を向け、感情に囚われず、思いやりをもって自分を見守り、積み重ねる。地味だし、誰にでもできることだし、結果はすぐに出なくて、多くの人がやりたがらない。だからこそ、やる価値があります。

あなたが今、どんなに自信がなく、自分を責めてしまうとしても、できることです。

今日も足を前に出して、小さな一歩を進められますように。
来年の今日、今を振り返ったとき、成長したなと思えるように。
自分を褒めてあげられるように。

そんな願いを込めて、筆を置きたいと思います。

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