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姿勢制御システムについて

こんにちは。
パーソナルジムSharez代表の岡崎秀哉(@hide_sharez)です。

このnoteでは、パーソナルトレーニングなどの指導に関わるものから、フィットネス業界全体に関するものまで幅広く書いています。
今回は比較的専門的な内容となります。

姿勢改善などに関わる「姿勢制御システム」についてまとめていきたいと思います。

1.姿勢制御システムとは?

姿勢制御システムとは、様々な動作において姿勢を無意識に調整する機能のことです。
姿勢制御システムは、視覚、前庭覚、体性感覚の3つの感覚から成り立っています。それぞれについて解説していきます。

2.姿勢制御に関わる3つの感覚とは?

では、視覚、前庭覚、体性感覚について簡単に解説します。詳しい解説は別の記事にて紹介していこうと思いますので、ここでは簡潔に。

2-1.視覚、前庭覚、体性感覚について

視覚とは、視覚情報とも表現され、目から入ってくる情報のことです。目から入ってくる情報には、外部の空間的情報や、物体的情報などがあります。止まっているものだけでなく、動いていたり、自分が動いたりする中でピントを調整し、正確に情報を得ることが求められます。
前庭覚とは、前庭という器官から得られる情報のことです。前庭は内耳の蝸牛と三半規管の間に位置している器官で、中はリンパ液で満たされており、耳石器とリンパ液により、頭の位置や角度、加速度を感知します。いわゆるバランス感覚、平衡感覚を制御する器官です。
体性感覚とは、表在感覚と深部感覚があり、痛覚や圧覚などを表在感覚といい、位置覚や運動覚や重量覚などを深部感覚といいます。身体のどの部分がどれくらい動いているか、を感知しています。
これらの情報を中枢神経系で統合して、運動を企画し、姿勢や動きをアウトプットするわけです。

2-2.年齢における変化

静的姿勢においては、体性感覚70%、前庭覚20%、視覚10%と言われていますが、これはあくまで静的姿勢であり、大人という条件です。姿勢を制御する感覚については、生まれてから徐々に変化していきます。

乳児の時には、前庭覚優位の姿勢戦略をとっています。なので、重心の高低差などに敏感で「高い高い」などをしてあげると反応します。
生まれてすぐは目の前のものが動くのがわかる程度の視力しかなく、視覚からの情報が得づらい状況です。
生後2ヶ月頃から動くものを目で追ったりできるようになってきます。 生後4ヶ月頃になると、ピントを合わせることができるようになってきます。 生後3ヶ月頃の視力は0.05、1歳で0.2程度、6歳までに1.0程度になると言われています。
乳幼児になるにつれて、視覚からの情報も得られるようになってきます。4歳~6歳頃には、前庭、視覚、および体性感覚入力が統合し始めます。歩行経験の増加と共に、運動経験が強化され、体性感覚系が優位になってきます。
このような流れで大人と同じような姿勢制御システムになっていきます。
大人になり、歳を重ね、高齢者になっていくとまた変化が起こります。
加齢により筋力低下が進むと体性感覚からの情報入力の割合が低下し、視覚優位の姿勢制御へ移行していきます。
それにより、足のひっかかりや転倒経験の増加などが増えてきます。
また、脳卒中になった方のうち60%以上が感覚障害を呈し(Careyら1993)、体性感覚での姿勢制御が困難となり、その結果、前庭覚や視覚でのが優位になったりもします。

2-3.動きによる3つの感覚の割合の変化

先ほど、静的姿勢においては、体性感覚70%、前庭覚20%、視覚10%と記載しましたが、動きによってこの割合は変化します。
安定した立位姿勢においては、体性感覚が優位となりますが、アンバンランスな足元(片足立ち、バランスディスク上など)になると体性感覚からの情報の正確性が低下するので、視覚、前庭覚からの情報をもとに姿勢を制御するようになります。また、コンタクトスポーツなどにおいては、前庭覚、体性感覚が優位となります。

2-4.3つの感覚の相互関係

視覚と前庭覚は相互に補完し合っています。また、頚眼反射という反射もあり、頚部の安定性と眼球運動は連動しています。つまり、視覚と体性感覚も繋がりがあります。ですので、いずれかの機能が低下してしまうと、他の機能も低下してしまいます。
姿勢制御システムに関しては、それぞれ3つの感覚にアプローチし、全てを踏まえた形で取り組む必要があります。

3.まとめ

今回は姿勢制御システムについて、簡単にまとめてみました。
3つの感覚の詳しい情報については、また別の記事でまとめていきたいと思います。
姿勢制御システムの考え方は、リハビリなどの現場で使われることが多く、理学療法士の方が最も勉強するジャンルだと思います。
とはいえ、姿勢を良くしたい、動きを良くしたい、というニーズは一般の方もスポーツをしている方もあると思うので、学んでおくことで非常に汎用性のある知識だと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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